明かされた魔法:助っ人と雇われ人
2011年6月6日 ゲーム明かされた魔法:助っ人と雇われ人
ロバート・J・シュワルブ
http://www.wizards.com/DnD/Article.aspx?x=dnd/dra/201103henchmen
冒険者は世界にいる一般人より優れた存在だ。才能に恵まれ、特殊な訓練を積み、魔法を操る彼らは、定命にとって神のような存在だろう。まあさすがにそれは言い過ぎとして、それでも英雄は何かしら特別な存在だ。冒険者をおいて、ねぐらにいるドラゴンに誰が立ち向かえるだろうか?洞窟に住み着いたゴブリンを退治するため、荒れはてて罠の仕掛けられた所に乗り込んで誰が生き残れるだろうか?ゾンビをダース単位で薙ぎ払える者など、他にいるだろうか?
さて、英雄はみな、多くの人々が思いもしないようなことをやってのける。それはいいのだが、冒険者もまた普通の人々が必要だ。一般人は英雄にはできない、もしくはやりたがらないことをやる。誰かに造ってもらった鎧がなければ、ナイトのどこが強いだろう?手にしている剣を鍛える者がいなければ、パラディンは探索行をどうやって生き延びることができるだろう?誰かが冒険者にご飯を作ってやらなくてはならないし、訓練もしてやらなくてはならない。冒険が終わって英雄たちが戦利品を携えて帰還したとき、連中は小さな開拓村が提供できる熱々の食事と、寝るためだけの温かいベッドに飢えていることだろう。普通の仕事は普通の人々がやるものであり、英雄たちがそんなことにかまけていれば、怪物とやりあってお宝を略奪するチャンスなどほとんどなくなること請け合いだ。
一般人は、冒険者稼業は専門家にお任せする。彼らは喜んでコインを受け取り、見返りに奉仕を提供する。彼らは冒険者の語る、冒険、危険、向こう見ずなところから生きて帰ってきた物語に耳を傾けるが、その一方でそうした生活に関わらず、似たような挑戦をしなくて済んでいることに安心してもいる。
こうした一般人は、やり方を誤らなければ、英雄たちを安全な場所から広い世界の冒険へと焚き付け、英雄のクエストについて行ったり、手助けをしたり、細かいことをやったりして、目的を達成するのを助ける。この手のお助けキャラは助っ人であり、従僕であり、雇われ人であり、召使だ。見合う対価を支払えば、彼らはその独自の才能を冒険者の抱えた問題に役立ててくれる。
雇われ人と助っ人は、ダンジョンズ&ドラゴンズができてからずっとその一部であった。古い版では、助っ人は冒険者のパーティーに加わってちょっとした追加の戦力となり、敵の矛先を逸らし、英雄の目的達成、障害排除、そして生還を助けてきた。そして時が流れ、第4版は部下の概念について違うやり方を示そうということで、キャラクターに相棒を持たせてみた。野獣使いレンジャーやsentinel(歩哨)ドルイドにはペットがいる。ダンジョン・マスターズ・ガイドⅡは同行キャラクターの作り方について、一から作成したり、既存のクリーチャーに役割をつけて補完したりする記載(訳注:同書27ページ)があった。この方法は多くのグループでは十分かもしれないが、欠けているものもある。古き伝統に倣う、リーダーシップ(統率力)のような要素だ。今回の記事では、既存のオプションを拡張して雇われ人と助っ人を得る方法および必要なノンプレイヤー・キャラクターを作る方法を扱う。
以下のルールはレベルに関係した複雑なところがあり、すべてのグループにしっくりくるわけではないと思う。多人数のパーティーにとって、助っ人と雇われ人はテーブル上にたくさんの人々を登場させてしまうため、ちょっと難しくなる。初心者はごちゃ混ぜにキャラクターが出てくると複雑すぎて扱えなくなるかもしれないし、ノンプレイヤー・キャラクターを入れ過ぎると、他のキャラクターが持つパーティーでの役割を薄められる。
その一方、プレイヤーが足りないのがネックになっているグループでは、助っ人と雇われ人が解決策になりうる。欠けていた役を埋め、厳しい時も己の役割を果たしてキャラクターを叱咤激励し、ロールプレイに興を添え、クエストを補完する。キャンペーンでストーリーが展開するのに貢献してくれるわけだ。この記事を活用する前に、ダンジョン・マスターズ・ガイドをよく読んで、自分のグループにどんなキャラクターが合っているのか吟味してほしい。
雇われ人
若者は明かりを掲げ、ダンジョンの梯子を下る道を照らす。小姓は君の服を洗濯して整え、王に謁見する前の最後の身だしなみをしてくれる。用心棒はキャンプで不寝番をして、商人の娘を攫ったトロルを追う君を休ませる。旅やミッションを簡単にしてくれるために君が雇う男女、こうしたキャラクターはみな雇われ人だ。
雇われ人は君についてくるという意味で同行キャラクターに似ているが、持っている能力が異なる。雇われ人は端役であり、同行キャラクターほどの貢献はしない。また、同行キャラクターならお宝の分け前にあずかるところでも、雇われ人は君と直接雇用関係があり、その分は賃金に含まれている。
雇われ人を雇う
雇われ人など探すまでもない。適当な施設に行って、必要な人材を見繕う目のある仲介屋に声をかけるだけだ。金さえ払えば傭兵、荷物持ち、その他どんな仕事でもやってのける連中が好きなだけ。雇われ人を雇うためには、候補となる人間を見つけ、賃金の折り合いをつけなくてはならない。DMの判断によっては、同行するのを納得させるために<はったり>、<交渉>、<威圧>、<事情通>あたりを使った技能判定の成功が求められる。また一方で、雇われ人を報酬の一部として得ることがあるかもしれない。変な話に聞こえるかもしれないが、モンスターが捕らえている人々が、後々雇われ人になることもある。ドラゴンが手元に吟遊詩人を置いて娯楽に供したり、芸術家に自画像を描かせたり、牛や羊を貪り食らいたいときに略奪させにいく傭兵がいたりしても不思議ではない。
雇われ人のデータ
雇われ人の職業に関係なく、共通していることを以下に記す。
レベル:どんなレベルの雇われ人も存在する。英雄級の雇われ人は人の集まるところならどんなところにもいるくらいありふれた存在だ。伝説級の雇われ人はその分野の専門家であり、このレベル帯で、誰かのために働く意思のあるノンプレイヤー・キャラクターを見つけるのは難しくなるかもしれない。神話級の雇われ人は非常に稀な存在だ。道を究めた巨匠ともいえる職人や芸術家だろう。そのようなキャラクターには自身の計画や思惑、追求するべきゴールがあるため、DMの同意なしには雇用できない。
価格:雇われ人の価格はそのレベルによる。価格は通常一日単位の奉仕であり、長期間の雇用は時に相場が安くなるかもしれないが、その代わり探検や仕事で得た利益の取り分を支払うことになるかもしれない。価格には雇われ人の支度金、給料、食費、装備費用、その他雇われ人が必要になりそうなものが含まれる。留意すべきは、こうした価格の設定は雇われ人を獲得と維持のプロセスを簡単にするためだ。
期間:雇われ人は君が給料を支払い続ける限り従事する。
雇われ人 レベル:さまざま
忠実な従僕は、君の冒険の邪魔になりそうなちょっとした障害を排除する。
(訳注:個々の値段はレベルおよび職業を参照。以下は基準通りの場合)
Lvl 1 15 gp Lvl 11 350 gp Lvl 21 9,000 gp
Lvl 2 20 gp Lvl 12 520 gp Lvl 22 13,000 gp
Lvl 3 25 gp Lvl 13 680 gp Lvl 23 17,000 gp
Lvl 4 35 gp Lvl 14 840 gp Lvl 24 21,000 gp
Lvl 5 40 gp Lvl 15 1,000 gp Lvl 25 25,000 gp
Lvl 6 70 gp Lvl 16 1,800 gp Lvl 26 45,000 gp
Lvl 7 100 gp Lvl 17 2,600 gp Lvl 27 65,000 gp
Lvl 8 135 gp Lvl 18 3,400 gp Lvl 28 85,000 gp
Lvl 9 170 gp Lvl 19 4,200 gp Lvl 29 105,000 gp
Lvl 10 200 gp Lvl 20 5,000 gp Lvl 30 125,000 gp
端役(マイナー・キャラクター)
特性:君は雇われ人の奉仕を受ける。このクリーチャーは君と君の仲間の味方である。雇われ人は、1ターンに標準アクション1つ、移動アクション1つを持つ。イニシアチブは君の直後で行動する。雇われ人は回復力を持たない。(訳注:明記されていませんが、即応アクション・機会アクション不可、フリーアクション可)
雇われ人 レベル さまざま
中型・自然・人型
HP 1;ミスした攻撃は雇われ人にダメージを与えない。イニシアチブ(上記参照)
AC レベル+ 14、他の防御値レベル+ 12、感覚<知覚>+0
移動速度 6
標準アクション
近接攻撃(武器) 無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体);レベル+ 5 対AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
遠隔攻撃(武器) 無限回
攻撃:遠隔10(クリーチャー1体);レベル+ 5対 AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
DMに:悪用
お金で雇われ人の忠誠が買えてしまうところが問題になる。冒険者が依頼主による虐待に我慢がならないのと同様、雇われ人もひどい扱いを受ければついては来なくなるだろう。自らの従者を死地へと送る冷酷な主人から教訓を得て、意趣返ししてくるかもしれない。
君はこうした非違行為の記録や犠牲者リストを作る必要などない。冒険者の人となりを、そしてどのように雇い人を扱うか考えてみよう。もし雇われ人にとって我慢できそうもない画が浮かぶようなら、早い段階で彼らの逃げ道を作ってやろう。冒険者に対する悪評が聞こえるようなら、従者を雇うのに必要な技能判定の難易度を上げてもよいかもしれない。
職業
雇われ人を得るということは、そのサービスなり利益なりを得るということだ。こうした利益は雇われ人の職業と結びついている。以下の職業から1つ選んで、その特徴を雇われ人のデータに付け足すこと。
飼育係/Beast Handler
価格:基準通り
君の獣の面倒をみる人たち。馬のコンディションを最高に整えたり、犬にえさをやったり、隼が狩りに出られるよう支度する。
特徴
ビースト・ハンドラー(Beast Handler)/飼育係 オーラ 5
オーラの範囲内にいる味方の野獣は頑健と意志に+1のパワー・ボーナスを得る。
案内人/Guide
価格:基準通り
荒野の探索は、よく訓練されたガイドがいて初めて実のあるものになる。こういう雇い人は英雄に先行して道に目印をつける。危険な地域を案内するなら倍払いだ。
特徴
トレイルブレイザー(Trailblazer)/目印設置人 オーラ5
オーラの範囲内にいる味方は<地下探検>と<自然>に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15: +3 パワー・ボーナス
レベル25: +4 パワー・ボーナス
DMに:雇われ人の特徴
同行キャラクターのように、雇われ人もちょっとした特徴があれば、罠のばねやドアの金具より存在感が増す。細かいところまでたくさんやる必要はない。彼らのちょっとした生き様がうかがい知れればもうそれで十分だ。
種族:雇われ人の種族がデータに影響を及ぼすことはないが、人柄や外見には多分に表れうる。また、雇われ人は自分たちに寛大な主人を好むだろう。
身体的描写:1つか2つくらい目立つ特徴を入れてやろう。身長・体重・肌の色などがやりやすいが、引きずった足、斜視、吹き出物、赤ら顔という感じの要素も面白い。
性格:雇われ人ともなれば、動機や秘密、癖などを気にするには及ばない。単語1つを充てて、それでその人物をまとめられるようなものにしよう。例を挙げると、生真面目、猪突猛進、臆病、錯乱、無謀、忠義者など。
灯り持ち/Linkboy
価格:基準通り
パーティーの光源確保のため、二刀流や盾をあきらめるファイターなどいるはずもない。誰も手が空いてなかったり、持とうともしなかったりする場合、灯り持ちが両手を用立ててくれる。
特徴
トーチ(Torch)/松明 オーラ5
オーラの範囲内は明るい光で照らされる。
傭兵/Mercenary
価格:基準の3倍
傭兵は雇うためにいる兵士としては完璧だ。準備万端、支払さえよければいつでも己の剣と盾を役立てる。
特徴
ヴェテラン・ウォーリアー(Veteran Warrior)/歴戦の戦士 オーラ1
オーラの範囲内にいる味方はACと反応防御値に+1のパワー・ボーナスを得る。それに加え、傭兵自身もACと反応防御値に+2のパワー・ボーナスを得る。
標準アクション
近接攻撃(武器) 無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体);レベル+ 5 対AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
遠隔攻撃(武器) 無限回
攻撃:遠隔10(クリーチャー1体);レベル+ 5対 AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
操縦士/Pilot
価格:基準の2倍
舵輪を握ってグレートシップを操るにしろ、ワゴンの部隊を駆るにしろ、エアシップをドッグに入れるにしろ、熟練の操縦士の存在はすべての乗組員にとって精神的支柱となる。
特徴
シーズンド・パイロット(Seasoned Pilot)/熟練の操縦士
操縦士として乗り組んでいるとき、この雇い人は乗り物の移動速度に+1のボーナスを与える。
荷物持ち/Porter
価格:基準通り
荷物持ちの生業は運搬要員。彼らはかなりの荷物を背負いながら、ロバや馬では辿りつけないところにも行ける使い勝手の良い雇い人だ。
特徴
ストロング(Strong)/力持ち
この雇われ人の軽荷重は75ポンド、重荷重は150ポンド、最大荷重は375ポンドである。
レベル1~5:基本移動速度5、1日当たり6時間移動できる。
レベル6~10:基本移動速度6、1日当たり8時間移動できる。
レベル11~30:基本移動速度7、1日当たり10時間移動できる。
賢者/Sage
価格:基準の3倍
賢者はある特定の分野の専門家だ。自分の行動範囲からあえて出ようとする賢者などほとんどいないが、いったん自分についてくるよう説得できたなら、彼らの知識は君の知識になる。
特徴
セージ・ノーリッジ(Sage Knowledge) 賢者の知識 オーラ 5
以下の技能から一つ選択する。<魔法学>、<地下探険>、<歴史>、<自然>、そして<宗教>。オーラの範囲内にいる味方は、選んだ技能の判定に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
標準アクション
ロア・ユーズ/Lore Use 知識の使い道[一日毎]
効果:味方1人は、セージ・ノーリッジで選択した、次に行う技能判定に+5のアイテム・ボーナスを得る。
記録人/Scribe
価格:基準の2倍
画工や書写など、こうした訓練を受けた者は君の目の前にあるものなら何でも記録や模写をやってのける。
特徴
スクライブ・ドキュメント(Scribe Document)/書類作成
小休憩および大休憩の間、この雇われ人は文章かイラスト1ページを作成する。小休憩であれば下書き、大休憩であれば完成品ができあがる。
歴戦の乗組員/Seasoned Crew Member
価格:基準通り
有能な乗組員たちがいれば、遠い港までの航海も無事が約束されたようなものだ。
特徴
エイブル・クルー(Able Crew)/有能な乗組員
乗り物の乗組員すべてが歴戦の乗組員である場合、その乗り物はすべての防御値に+1のボーナスを得る。
スパイ/Spy
価格:基準の3倍
スパイがいれば、必要な時に必要なだけ情報を得られる。
特徴
エスピナージ(Espionage)/諜報活動
これを雇用しているキャラクターは<事情通>判定に+2のボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
従者/Valet
価格:基準通り
上流社会を渡り歩くため、金持ちや権力者とうまくやれる立ち居振る舞いを知っている付き人の存在は欠かせない。
特徴
エチケット(Etiquette)/作法 オーラ3
場にふさわしい衣装を着ている場合、オーラの範囲内のこれを雇用しているキャラクターとその仲間は<交渉>判定に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
ペット
ペットは君のキャラクターの個性や外見を深める面白いやり方だ。飼い猫、小さな蛇、カラスや他の動物でも、何かしらキャラクターの持つ興味を明かしてくれる。もし君が同行する動物の相棒が欲しいと思うなら、以下のオプションを検討してほしい。
クラス:前述したとおり、2つのクラスで野獣の相棒が手に入る。一つが武勇の書で出てきた野獣使いレンジャー、もう一つがHeroes of the Forgotten Kingdoms(未訳)のsentinel(歩哨) ドルイド。いずれの場合でも、キャラクターは相棒の利益を得ることができるし、目的達成のためにパワーを使って支援してくれる。どちらのクラスでもないのなら、プレイヤーズ・ハンドブック3から野獣使いのクラス特徴とプレイしたいクラスを混ぜてみることもできる。
使い魔:別なオプションとして、特に[秘術]タイプのキャラクター向けに、秘術の書で特技≪秘術の使い魔≫がある。キャット、ファルコン、サーペント、変わったところではバウンド・デーモンやブック・インプ。[秘術]クラスならどれでも取得することができるため、マルチクラス・ハイブリッドクラスのキャラクターまで選択できるとても良いオプションだ。
乗騎:乗騎が欲しいなら≪騎乗戦闘≫特技を取ろう。これは乗騎を取得するためのものではない(買わなければならない)が、持っていないと乗騎の利益を得られない。
同行キャラクター: DMの許可があれば、モンスターをダンジョン・マスターズ・ガイドⅡのルールにある同行キャラクターとして使える。ペットをパーティーの一員として使えるため、通常より頭数が少ないパーティーなら良い解決法になるだろう。
ペットの背景:おそらく、ペットを得る最もやりやすい方法は、キャラクターシートに背景の要素として記入することだろう。背景要素としてのペットは、数値や能力など戦闘に意味のあるものとしては出てこないだろう。ペットの蛇、訓練されたレイヴン、家猫、小さな犬がこうしたオプションにふさわしい。そのペットをどうやって手に入れたか、そしてどう思っているかについて考えてみよう。少なくとも1つ過去にそのペットを助けた出来事を出してみる。そして忘れずに名前をつけること!
もしペットをキャラクターの背景として使うなら、DMと相談して適当な技能を決めよう。小さな物体をくすねるよう仕込まれたレイヴンは<盗賊>判定に+2のボーナスがつくかもしれない。小さいがよく吠える犬は<威圧>か<知覚>に+2のボーナスだろう。おしゃべりなオウムやレイヴンは、<はったり>判定に+2のボーナスを与えてくれるかもしれない。
助っ人
雇われ人が端役として冒険者のパーティーを限定的な方法で支える一方、助っ人はほとんど独立した一個のキャラクターとして関わり、冒険者のグループに交じって存在感を示す。こうしたキャラクターはパーティーの一員と言って差し支えない。助っ人にはプレイヤー・キャラクターが使う特徴や性能・パワーがたくさんあるが、簡略化することでプレイヤーが(自らのキャラクターと)同時に補助的キャラクターとして使えるよう調整している。
また助っ人は同行キャラクターのようにさまざまな形をとりうる。モンスター・マニュアルやMonster Vault(未訳)からの野獣であったりモンスターであったりするかもしれない。あるいはキャラクター同様、英雄たちと同種のパワーを使う場合もある。さらにDMが作る、あるいは以下に示すようなサプリメントを応用した独自のものもいるかもしれない。
助っ人を得る
自分のパーティーで助っ人を得る方法だが、簡単なやり方なら田舎の酒場で募集でもしてみればいいし、手の込んだものは補助クエストの達成、賃金交渉をする、もしくは仲間となる者を都市や野外、ダンジョンまで探してみる、などがあるだろう。
仲間として:助っ人はパーティーで欠けている役割を補ったり、休んでいるプレイヤーの代役を務めたりするために使われる。指揮役がいないなら冒険を成功に導けるような人材が必要だろう。常にいてもいいし、必要に応じてでもいい。ゲームの必要に応じて、仲間はどのようにも存在させることができる。
用心棒として:時に危険なミッションをこなすため、ちょっと手助けが欲しくなることもあるだろう。防衛や撃破を務める人間が増えるのは大きく違う。特にそうした役目の人間が足りないならきっとそうだろう。助っ人はお金などの見返りで冒険者のグループについてくることもあるだろうが、パーティーに加わって支援させることが主要ないし副次クエスト達成になる、ということもあるかもしれない。また、雇った人間は無期限で仲間というわけではない。その契約にはいつ終わりがくるかがきちんと書かれている。
助っ人への支払いが金銭の場合、金額はパーティーのレベルに等しいマジック・アイテムの5分の1になる。
友軍として:冒険をしていれば、中には友好的・協力的なキャラクターと会うこともあるだろう。共通の敵に対して一時的に手を組むこともあるだろうし、ライバルのパーティーに対して力を合わせることもあるだろう。重要人物を救出したところ、身の安全が確保されるまで君たちと一緒に闘ってくれることがあるかもしれない。
助っ人を作る
雇われ人と違い、助っ人を作るのはDMの仕事だ。ダンジョン・マスターズ・ガイドⅡの中に、モンスターを同行キャラクターとして使う方法および独自の同行キャラクターを作るのに必要なルールが記載してある。
助っ人を使うのは
作るのはDMであっても、助っ人はプレイヤーの側で戦闘や技能チャレンジに臨む。遭遇外では、DMがそのキャラクターの性格・動機・秘密に沿って運用する一方、遭遇ではDMの裁量でキャラクターの操作を任されることもある。
助っ人を使用する際に
助っ人を君のグループで使用する際に頭に入れておいて欲しいことをいくつか。まず、助っ人にマジック・アイテムは必要ない。よってマジック・アイテムの配分には助っ人を含めなくてよい。次に、助っ人は英雄と同等の経験値を得るため、一人当たりの経験値を計算する際に頭数に含める。最後に、助っ人はグループのキャラクターとまったく同様にレベルアップして成長する。
DMに:サンプルの助っ人を使う
ここに記載されている助っ人は2レベルで統一されている。必要に応じてダンジョン・マスターズ・ガイドⅡの32ページに記載されたルールを適用してほしい。キャラクターを描写する要素をふんだんに盛り込んでみたが、変えたいなら一向に構わない。最後に一つ。こうしたキャラクターは、キャンペーンにおける縁の下の力持ちであるように。
助っ人の例
てっとり早く助っ人を作りたい場合、以下のキャラクターを活用してほしい。
アナキシアナ
命知らずな戦闘魔術師
アナキシアナはエラドリンの魔術師、正しくは復讐に飢えた命知らずの戦闘魔術師。痩せぎすと言えるまでにほっそりしており、険しい顔つきと高い鼻が、武闘派な人となりを表す。彼女は無地の灰色のローブを好み、ロングソードを腰の鞘にさしている。
オークやドラウ狩りといった依頼は最も容易くアナキシアナをグループに誘える口実になる。こうしたモンスターと容赦なしにやりあい、また戦いを大いに楽しむ。彼女は自らの敵を駆り殺すような目的の旅にはしばらくの間同行するかもしれないが、血の渇きが満たされないようならいなくなるだろう。
アナキシアナ レベル2 制御役
中型・フェイ・人型 エラドリン
HP 27; 重傷値13; 回復力使用回数7; 回復力値6 イニシアチブ+4
AC 15; 頑健15、 反応17、 意志14 <知覚>+0
速度6 夜目
セーヴィング・スロー:[魅了]効果に対して+5
標準アクション
ロングソード[武器] 無限回
攻撃: 近接1 (クリーチャー1体); +9 対 AC
ヒット: 1d8 + 1 ダメージ。
マジック・ミサイル/魔法の矢 [力場]、 [装具] 無限回
遠隔20 (クリーチャー1体)
効果:7[力場]ダメージ。
バーニング・ハンズ/火炎双手 [火]、[装具] 遭遇毎
攻撃:近接噴射5 (範囲内のクリーチャー); +6 対反応
ヒット:2d6 + 5 [火]ダメージ。
ミス:半減ダメージ
フリージング・バースト[冷気]、[装具] 無限回
攻撃:遠隔範囲・爆発1 ・10マス以内 (爆発内のクリーチャー); +6 対反応
ヒット: 1d6 + 5[冷気]ダメージ、さらにアナキシアナは目標を1マス横滑りさせる。
移動アクション
フェイ・ステップ/フェイの一跳び [瞬間移動] 遭遇毎
効果:アナキシアナは5マスまで瞬間移動する。
即応アクション
シールド/盾 遭遇毎
トリガー:アナキシアナに対する1回の攻撃がヒットする
効果(即応・割込): アナキシアナは次のターン終了時までACと反応に+4のパワー・ボーナスを得る。
正確さのワンド 遭遇毎
トリガー:アナキシアナが自身のターンを開始する
効果(フリー・アクション):アナキシアナはターン終了時までに行うワンドを用いた次の攻撃ロールに+3のボーナスを得る。
技能<魔法学>+10、<歴史>+10、<看破>+5
【筋】10 (+1) 【敏】17 (+4) 【判】 8 (+0)
【耐】13 (+2) 【知】19 (+5) 【魅】10 (+1)
属性:無属性 言語:共通語、エルフ語
装備品:ローブ、ロングソード、ワンド、標準冒険者キット
マイケル・エバードン卿
堕ちた騎士
かつては武勇と自らの家柄を誇る有望な騎士であったが、その栄光も失われ、今やかつていた地では最下層民同然の扱いである。彼は決してこれまでどうしてきたのか自ら語ることはないものの、気が沈んだり泥酔したりすればその一端を窺い知ることができる。
マイケルは太鼓腹、赤鼻、しょぼくれた目のがっしりした男であり、やつれた見かけによらず、戦いにおける技量と力、そして苛烈さは失われていない。そのぼろぼろの甲冑はかつての武勲を、消えかかった「突進するイノシシ」の紋章は、盛んだった昔の地位を窺い知ることができる。
この堕ちた騎士は救いを求めている。名誉回復につながりそうなことをする冒険者のグループなら熱心に加わりたがる。高貴な探索行にあって、彼は一切の酒を断つ。退屈と不満で我慢できなくなるまでは・・・。
マイケル・エバードン卿 レベル2 防衛役
中型・人型・ヒューマン
HP 35; 重傷値17; 回復力使用回数11; 回復力値 8 イニシアチブ+1
AC 21; 頑健18、反応14、意志16 <知覚>+2
移動速度 5
標準アクション
ロングソード[武器]無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体); +9対AC
ヒット:1d8 + 5ダメージ、さらにマイケルは目標を次のターン終了時までマークする。
タイド・オヴ・アイアン/打ち寄せるくろがね [武器] 無限回
必要条件:マイケルは盾を使用していなければならない。
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +9 対AC
ヒット:1d8 + 5ダメージ、さらにマイケルは目標を1マス押しやり、それまで目標が占めていたマスにシフトすることができる。
マイナー・アクション
グローワリング・スレッド/睨めつける脅威 遭遇毎
効果:近接爆発2 (爆発内の敵すべて) マイケルの次のターン終了時まで、各目標はマイケル以外に行う攻撃ロールに–5のペナルティを受ける。
機会アクション
ヒロイック・エフォート/英雄的奮闘 遭遇毎
トリガー:マイケルが1回の攻撃ロールをミスするか、1回のセーヴィング・スローに失敗する。
効果:マイケルはトリガーとなった攻撃ロールまたはセーヴィング・スローに+4の種族ボーナスを得る。
パワー・ストライク/猛打撃 遭遇毎
トリガー:マイケルがロングソードで敵にヒットを与える。
効果(アクションではない):トリガーを発生させた攻撃は1d8の追加ダメージを与える。
技能 <運動>+10、<持久力>+8、<威圧>+8
【筋】18 (+5) 【敏】11 (+1) 【判】12 (+2)
【耐】14 (+3) 【知】 8 (+0) 【魅】14 (+3)
属性:善 言語:共通語、巨人語
装備品 プレート・アーマー、ヘヴィ・シールド、ロングソード、標準冒険者キット
ケドラ・フォージスウォーン
盲信の僧侶
ケドラ・フォージスウォーンはモラディンの熱烈な信者だが、信心も行き過ぎて狂信者ともとれる。彼女が氏族を離れたのは成功や栄光を求めてではなく、この世界におけるモラディンの教えの体現者たらんとしてのことだった。
ほとんどのドワーフがそうであるように、ケドラも背が低くがっしりしている。己の信念がいかなる物理的な力の不足も埋め合わせるし、主義主張が絡んだときの彼女の粘り強さときたら、胃袋に新鮮な死体が入ったトロルのごとくだ。彼女は自らの頭を丸め、モラディンの好戦的な聖職者が好む聖典「ブック・オヴ・スパイト(悪意の書)」に記された戦闘のくだりをそこに書いている。
他の何よりも優先して、ケドラの望みはモラディンの命ずるまま、この世界にその御印を刻みつけることにある。だが、何をどうすればよいということが分かっているわけではない。そして、その目的を達するためには冒険者という生き方が最も確実だと疑わない。彼女は以前にも他のグループと協働したことがあるが、毎回ひどい別れ方をしている。その癪に障る人格に問題があるのだ。
ケドラ・フォージスウォーン レベル2 指揮役
中型・人型・ドワーフ
HP 34; 重傷値17; 回復力使用回数10; 回復力値8 イニシアチブ+2
AC 17 頑健15、反応13、意志17 <知覚>+5
速度5 夜目
セーヴィング・スロー:[毒]の効果に対して+5
特徴
スタンド・ユア・グラウンド/踏ん張り
何らかの効果(押しやり、引き寄せ、横滑り)がケドラを強制移動させようとしたとき、ケドラが実際に移動させられるマスの数はその効果の定められる数値よりも1マス少なくなる。加えて、何らかの攻撃によってケドラが伏せ状態になったとき、ケドラは即座に1回のセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すれば伏せ状態にならずにすむ。
標準アクション
ウォーハンマー[武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +8 対AC
ヒット:1d10 + 1ダメージ。
スローイング・ハンマー[武器] 無限回
攻撃:遠隔5/10 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d6 + 2ダメージ。
ブレッシング・オヴ・ラース/怒りの祝福 [武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
効果:ケドラもしくは彼女から5マス以内の味方1人は、彼女の次のターン終了時までに行う、目標に対する次のダメージ・ロールに+3のパワー・ボーナスを得る。
サンクチュアリ/聖域 遭遇毎
効果:遠隔10 (ケドラかクリーチャー1体) 目標はすべての防御値に+5のボーナスを得る。この効果は目標が攻撃を行うか、ケドラの次のターン終了時まで持続する。
ディヴァイン・グロウ/信仰の輝き [装具]、[光輝] 遭遇毎
攻撃:近接噴射3 (範囲内の敵すべて); +6 対反応
ヒット:1d8 + 5[光輝]ダメージ。
効果:噴射内の味方は、ケドラの次のターン終了時まで攻撃ロールに+2のパワー・ボーナスを得る。
マイナー・アクション
ヒーリング・ワード/癒しの言葉 [回復] 遭遇毎2回
効果:近接爆発5 (ケドラか爆発内の味方1人) 目標は回復力を消費する。
ドワーヴン・リジリアンス/ドワーフの底力 遭遇毎
効果:ケドラは底力を使用できる。
技能<地下探険>+10、<持久力>+11、<治療>+10
【筋】11 (+1) 【敏】12 (+1) 【判】19 (+5)
【耐】17 (+4) 【知】 8 (+0) 【魅】10 (+1)
属性:秩序にして善 言語:共通語、ドワーフ語
装備品:スケイル・アーマー、ウォーハンマー、スローイング・ハンマー、聖印、標準冒険者キット
ゲシュ
傭兵隊長
かつては傭兵の隊を束ねる頭であった男も、今は売剣の身であり、最も高い値を払った者に剣を捧げている。
ゲシュは人目を引く男だ。背が高く筋肉質で、青銅に輝くスケイル・アーマーを身に纏う。毎晩寝る前に、彼は自分の鎧と槍を磨いて油を差し、申し分のない状態に整えている。
指図がゲシュから次々飛んでくる。自らの意見を胸に仕舞っておくというところがこの男にはない。武器の握り方から戦術に至るまで、自分の戦場での経験が僚友の知恵となると固く信じているためだ。ゲシュの経験に口をはさむ者はいないが、あいつは横暴だと思っている者はいる。
ゲシュ レベル2 指揮役
中型・人型・ドラゴンボーン
HP 30; 重傷値15; 回復力使用回数8; 回復力値8 イニシアチブ+2
AC 17; 頑健17、反応13、意志15 <知覚>+4
速度5
特徴
ドラゴンボーンの怒り
重傷である間、ゲシュは攻撃ロールに+1のボーナスを得る。
標準アクション
ロングスピア [武器] 無限回
攻撃:間合い2 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
ヴァイパーズ・ストライク/毒蛇の打撃 [武器] 無限回
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
効果:目標がゲシュの次のターンの開始時までにシフトを行ったなら、目標はゲシュが選んだ味方1人から機会攻撃を誘発する。
ハンマー・アンド・アンヴィル/鎚と金床 [武器] 遭遇毎
攻撃:間合い2 (クリーチャー1体); +8対反応
ヒット: 1d10 + 5ダメージ。目標に隣接する味方1人はフリー・アクションとして目標に1回の近接基礎攻撃を行なう。味方はこの攻撃のダメージに+3のボーナスを得る。
移動アクション
ナイツ・ムーヴ/桂馬跳び 遭遇毎
効果:遠隔10 (味方1人) 目標は1回の移動アクションを行なう。
マイナー・アクション
ヒーリング・ワード/癒しの言葉 [回復] 遭遇毎2回
効果:近接爆発5 (ゲシュか爆発内の味方1人) 目標は回復力を消費する。
ドラゴン・ブレス[火] 遭遇毎
攻撃:近接噴射3 (噴射内のクリーチャーすべて); +6対反応
ヒット:1d6 + 2[火]ダメージ。
技能:<歴史>+6、<威圧>+9
【筋】19 (+5) 【敏】12 (+1) 【判】 8 (+0)
【耐】13 (+2) 【知】10 (+1) 【魅】16 (+4)
属性:秩序にして善 言語:共通語、竜語
装備品:チェインメイル、ロングスピア、標準冒険者キット
ルーク
影の殺し屋
ルークはドラウの都市、エレルハイ・シンル出身の典型的なドラウだ。裏切りの街において、ルークはあらゆる意味で生きるということを学び、自由を勝ち取るためにナイフ使いの技を究めた。数年ののち都市を後にした彼は、己の仕事に疑問を差し挟まぬプロフェッショナルな無関心さを持つ殺し屋となった。
ルークの背は特に高いとはいえず、やせ気味の己の身を灰色のフードがついた外套と黒服で包んでいる。戦いにおいては、彼は隠れたところから短剣とクロスボウで敵を不意打ちする。あらゆる場面が殺し合いに発展しうると考えているため、自らの出番でないとみるやその場から離れる。
ルークは己自身とその行動について決して後悔はしない。実用主義者である彼は、仕事の遂行に必要だと思うことすべてを躊躇いなく行う。ルークは友人を作ったりしない。作るのは顧客だ。彼のする約束はみな仕事の契約であり、己の働きに見合った支払いをこそ望んでいる。
ルーク レベル2 撃破役
中型・フェイ・人型生物・ドラウ
HP 29; 重傷値14; 回復力使用回数7; 回復力値7 イニシアチブ+5
AC 17、頑健13、反応17、意志15 <知覚>+1
速度5 暗視
標準アクション
ダガー[武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +9対AC
ヒット:1d4 + 5ダメージ。
ハンド・クロスボウ[武器] 無限回
攻撃:遠隔15/30 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d6 + 5ダメージ。
スライ・フラーリッシュ/狡猾にして優美
効果:ルークはダガーもしくはハンド・クロスボウで攻撃を行い、ダメージに+3のボーナスを得る。
インパクト・ショット/衝撃の一射 [武器] 遭遇毎
攻撃:遠隔15/30 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:2d6 + 5ダメージ、ルークは目標を1マス押しやる。
移動アクション
タンブル/曲芸移動 遭遇毎
効果:ルークは5マスまでのシフトを行う。
マイナー・アクション
クラウド・オヴ・ダークネス/闇の雲 遭遇毎
効果:近接爆発1 この爆発は闇の雲を生み出す。この雲はルークの次のターンが終了するまでその場所に留まる。この雲は視線を妨害し、この雲の中にあるマス目は“完全な遮蔽”となり、この雲の中に完全に収まっているクリーチャーは、この雲の外に出るまで盲目状態になる。ルークはこれらの効果に対する完全耐性を得る。
機会アクション
ストライカーズ・エッジ/撃破役の刃 無限回(1ターン1回)
トリガー:ルークが戦術的優位を有する敵1体にヒットを与える
効果(アクションではない):トリガーを発生させた攻撃は1d6の追加ダメージを与える。
技能<運動>+10、<威圧>+9、<隠密>+10
【筋】10 (+1) 【敏】19 (+5) 【判】11 (+1)
【耐】12 (+2) 【知】10 (+1) 【魅】16 (+4)
属性:無属性 言語:共通語、エルフ語
装備品:レザー・アーマー、ダガー2本、ハンド・クロスボウ、ボルト20本、標準冒険者キット
筆者について
ロバート・J・シュワルブはダンジョンズ&ドラゴンズ、ウォーハンマー・ファンタジー・ロールプレイ、A Song of Ice and Fire RPG、 Star Wars RPG、d20システムにおいて200近いタイトルのTRPGのデザインや開発にかかわって表彰されたゲーム・デザイナーだ。ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト社での最近の作品はD&D® Gamma World: Famine in Far-Go、Dark Sun Campaign Setting、モンスター・マニュアル3があり、またドラゴン・ダンジョンマガジンの両方で、レギュラーのライターをしている。著者に関してさらに知りたい場合は、彼のウェブサイト( www.robertjschwalb.com.)を参照してほしい。
ロバート・J・シュワルブ
http://www.wizards.com/DnD/Article.aspx?x=dnd/dra/201103henchmen
冒険者は世界にいる一般人より優れた存在だ。才能に恵まれ、特殊な訓練を積み、魔法を操る彼らは、定命にとって神のような存在だろう。まあさすがにそれは言い過ぎとして、それでも英雄は何かしら特別な存在だ。冒険者をおいて、ねぐらにいるドラゴンに誰が立ち向かえるだろうか?洞窟に住み着いたゴブリンを退治するため、荒れはてて罠の仕掛けられた所に乗り込んで誰が生き残れるだろうか?ゾンビをダース単位で薙ぎ払える者など、他にいるだろうか?
さて、英雄はみな、多くの人々が思いもしないようなことをやってのける。それはいいのだが、冒険者もまた普通の人々が必要だ。一般人は英雄にはできない、もしくはやりたがらないことをやる。誰かに造ってもらった鎧がなければ、ナイトのどこが強いだろう?手にしている剣を鍛える者がいなければ、パラディンは探索行をどうやって生き延びることができるだろう?誰かが冒険者にご飯を作ってやらなくてはならないし、訓練もしてやらなくてはならない。冒険が終わって英雄たちが戦利品を携えて帰還したとき、連中は小さな開拓村が提供できる熱々の食事と、寝るためだけの温かいベッドに飢えていることだろう。普通の仕事は普通の人々がやるものであり、英雄たちがそんなことにかまけていれば、怪物とやりあってお宝を略奪するチャンスなどほとんどなくなること請け合いだ。
一般人は、冒険者稼業は専門家にお任せする。彼らは喜んでコインを受け取り、見返りに奉仕を提供する。彼らは冒険者の語る、冒険、危険、向こう見ずなところから生きて帰ってきた物語に耳を傾けるが、その一方でそうした生活に関わらず、似たような挑戦をしなくて済んでいることに安心してもいる。
こうした一般人は、やり方を誤らなければ、英雄たちを安全な場所から広い世界の冒険へと焚き付け、英雄のクエストについて行ったり、手助けをしたり、細かいことをやったりして、目的を達成するのを助ける。この手のお助けキャラは助っ人であり、従僕であり、雇われ人であり、召使だ。見合う対価を支払えば、彼らはその独自の才能を冒険者の抱えた問題に役立ててくれる。
雇われ人と助っ人は、ダンジョンズ&ドラゴンズができてからずっとその一部であった。古い版では、助っ人は冒険者のパーティーに加わってちょっとした追加の戦力となり、敵の矛先を逸らし、英雄の目的達成、障害排除、そして生還を助けてきた。そして時が流れ、第4版は部下の概念について違うやり方を示そうということで、キャラクターに相棒を持たせてみた。野獣使いレンジャーやsentinel(歩哨)ドルイドにはペットがいる。ダンジョン・マスターズ・ガイドⅡは同行キャラクターの作り方について、一から作成したり、既存のクリーチャーに役割をつけて補完したりする記載(訳注:同書27ページ)があった。この方法は多くのグループでは十分かもしれないが、欠けているものもある。古き伝統に倣う、リーダーシップ(統率力)のような要素だ。今回の記事では、既存のオプションを拡張して雇われ人と助っ人を得る方法および必要なノンプレイヤー・キャラクターを作る方法を扱う。
以下のルールはレベルに関係した複雑なところがあり、すべてのグループにしっくりくるわけではないと思う。多人数のパーティーにとって、助っ人と雇われ人はテーブル上にたくさんの人々を登場させてしまうため、ちょっと難しくなる。初心者はごちゃ混ぜにキャラクターが出てくると複雑すぎて扱えなくなるかもしれないし、ノンプレイヤー・キャラクターを入れ過ぎると、他のキャラクターが持つパーティーでの役割を薄められる。
その一方、プレイヤーが足りないのがネックになっているグループでは、助っ人と雇われ人が解決策になりうる。欠けていた役を埋め、厳しい時も己の役割を果たしてキャラクターを叱咤激励し、ロールプレイに興を添え、クエストを補完する。キャンペーンでストーリーが展開するのに貢献してくれるわけだ。この記事を活用する前に、ダンジョン・マスターズ・ガイドをよく読んで、自分のグループにどんなキャラクターが合っているのか吟味してほしい。
雇われ人
若者は明かりを掲げ、ダンジョンの梯子を下る道を照らす。小姓は君の服を洗濯して整え、王に謁見する前の最後の身だしなみをしてくれる。用心棒はキャンプで不寝番をして、商人の娘を攫ったトロルを追う君を休ませる。旅やミッションを簡単にしてくれるために君が雇う男女、こうしたキャラクターはみな雇われ人だ。
雇われ人は君についてくるという意味で同行キャラクターに似ているが、持っている能力が異なる。雇われ人は端役であり、同行キャラクターほどの貢献はしない。また、同行キャラクターならお宝の分け前にあずかるところでも、雇われ人は君と直接雇用関係があり、その分は賃金に含まれている。
雇われ人を雇う
雇われ人など探すまでもない。適当な施設に行って、必要な人材を見繕う目のある仲介屋に声をかけるだけだ。金さえ払えば傭兵、荷物持ち、その他どんな仕事でもやってのける連中が好きなだけ。雇われ人を雇うためには、候補となる人間を見つけ、賃金の折り合いをつけなくてはならない。DMの判断によっては、同行するのを納得させるために<はったり>、<交渉>、<威圧>、<事情通>あたりを使った技能判定の成功が求められる。また一方で、雇われ人を報酬の一部として得ることがあるかもしれない。変な話に聞こえるかもしれないが、モンスターが捕らえている人々が、後々雇われ人になることもある。ドラゴンが手元に吟遊詩人を置いて娯楽に供したり、芸術家に自画像を描かせたり、牛や羊を貪り食らいたいときに略奪させにいく傭兵がいたりしても不思議ではない。
雇われ人のデータ
雇われ人の職業に関係なく、共通していることを以下に記す。
レベル:どんなレベルの雇われ人も存在する。英雄級の雇われ人は人の集まるところならどんなところにもいるくらいありふれた存在だ。伝説級の雇われ人はその分野の専門家であり、このレベル帯で、誰かのために働く意思のあるノンプレイヤー・キャラクターを見つけるのは難しくなるかもしれない。神話級の雇われ人は非常に稀な存在だ。道を究めた巨匠ともいえる職人や芸術家だろう。そのようなキャラクターには自身の計画や思惑、追求するべきゴールがあるため、DMの同意なしには雇用できない。
価格:雇われ人の価格はそのレベルによる。価格は通常一日単位の奉仕であり、長期間の雇用は時に相場が安くなるかもしれないが、その代わり探検や仕事で得た利益の取り分を支払うことになるかもしれない。価格には雇われ人の支度金、給料、食費、装備費用、その他雇われ人が必要になりそうなものが含まれる。留意すべきは、こうした価格の設定は雇われ人を獲得と維持のプロセスを簡単にするためだ。
期間:雇われ人は君が給料を支払い続ける限り従事する。
雇われ人 レベル:さまざま
忠実な従僕は、君の冒険の邪魔になりそうなちょっとした障害を排除する。
(訳注:個々の値段はレベルおよび職業を参照。以下は基準通りの場合)
Lvl 1 15 gp Lvl 11 350 gp Lvl 21 9,000 gp
Lvl 2 20 gp Lvl 12 520 gp Lvl 22 13,000 gp
Lvl 3 25 gp Lvl 13 680 gp Lvl 23 17,000 gp
Lvl 4 35 gp Lvl 14 840 gp Lvl 24 21,000 gp
Lvl 5 40 gp Lvl 15 1,000 gp Lvl 25 25,000 gp
Lvl 6 70 gp Lvl 16 1,800 gp Lvl 26 45,000 gp
Lvl 7 100 gp Lvl 17 2,600 gp Lvl 27 65,000 gp
Lvl 8 135 gp Lvl 18 3,400 gp Lvl 28 85,000 gp
Lvl 9 170 gp Lvl 19 4,200 gp Lvl 29 105,000 gp
Lvl 10 200 gp Lvl 20 5,000 gp Lvl 30 125,000 gp
端役(マイナー・キャラクター)
特性:君は雇われ人の奉仕を受ける。このクリーチャーは君と君の仲間の味方である。雇われ人は、1ターンに標準アクション1つ、移動アクション1つを持つ。イニシアチブは君の直後で行動する。雇われ人は回復力を持たない。(訳注:明記されていませんが、即応アクション・機会アクション不可、フリーアクション可)
雇われ人 レベル さまざま
中型・自然・人型
HP 1;ミスした攻撃は雇われ人にダメージを与えない。イニシアチブ(上記参照)
AC レベル+ 14、他の防御値レベル+ 12、感覚<知覚>+0
移動速度 6
標準アクション
近接攻撃(武器) 無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体);レベル+ 5 対AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
遠隔攻撃(武器) 無限回
攻撃:遠隔10(クリーチャー1体);レベル+ 5対 AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
DMに:悪用
お金で雇われ人の忠誠が買えてしまうところが問題になる。冒険者が依頼主による虐待に我慢がならないのと同様、雇われ人もひどい扱いを受ければついては来なくなるだろう。自らの従者を死地へと送る冷酷な主人から教訓を得て、意趣返ししてくるかもしれない。
君はこうした非違行為の記録や犠牲者リストを作る必要などない。冒険者の人となりを、そしてどのように雇い人を扱うか考えてみよう。もし雇われ人にとって我慢できそうもない画が浮かぶようなら、早い段階で彼らの逃げ道を作ってやろう。冒険者に対する悪評が聞こえるようなら、従者を雇うのに必要な技能判定の難易度を上げてもよいかもしれない。
職業
雇われ人を得るということは、そのサービスなり利益なりを得るということだ。こうした利益は雇われ人の職業と結びついている。以下の職業から1つ選んで、その特徴を雇われ人のデータに付け足すこと。
飼育係/Beast Handler
価格:基準通り
君の獣の面倒をみる人たち。馬のコンディションを最高に整えたり、犬にえさをやったり、隼が狩りに出られるよう支度する。
特徴
ビースト・ハンドラー(Beast Handler)/飼育係 オーラ 5
オーラの範囲内にいる味方の野獣は頑健と意志に+1のパワー・ボーナスを得る。
案内人/Guide
価格:基準通り
荒野の探索は、よく訓練されたガイドがいて初めて実のあるものになる。こういう雇い人は英雄に先行して道に目印をつける。危険な地域を案内するなら倍払いだ。
特徴
トレイルブレイザー(Trailblazer)/目印設置人 オーラ5
オーラの範囲内にいる味方は<地下探検>と<自然>に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15: +3 パワー・ボーナス
レベル25: +4 パワー・ボーナス
DMに:雇われ人の特徴
同行キャラクターのように、雇われ人もちょっとした特徴があれば、罠のばねやドアの金具より存在感が増す。細かいところまでたくさんやる必要はない。彼らのちょっとした生き様がうかがい知れればもうそれで十分だ。
種族:雇われ人の種族がデータに影響を及ぼすことはないが、人柄や外見には多分に表れうる。また、雇われ人は自分たちに寛大な主人を好むだろう。
身体的描写:1つか2つくらい目立つ特徴を入れてやろう。身長・体重・肌の色などがやりやすいが、引きずった足、斜視、吹き出物、赤ら顔という感じの要素も面白い。
性格:雇われ人ともなれば、動機や秘密、癖などを気にするには及ばない。単語1つを充てて、それでその人物をまとめられるようなものにしよう。例を挙げると、生真面目、猪突猛進、臆病、錯乱、無謀、忠義者など。
灯り持ち/Linkboy
価格:基準通り
パーティーの光源確保のため、二刀流や盾をあきらめるファイターなどいるはずもない。誰も手が空いてなかったり、持とうともしなかったりする場合、灯り持ちが両手を用立ててくれる。
特徴
トーチ(Torch)/松明 オーラ5
オーラの範囲内は明るい光で照らされる。
傭兵/Mercenary
価格:基準の3倍
傭兵は雇うためにいる兵士としては完璧だ。準備万端、支払さえよければいつでも己の剣と盾を役立てる。
特徴
ヴェテラン・ウォーリアー(Veteran Warrior)/歴戦の戦士 オーラ1
オーラの範囲内にいる味方はACと反応防御値に+1のパワー・ボーナスを得る。それに加え、傭兵自身もACと反応防御値に+2のパワー・ボーナスを得る。
標準アクション
近接攻撃(武器) 無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体);レベル+ 5 対AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
遠隔攻撃(武器) 無限回
攻撃:遠隔10(クリーチャー1体);レベル+ 5対 AC
ヒット:レベル半分(訳注:端数切捨)+ 3ダメージ
操縦士/Pilot
価格:基準の2倍
舵輪を握ってグレートシップを操るにしろ、ワゴンの部隊を駆るにしろ、エアシップをドッグに入れるにしろ、熟練の操縦士の存在はすべての乗組員にとって精神的支柱となる。
特徴
シーズンド・パイロット(Seasoned Pilot)/熟練の操縦士
操縦士として乗り組んでいるとき、この雇い人は乗り物の移動速度に+1のボーナスを与える。
荷物持ち/Porter
価格:基準通り
荷物持ちの生業は運搬要員。彼らはかなりの荷物を背負いながら、ロバや馬では辿りつけないところにも行ける使い勝手の良い雇い人だ。
特徴
ストロング(Strong)/力持ち
この雇われ人の軽荷重は75ポンド、重荷重は150ポンド、最大荷重は375ポンドである。
レベル1~5:基本移動速度5、1日当たり6時間移動できる。
レベル6~10:基本移動速度6、1日当たり8時間移動できる。
レベル11~30:基本移動速度7、1日当たり10時間移動できる。
賢者/Sage
価格:基準の3倍
賢者はある特定の分野の専門家だ。自分の行動範囲からあえて出ようとする賢者などほとんどいないが、いったん自分についてくるよう説得できたなら、彼らの知識は君の知識になる。
特徴
セージ・ノーリッジ(Sage Knowledge) 賢者の知識 オーラ 5
以下の技能から一つ選択する。<魔法学>、<地下探険>、<歴史>、<自然>、そして<宗教>。オーラの範囲内にいる味方は、選んだ技能の判定に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
標準アクション
ロア・ユーズ/Lore Use 知識の使い道[一日毎]
効果:味方1人は、セージ・ノーリッジで選択した、次に行う技能判定に+5のアイテム・ボーナスを得る。
記録人/Scribe
価格:基準の2倍
画工や書写など、こうした訓練を受けた者は君の目の前にあるものなら何でも記録や模写をやってのける。
特徴
スクライブ・ドキュメント(Scribe Document)/書類作成
小休憩および大休憩の間、この雇われ人は文章かイラスト1ページを作成する。小休憩であれば下書き、大休憩であれば完成品ができあがる。
歴戦の乗組員/Seasoned Crew Member
価格:基準通り
有能な乗組員たちがいれば、遠い港までの航海も無事が約束されたようなものだ。
特徴
エイブル・クルー(Able Crew)/有能な乗組員
乗り物の乗組員すべてが歴戦の乗組員である場合、その乗り物はすべての防御値に+1のボーナスを得る。
スパイ/Spy
価格:基準の3倍
スパイがいれば、必要な時に必要なだけ情報を得られる。
特徴
エスピナージ(Espionage)/諜報活動
これを雇用しているキャラクターは<事情通>判定に+2のボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
従者/Valet
価格:基準通り
上流社会を渡り歩くため、金持ちや権力者とうまくやれる立ち居振る舞いを知っている付き人の存在は欠かせない。
特徴
エチケット(Etiquette)/作法 オーラ3
場にふさわしい衣装を着ている場合、オーラの範囲内のこれを雇用しているキャラクターとその仲間は<交渉>判定に+2のパワー・ボーナスを得る。
レベル15:+3パワー・ボーナス
レベル25:+4パワー・ボーナス
ペット
ペットは君のキャラクターの個性や外見を深める面白いやり方だ。飼い猫、小さな蛇、カラスや他の動物でも、何かしらキャラクターの持つ興味を明かしてくれる。もし君が同行する動物の相棒が欲しいと思うなら、以下のオプションを検討してほしい。
クラス:前述したとおり、2つのクラスで野獣の相棒が手に入る。一つが武勇の書で出てきた野獣使いレンジャー、もう一つがHeroes of the Forgotten Kingdoms(未訳)のsentinel(歩哨) ドルイド。いずれの場合でも、キャラクターは相棒の利益を得ることができるし、目的達成のためにパワーを使って支援してくれる。どちらのクラスでもないのなら、プレイヤーズ・ハンドブック3から野獣使いのクラス特徴とプレイしたいクラスを混ぜてみることもできる。
使い魔:別なオプションとして、特に[秘術]タイプのキャラクター向けに、秘術の書で特技≪秘術の使い魔≫がある。キャット、ファルコン、サーペント、変わったところではバウンド・デーモンやブック・インプ。[秘術]クラスならどれでも取得することができるため、マルチクラス・ハイブリッドクラスのキャラクターまで選択できるとても良いオプションだ。
乗騎:乗騎が欲しいなら≪騎乗戦闘≫特技を取ろう。これは乗騎を取得するためのものではない(買わなければならない)が、持っていないと乗騎の利益を得られない。
同行キャラクター: DMの許可があれば、モンスターをダンジョン・マスターズ・ガイドⅡのルールにある同行キャラクターとして使える。ペットをパーティーの一員として使えるため、通常より頭数が少ないパーティーなら良い解決法になるだろう。
ペットの背景:おそらく、ペットを得る最もやりやすい方法は、キャラクターシートに背景の要素として記入することだろう。背景要素としてのペットは、数値や能力など戦闘に意味のあるものとしては出てこないだろう。ペットの蛇、訓練されたレイヴン、家猫、小さな犬がこうしたオプションにふさわしい。そのペットをどうやって手に入れたか、そしてどう思っているかについて考えてみよう。少なくとも1つ過去にそのペットを助けた出来事を出してみる。そして忘れずに名前をつけること!
もしペットをキャラクターの背景として使うなら、DMと相談して適当な技能を決めよう。小さな物体をくすねるよう仕込まれたレイヴンは<盗賊>判定に+2のボーナスがつくかもしれない。小さいがよく吠える犬は<威圧>か<知覚>に+2のボーナスだろう。おしゃべりなオウムやレイヴンは、<はったり>判定に+2のボーナスを与えてくれるかもしれない。
助っ人
雇われ人が端役として冒険者のパーティーを限定的な方法で支える一方、助っ人はほとんど独立した一個のキャラクターとして関わり、冒険者のグループに交じって存在感を示す。こうしたキャラクターはパーティーの一員と言って差し支えない。助っ人にはプレイヤー・キャラクターが使う特徴や性能・パワーがたくさんあるが、簡略化することでプレイヤーが(自らのキャラクターと)同時に補助的キャラクターとして使えるよう調整している。
また助っ人は同行キャラクターのようにさまざまな形をとりうる。モンスター・マニュアルやMonster Vault(未訳)からの野獣であったりモンスターであったりするかもしれない。あるいはキャラクター同様、英雄たちと同種のパワーを使う場合もある。さらにDMが作る、あるいは以下に示すようなサプリメントを応用した独自のものもいるかもしれない。
助っ人を得る
自分のパーティーで助っ人を得る方法だが、簡単なやり方なら田舎の酒場で募集でもしてみればいいし、手の込んだものは補助クエストの達成、賃金交渉をする、もしくは仲間となる者を都市や野外、ダンジョンまで探してみる、などがあるだろう。
仲間として:助っ人はパーティーで欠けている役割を補ったり、休んでいるプレイヤーの代役を務めたりするために使われる。指揮役がいないなら冒険を成功に導けるような人材が必要だろう。常にいてもいいし、必要に応じてでもいい。ゲームの必要に応じて、仲間はどのようにも存在させることができる。
用心棒として:時に危険なミッションをこなすため、ちょっと手助けが欲しくなることもあるだろう。防衛や撃破を務める人間が増えるのは大きく違う。特にそうした役目の人間が足りないならきっとそうだろう。助っ人はお金などの見返りで冒険者のグループについてくることもあるだろうが、パーティーに加わって支援させることが主要ないし副次クエスト達成になる、ということもあるかもしれない。また、雇った人間は無期限で仲間というわけではない。その契約にはいつ終わりがくるかがきちんと書かれている。
助っ人への支払いが金銭の場合、金額はパーティーのレベルに等しいマジック・アイテムの5分の1になる。
友軍として:冒険をしていれば、中には友好的・協力的なキャラクターと会うこともあるだろう。共通の敵に対して一時的に手を組むこともあるだろうし、ライバルのパーティーに対して力を合わせることもあるだろう。重要人物を救出したところ、身の安全が確保されるまで君たちと一緒に闘ってくれることがあるかもしれない。
助っ人を作る
雇われ人と違い、助っ人を作るのはDMの仕事だ。ダンジョン・マスターズ・ガイドⅡの中に、モンスターを同行キャラクターとして使う方法および独自の同行キャラクターを作るのに必要なルールが記載してある。
助っ人を使うのは
作るのはDMであっても、助っ人はプレイヤーの側で戦闘や技能チャレンジに臨む。遭遇外では、DMがそのキャラクターの性格・動機・秘密に沿って運用する一方、遭遇ではDMの裁量でキャラクターの操作を任されることもある。
助っ人を使用する際に
助っ人を君のグループで使用する際に頭に入れておいて欲しいことをいくつか。まず、助っ人にマジック・アイテムは必要ない。よってマジック・アイテムの配分には助っ人を含めなくてよい。次に、助っ人は英雄と同等の経験値を得るため、一人当たりの経験値を計算する際に頭数に含める。最後に、助っ人はグループのキャラクターとまったく同様にレベルアップして成長する。
DMに:サンプルの助っ人を使う
ここに記載されている助っ人は2レベルで統一されている。必要に応じてダンジョン・マスターズ・ガイドⅡの32ページに記載されたルールを適用してほしい。キャラクターを描写する要素をふんだんに盛り込んでみたが、変えたいなら一向に構わない。最後に一つ。こうしたキャラクターは、キャンペーンにおける縁の下の力持ちであるように。
助っ人の例
てっとり早く助っ人を作りたい場合、以下のキャラクターを活用してほしい。
アナキシアナ
命知らずな戦闘魔術師
アナキシアナはエラドリンの魔術師、正しくは復讐に飢えた命知らずの戦闘魔術師。痩せぎすと言えるまでにほっそりしており、険しい顔つきと高い鼻が、武闘派な人となりを表す。彼女は無地の灰色のローブを好み、ロングソードを腰の鞘にさしている。
オークやドラウ狩りといった依頼は最も容易くアナキシアナをグループに誘える口実になる。こうしたモンスターと容赦なしにやりあい、また戦いを大いに楽しむ。彼女は自らの敵を駆り殺すような目的の旅にはしばらくの間同行するかもしれないが、血の渇きが満たされないようならいなくなるだろう。
アナキシアナ レベル2 制御役
中型・フェイ・人型 エラドリン
HP 27; 重傷値13; 回復力使用回数7; 回復力値6 イニシアチブ+4
AC 15; 頑健15、 反応17、 意志14 <知覚>+0
速度6 夜目
セーヴィング・スロー:[魅了]効果に対して+5
標準アクション
ロングソード[武器] 無限回
攻撃: 近接1 (クリーチャー1体); +9 対 AC
ヒット: 1d8 + 1 ダメージ。
マジック・ミサイル/魔法の矢 [力場]、 [装具] 無限回
遠隔20 (クリーチャー1体)
効果:7[力場]ダメージ。
バーニング・ハンズ/火炎双手 [火]、[装具] 遭遇毎
攻撃:近接噴射5 (範囲内のクリーチャー); +6 対反応
ヒット:2d6 + 5 [火]ダメージ。
ミス:半減ダメージ
フリージング・バースト[冷気]、[装具] 無限回
攻撃:遠隔範囲・爆発1 ・10マス以内 (爆発内のクリーチャー); +6 対反応
ヒット: 1d6 + 5[冷気]ダメージ、さらにアナキシアナは目標を1マス横滑りさせる。
移動アクション
フェイ・ステップ/フェイの一跳び [瞬間移動] 遭遇毎
効果:アナキシアナは5マスまで瞬間移動する。
即応アクション
シールド/盾 遭遇毎
トリガー:アナキシアナに対する1回の攻撃がヒットする
効果(即応・割込): アナキシアナは次のターン終了時までACと反応に+4のパワー・ボーナスを得る。
正確さのワンド 遭遇毎
トリガー:アナキシアナが自身のターンを開始する
効果(フリー・アクション):アナキシアナはターン終了時までに行うワンドを用いた次の攻撃ロールに+3のボーナスを得る。
技能<魔法学>+10、<歴史>+10、<看破>+5
【筋】10 (+1) 【敏】17 (+4) 【判】 8 (+0)
【耐】13 (+2) 【知】19 (+5) 【魅】10 (+1)
属性:無属性 言語:共通語、エルフ語
装備品:ローブ、ロングソード、ワンド、標準冒険者キット
マイケル・エバードン卿
堕ちた騎士
かつては武勇と自らの家柄を誇る有望な騎士であったが、その栄光も失われ、今やかつていた地では最下層民同然の扱いである。彼は決してこれまでどうしてきたのか自ら語ることはないものの、気が沈んだり泥酔したりすればその一端を窺い知ることができる。
マイケルは太鼓腹、赤鼻、しょぼくれた目のがっしりした男であり、やつれた見かけによらず、戦いにおける技量と力、そして苛烈さは失われていない。そのぼろぼろの甲冑はかつての武勲を、消えかかった「突進するイノシシ」の紋章は、盛んだった昔の地位を窺い知ることができる。
この堕ちた騎士は救いを求めている。名誉回復につながりそうなことをする冒険者のグループなら熱心に加わりたがる。高貴な探索行にあって、彼は一切の酒を断つ。退屈と不満で我慢できなくなるまでは・・・。
マイケル・エバードン卿 レベル2 防衛役
中型・人型・ヒューマン
HP 35; 重傷値17; 回復力使用回数11; 回復力値 8 イニシアチブ+1
AC 21; 頑健18、反応14、意志16 <知覚>+2
移動速度 5
標準アクション
ロングソード[武器]無限回
攻撃:近接1(クリーチャー1体); +9対AC
ヒット:1d8 + 5ダメージ、さらにマイケルは目標を次のターン終了時までマークする。
タイド・オヴ・アイアン/打ち寄せるくろがね [武器] 無限回
必要条件:マイケルは盾を使用していなければならない。
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +9 対AC
ヒット:1d8 + 5ダメージ、さらにマイケルは目標を1マス押しやり、それまで目標が占めていたマスにシフトすることができる。
マイナー・アクション
グローワリング・スレッド/睨めつける脅威 遭遇毎
効果:近接爆発2 (爆発内の敵すべて) マイケルの次のターン終了時まで、各目標はマイケル以外に行う攻撃ロールに–5のペナルティを受ける。
機会アクション
ヒロイック・エフォート/英雄的奮闘 遭遇毎
トリガー:マイケルが1回の攻撃ロールをミスするか、1回のセーヴィング・スローに失敗する。
効果:マイケルはトリガーとなった攻撃ロールまたはセーヴィング・スローに+4の種族ボーナスを得る。
パワー・ストライク/猛打撃 遭遇毎
トリガー:マイケルがロングソードで敵にヒットを与える。
効果(アクションではない):トリガーを発生させた攻撃は1d8の追加ダメージを与える。
技能 <運動>+10、<持久力>+8、<威圧>+8
【筋】18 (+5) 【敏】11 (+1) 【判】12 (+2)
【耐】14 (+3) 【知】 8 (+0) 【魅】14 (+3)
属性:善 言語:共通語、巨人語
装備品 プレート・アーマー、ヘヴィ・シールド、ロングソード、標準冒険者キット
ケドラ・フォージスウォーン
盲信の僧侶
ケドラ・フォージスウォーンはモラディンの熱烈な信者だが、信心も行き過ぎて狂信者ともとれる。彼女が氏族を離れたのは成功や栄光を求めてではなく、この世界におけるモラディンの教えの体現者たらんとしてのことだった。
ほとんどのドワーフがそうであるように、ケドラも背が低くがっしりしている。己の信念がいかなる物理的な力の不足も埋め合わせるし、主義主張が絡んだときの彼女の粘り強さときたら、胃袋に新鮮な死体が入ったトロルのごとくだ。彼女は自らの頭を丸め、モラディンの好戦的な聖職者が好む聖典「ブック・オヴ・スパイト(悪意の書)」に記された戦闘のくだりをそこに書いている。
他の何よりも優先して、ケドラの望みはモラディンの命ずるまま、この世界にその御印を刻みつけることにある。だが、何をどうすればよいということが分かっているわけではない。そして、その目的を達するためには冒険者という生き方が最も確実だと疑わない。彼女は以前にも他のグループと協働したことがあるが、毎回ひどい別れ方をしている。その癪に障る人格に問題があるのだ。
ケドラ・フォージスウォーン レベル2 指揮役
中型・人型・ドワーフ
HP 34; 重傷値17; 回復力使用回数10; 回復力値8 イニシアチブ+2
AC 17 頑健15、反応13、意志17 <知覚>+5
速度5 夜目
セーヴィング・スロー:[毒]の効果に対して+5
特徴
スタンド・ユア・グラウンド/踏ん張り
何らかの効果(押しやり、引き寄せ、横滑り)がケドラを強制移動させようとしたとき、ケドラが実際に移動させられるマスの数はその効果の定められる数値よりも1マス少なくなる。加えて、何らかの攻撃によってケドラが伏せ状態になったとき、ケドラは即座に1回のセーヴィング・スローを行なうことができ、成功すれば伏せ状態にならずにすむ。
標準アクション
ウォーハンマー[武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +8 対AC
ヒット:1d10 + 1ダメージ。
スローイング・ハンマー[武器] 無限回
攻撃:遠隔5/10 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d6 + 2ダメージ。
ブレッシング・オヴ・ラース/怒りの祝福 [武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
効果:ケドラもしくは彼女から5マス以内の味方1人は、彼女の次のターン終了時までに行う、目標に対する次のダメージ・ロールに+3のパワー・ボーナスを得る。
サンクチュアリ/聖域 遭遇毎
効果:遠隔10 (ケドラかクリーチャー1体) 目標はすべての防御値に+5のボーナスを得る。この効果は目標が攻撃を行うか、ケドラの次のターン終了時まで持続する。
ディヴァイン・グロウ/信仰の輝き [装具]、[光輝] 遭遇毎
攻撃:近接噴射3 (範囲内の敵すべて); +6 対反応
ヒット:1d8 + 5[光輝]ダメージ。
効果:噴射内の味方は、ケドラの次のターン終了時まで攻撃ロールに+2のパワー・ボーナスを得る。
マイナー・アクション
ヒーリング・ワード/癒しの言葉 [回復] 遭遇毎2回
効果:近接爆発5 (ケドラか爆発内の味方1人) 目標は回復力を消費する。
ドワーヴン・リジリアンス/ドワーフの底力 遭遇毎
効果:ケドラは底力を使用できる。
技能<地下探険>+10、<持久力>+11、<治療>+10
【筋】11 (+1) 【敏】12 (+1) 【判】19 (+5)
【耐】17 (+4) 【知】 8 (+0) 【魅】10 (+1)
属性:秩序にして善 言語:共通語、ドワーフ語
装備品:スケイル・アーマー、ウォーハンマー、スローイング・ハンマー、聖印、標準冒険者キット
ゲシュ
傭兵隊長
かつては傭兵の隊を束ねる頭であった男も、今は売剣の身であり、最も高い値を払った者に剣を捧げている。
ゲシュは人目を引く男だ。背が高く筋肉質で、青銅に輝くスケイル・アーマーを身に纏う。毎晩寝る前に、彼は自分の鎧と槍を磨いて油を差し、申し分のない状態に整えている。
指図がゲシュから次々飛んでくる。自らの意見を胸に仕舞っておくというところがこの男にはない。武器の握り方から戦術に至るまで、自分の戦場での経験が僚友の知恵となると固く信じているためだ。ゲシュの経験に口をはさむ者はいないが、あいつは横暴だと思っている者はいる。
ゲシュ レベル2 指揮役
中型・人型・ドラゴンボーン
HP 30; 重傷値15; 回復力使用回数8; 回復力値8 イニシアチブ+2
AC 17; 頑健17、反応13、意志15 <知覚>+4
速度5
特徴
ドラゴンボーンの怒り
重傷である間、ゲシュは攻撃ロールに+1のボーナスを得る。
標準アクション
ロングスピア [武器] 無限回
攻撃:間合い2 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
ヴァイパーズ・ストライク/毒蛇の打撃 [武器] 無限回
ヒット:1d10 + 5ダメージ。
効果:目標がゲシュの次のターンの開始時までにシフトを行ったなら、目標はゲシュが選んだ味方1人から機会攻撃を誘発する。
ハンマー・アンド・アンヴィル/鎚と金床 [武器] 遭遇毎
攻撃:間合い2 (クリーチャー1体); +8対反応
ヒット: 1d10 + 5ダメージ。目標に隣接する味方1人はフリー・アクションとして目標に1回の近接基礎攻撃を行なう。味方はこの攻撃のダメージに+3のボーナスを得る。
移動アクション
ナイツ・ムーヴ/桂馬跳び 遭遇毎
効果:遠隔10 (味方1人) 目標は1回の移動アクションを行なう。
マイナー・アクション
ヒーリング・ワード/癒しの言葉 [回復] 遭遇毎2回
効果:近接爆発5 (ゲシュか爆発内の味方1人) 目標は回復力を消費する。
ドラゴン・ブレス[火] 遭遇毎
攻撃:近接噴射3 (噴射内のクリーチャーすべて); +6対反応
ヒット:1d6 + 2[火]ダメージ。
技能:<歴史>+6、<威圧>+9
【筋】19 (+5) 【敏】12 (+1) 【判】 8 (+0)
【耐】13 (+2) 【知】10 (+1) 【魅】16 (+4)
属性:秩序にして善 言語:共通語、竜語
装備品:チェインメイル、ロングスピア、標準冒険者キット
ルーク
影の殺し屋
ルークはドラウの都市、エレルハイ・シンル出身の典型的なドラウだ。裏切りの街において、ルークはあらゆる意味で生きるということを学び、自由を勝ち取るためにナイフ使いの技を究めた。数年ののち都市を後にした彼は、己の仕事に疑問を差し挟まぬプロフェッショナルな無関心さを持つ殺し屋となった。
ルークの背は特に高いとはいえず、やせ気味の己の身を灰色のフードがついた外套と黒服で包んでいる。戦いにおいては、彼は隠れたところから短剣とクロスボウで敵を不意打ちする。あらゆる場面が殺し合いに発展しうると考えているため、自らの出番でないとみるやその場から離れる。
ルークは己自身とその行動について決して後悔はしない。実用主義者である彼は、仕事の遂行に必要だと思うことすべてを躊躇いなく行う。ルークは友人を作ったりしない。作るのは顧客だ。彼のする約束はみな仕事の契約であり、己の働きに見合った支払いをこそ望んでいる。
ルーク レベル2 撃破役
中型・フェイ・人型生物・ドラウ
HP 29; 重傷値14; 回復力使用回数7; 回復力値7 イニシアチブ+5
AC 17、頑健13、反応17、意志15 <知覚>+1
速度5 暗視
標準アクション
ダガー[武器] 無限回
攻撃:近接1 (クリーチャー1体); +9対AC
ヒット:1d4 + 5ダメージ。
ハンド・クロスボウ[武器] 無限回
攻撃:遠隔15/30 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:1d6 + 5ダメージ。
スライ・フラーリッシュ/狡猾にして優美
効果:ルークはダガーもしくはハンド・クロスボウで攻撃を行い、ダメージに+3のボーナスを得る。
インパクト・ショット/衝撃の一射 [武器] 遭遇毎
攻撃:遠隔15/30 (クリーチャー1体); +8対AC
ヒット:2d6 + 5ダメージ、ルークは目標を1マス押しやる。
移動アクション
タンブル/曲芸移動 遭遇毎
効果:ルークは5マスまでのシフトを行う。
マイナー・アクション
クラウド・オヴ・ダークネス/闇の雲 遭遇毎
効果:近接爆発1 この爆発は闇の雲を生み出す。この雲はルークの次のターンが終了するまでその場所に留まる。この雲は視線を妨害し、この雲の中にあるマス目は“完全な遮蔽”となり、この雲の中に完全に収まっているクリーチャーは、この雲の外に出るまで盲目状態になる。ルークはこれらの効果に対する完全耐性を得る。
機会アクション
ストライカーズ・エッジ/撃破役の刃 無限回(1ターン1回)
トリガー:ルークが戦術的優位を有する敵1体にヒットを与える
効果(アクションではない):トリガーを発生させた攻撃は1d6の追加ダメージを与える。
技能<運動>+10、<威圧>+9、<隠密>+10
【筋】10 (+1) 【敏】19 (+5) 【判】11 (+1)
【耐】12 (+2) 【知】10 (+1) 【魅】16 (+4)
属性:無属性 言語:共通語、エルフ語
装備品:レザー・アーマー、ダガー2本、ハンド・クロスボウ、ボルト20本、標準冒険者キット
筆者について
ロバート・J・シュワルブはダンジョンズ&ドラゴンズ、ウォーハンマー・ファンタジー・ロールプレイ、A Song of Ice and Fire RPG、 Star Wars RPG、d20システムにおいて200近いタイトルのTRPGのデザインや開発にかかわって表彰されたゲーム・デザイナーだ。ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト社での最近の作品はD&D® Gamma World: Famine in Far-Go、Dark Sun Campaign Setting、モンスター・マニュアル3があり、またドラゴン・ダンジョンマガジンの両方で、レギュラーのライターをしている。著者に関してさらに知りたい場合は、彼のウェブサイト( www.robertjschwalb.com.)を参照してほしい。
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