難しくなくて短いのを適当にやったけれど結構かかりました。所要3時間ほど。
こういうの久しぶりなので、と言い訳を。

http://www.wizards.com/DnD/Article.aspx?x=dnd/dued/2010August より、

Steve Winter “Treasure a Good DM” 

良いマスターを大事にする  


キャンペーンを創造したり破壊したりする。それがダンジョン・マスター。

別にショッキングなものいいだとも思わない。キャンペーンが成功裏に終わってみんなが満足できるかどうかという観点において、マスターとは単なるファクターじゃない。マスターやプレイヤーのうち、誰か一人でも傍若無人だったり、気を散らしたり、邪魔したり、サボったりすることでキャンペーンは崩壊しうる。だがプレイヤーだけではキャンペーンを最高のものにすることはできない。プレイヤーは自分たちにできることを求められる。そしてダイスがそれに応えたならば、今度はマスターの肩にかかってくる。どれほどプレイヤーが優れたチームワークを発揮しても、しょぼいマスターをカバーできるわけじゃない。だけど、優れたマスターなら、プレイヤーがちょっとばかしアレだったとしても、それを補って余りあることができる。

驚くべきことでもないが、この点について多くのマスターは水準に達していない。誰もマスターをやりたがらない、あるいはルールブックを持っているからという理由でマスターという役割を押し付けられる人もいる。マスターをやるには未熟で幼すぎるのもいる。本当にどうしようもないのは揚げ足取り、干渉大大大好き、学者ぶった空論家、つまらない話を長々しゃべる奴に陰口中傷なんでもござれ、なかでも最悪なのがジャイアン。(※1)

わかっている、みんな誰もが最高のマスターになりたい。だが現実は茨の道。エキサイティングな冒険を作り上げ、複数のNPCのロールをこなし、血湧き肉踊る白熱の戦闘シーンを演出し、みんなを活躍させてプレイヤーそれぞれを尊重する。マスタリングとは、そういうことを求められる立場だ。一つ一つなら大体の人間ができるだろう。だが、一度にすべてを同時にこなせることを求めると罠に嵌る。さながら絵描き兼車の修理工兼コック兼サッカー選手、すべてできる人を探すみたいじゃないか?

もし、君が本当にすごいマスターとゲームをしたことがあるなら、それを真似することが至難の業だとわかると思う。高い目標を己に課し、もうその人自体すら壮大に感じられる。誰が「世界最高マスター」の後釜になんて座りたいと思うだろう?

われわれは、ダンジョンズ&ドラゴンズのプレイヤーすべてがマスター候補だと思っている。自分の置かれた環境の中で、マスターから学び、そして真似る。悲しいかな、悪いマスターから残念なテクニックを吸収しきってしまうのは簡単。人間誰しも、何かしら悪いことは身に付けられてしまうものだ。そして逆は真ならず。最高のマスターを見ているということだけでは、君の糧になりはしない。

それゆえ優れた指導者としてプレイヤーに範を垂れることができつつも、自身が何者であるか知っており、謙虚で表立っては賞賛を受けないような人物は、それ相応に評価される。これを生まれついてのものに対して、得がたい長所として褒めているとは考えないで欲しい。(※2)第4版は、プレイヤーがキャンペーンのマネージメントに関する役割を持たせることをマスターに推奨している。これは単にマスターという暗夜を照らす光となるだけでなく、プレイヤーの持つ長所をマスターが学ぶきっかけになる。じゃあプレイヤーのスキルからマスターが学ぶということは、単に良いところを一つ一つ見つけていくことに比べ、どういう点がよいのだろう?以下に可能性を挙げてみる。

・もしパーティーのこれまでの冒険の歩みを記録するのに長けたプレイヤーがいるなら、その世界の歴史をまとめたり、時には部分的に作ったりしてもらうのはどうか。

・もし興味を引くキャラクターを演じるスキルのあるプレイヤーがいるなら、そのキャラクターがいないシーンになどで、街中・店・洞窟などで遭遇するNPCの役割を頼むのはどうか。

・戦術に定評のあるプレイヤーがいるなら、そのキャラクターがどこかにいる、もしくは不運にも気絶していたり死んでいたりする場合に、代わりにモンスターの操作を任せてしまうのはどうか。

・ストーリーテラーとしての資質があるプレイヤーがいるなら、冒険のデザインや、アウトラインだけでも頼んでみるのはどうか。短めの冒険が向いている。好評ならグループ内で周り番にしても面白いし、プレイヤーにマスタースクリーンの反対側に交代で来させ、やらせてみてもいい。

理想のマスターとは一個人として大人であることだが、少なくともダンジョン・マスターとして足りるものであればいい。運がよければ、誰かが君に道を示してくれる。新たな一歩を踏み出すのは今だ。

                    Steve Winter

(※1)単語のニュアンスを表現できる適当な言葉は思いつきませんでしたが、よい例えは思いつきました。ジャイアンがマスターやったらどうなるでしょうね?

(※2)かなり適当。前後の文章とその部分の語意から推測した継ぎ接ぎ。いわゆる誤魔化し。

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