DAC2011 参考資料 その1
2011年8月3日 ゲーム コメント (5)注:セッションの都合上、お見せできる部分のみになります。
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神格と半神:バハムート
ロバート・J・シュワルブ
ドラゴンの祖父は、すべての悪に対し抜かりなく備え、出会う悪すべてに対しこれを滅ぼすよう我らに命じている。だが、かの神の色を纏う者たちの多くは、いずれ来るであろう闇を待つだけに甘んじている。悪がその恐るべき姿を晒すときに備え、己の準備は抜かりないとでも思っているのだ。兄弟姉妹たちよ、悪は決して自らを明かすことはない。邪悪を心に秘めた者たちは光が我慢できないため、輝ける標を避けるとでもいうのだろうか?否、悪の僕は自らを生み出す闇を好むだけなのだ。奴らは時節を窺う。奴らは不浄の種を思いもよらぬ無辜の民に撒き散らし、拒めぬ誘惑をする。我々は自らの地を護るために戦うあいだ、こうした癌が広がるのをみすみす許しているのだ。我々は明らかな脅威と戦う。だが友よ、これこそが悪の思う壺なのだ。悪は我々に持てる力全てを囮に浪費させるよう仕向け、我々の浅はかさに高笑いする。方々の小火(ぼや)に気を取られている我々が、憎むべき大火を消し止めるなどどうしてできようか?
白金の竜は弱きを保護し、無辜なる者を魔の手から防ぐことを命じてはいるが、次々にそうした者たちが誘惑に屈する。我々にもはや猶予はない。次の日まで待つことすら許されない。闇の貴婦人や他の邪悪な軍勢が、目の届かぬところで悲惨な運命の筋書きを練っている。我々は己が心の深きところを覗き、その純潔を見極めなければならない。我々は誘惑と疑念を取り去るべく、己が肉体に鞭打たねばならない。我々は友を試し、家族を試して、そのなかに影なきことを確かめねばならない。もしも影あったならば、我々は肉体を浄化せねばならない。魂を開放するのだ。
聖なる任務をしくじれば、我らは負ける。
我らが恐怖に屈すれば、悪が勝つ。
慈悲を与えてはならぬ。悪を許せば、我らは戦っている相手まさにそのものになろう。
兄弟姉妹よ、我らがいるのは戦場なのだ。
騎士団「白金の鍵爪」バハムートの聖堂騎士(テンプラー) ジョセス・クラウンブレイド
プラティナム・ドラゴンは世界に光り輝く。バハムートは高徳と正義を体現する存在だ。彼は定命の存在に対して、気高き志を抱くよう、取り巻く世界をより良くするよう強く求める。その聖典において、共同体の調和を荒らすような、恥ずべき破壊的な感情を排するためのやり方を学ぶことができる。エラティスであれば、定命の存在に手つかずの場所に進み、さらなる世界と権利を築くよう啓発するところだが、バハムートはその進歩がかえって定命の存在の命取りとならないよう、知恵を授けている。プラティナム・ドラゴンにとって、美徳と秩序とは同義である。いうなれば同じ理想を別の角度から見たものだ。善なき秩序は専制であり、秩序なき善は弱き者、護るべき者、貧しき者になすべき責任を放棄した、当てにならぬものである。
この世界で善が生き残る方法は、秩序ある社会をおいて他にない。他と比較することで成り立つ道徳もまた存在しない。善とは個々の外側にあり、時にあいまいではあるものの、順守するも拒絶するもすべて己の選択によってである。
秩序ある社会とは、定命の存在に道徳を守らせて、寛容、節度、調和を勧める一方、法律が共通善を脅かしたり蝕んだりするような、許されない行動を定義する。秩序ある社会において、道徳がとるべき道は明らかなものだ。
そして正義は世界における善を示すのに不可欠だ。たとえば村ぐるみで盗賊をしている共同体のように、共通の善に反する行為をして罰せられないような社会において、法など無意味である。
世界におけるバハムート
バハムートは、神々の中でも善を体現する存在としてその先頭に立っている。正義・平等・高徳に基づいて作られた共同体は、プラティナム・ドラゴンに祈りを捧げる。その教えすべてに賛同するわけではないにしても、そうした者達は、バハムートを自らの問題を解決してくれる存在と考えている。
絶対的な善などというものは、多くの定命の存在にとって厄介事の種になる。善と悪は文化や社会の欲するところによって形作られる主観的な概念だ。大部分の者にとって、倫理の規範をよそから取り入れて云々するというより、道徳的規範となる指針が己の中にある。バハムートの信徒においてさえ、共同体がどこまで道徳の理想を目指すべきかは意見が分かれるし、共同体の法の中における善の追求について論争を重ねている。
神に関する定期的な講話と包括的な宗教施設がなければ、大半の信仰は脆くも崩れ去る。特定の戒律に対する個人の解釈など、大体のところは似たり寄ったりなためだ。だが最も危険なセクトは特定の戒律を取り上げてことさら重視し、神の他の教えすべてに影響するように仕向ける。そのためそうした行為は神の意図を曲げることになりかねず、世界を大いに害するのだ。
そのバハムートの信者の中でも、最過激派が彼の教えであると信じて実行に移す所業を以下に記す。
名誉と正義:領主がその領地において、法による裁きを公平に下せないようなら、各地をあまねく巡察するバハムートの聖職者が代わって正義を示す。いかに些細なことであろうと、すべての罪には等しく死、あるのみ。
弱きを護る:とあるバハムートのセクトが、男爵による搾取に喘いでいる地に旅したことがあった。貧しき民、そして富んで身の安全も保証された男爵とを見比べたそのセクトは、男爵の城をはじめその財産何もかもを没収した。それに飽きたらず、そのセクトは領地を乗っ取り、プライバシーを暴き自由を制限することで、より良い生活の保証、少なくとも誰もが平等な生活を実現している。
ただ秩序を護るべし:貴族が女王に反旗を翻すと、バハムートのテンプラーは女王のルールを宗教的な戒律さながらに受け止め、女王の側についた。件の女王が近隣の国を侵略するべく密かに軍隊を送り込んでいたとしても、テンプラー達は関知しない。
虐げられた者達を解放すべし:あるドルイドの王によって統治される共同体が、近隣の王国によって開かれる集まりに参加を拒否した。バハムートの聖職者は、共同体を無法で道徳的に混乱しており、指導者によって騙されていると断じた。「抑圧されている」人々を解放せんと、ドルイドの王をその座から引きずり降ろすべく、聖職者は軍隊を引き連れて乗り込み、自身と同類の者を後釜に据えた。
信仰の距離
バハムートとその教義に対して分別のある見方ができる者なら、なぜこの神が信者の間違いを正そうとしないのか疑問に思うことだろう。過激派のやっていることは、教えの正反対であるベインのそれですらある。正義と名誉、気高さを体現する神にありながら、信者らしき者達による、このような振る舞いをなぜ黙ってみたままなのだろうか?識者たちはこの問題について長いこと議論を重ねたが、いまだにこれといった結論は出ていない。
ある者は、合理的な考え方が神性を理解するのを誤らせるのではと述べている。ひょっとしたら神は狂信を勧めているのかもしれない。ことによると、世界で己の目的を達するために、神は盲目的な信者に頼らざるを得ないということもありうる。あるいは自分たちが仕損じたときにどんな恐ろしい目に合うかは急進派が一番よくわかっており、そのために一層励むのかもしれない。そうした連中が追い求めた理想が誤ったものであるとしても、彼らの善に対する働きがより崇高な目的につながることも考えられる。
寒気がくるような考えだが、ことによると当たっているかもしれない。しかし学者はあくまで推測の域を出ないということで、その説についてそれ以上考えることを止めている。その代わり、「暁の戦」以来、原始の精霊は神々に定命の存在に直接関わるのを禁じたことへの反動ではないかと主張している。計り知れないほどの荒廃を受け、精霊は自然界が再び神とプライモーディアルの戦場にならぬよう、神々に固く禁じたのだ。定命の存在の側が神に近づこうとするのは自由なため、その戒律をどう解釈するかもまた個人の自由である。神はとても離れているためその逸脱を咎められないし、そうすることも禁じられている。
もちろん、最も簡単かつ愚かしい答えは「定命の存在の数はあまりに多すぎるため、神はそのような些細なことに構っていられない」という決まり文句だ。遥かな次元で起こっている巨大な問題に比べれば、定命の世界で起こっていることはかわいい茶番に過ぎず、方向を誤った集団が何をしようが、自らの次元界での大事に比べて何ほどかあろうということになる。
白金の鍵爪団
「咎人に苦しまされてはならん!」
歴史が示す通り、悪を待っていたところで何も勝ったことにはならない。悪は気が付かぬ間にはびこって隅々まで広がり、定命の心に悪しき種を植え付けてあるべき秩序から踏み外させる。戦いの相手が悪の僕である限り、勝利などはない。闇を打ち払うため、この世界から追い払うために、真の戦士というものはすべての裏切りを疑い、すべての心の純潔を確かめ、腐敗が見つかれば滅しなくてはならない。
バハムートにその身を捧げながら、その狂信によって神の意図するところから外れているかもしれない集団の行いを以下に記す。
白金の鍵爪団に関する知識
<歴史>
よく知られている話: 白金の鍵爪団はバハムートの騎士団である。闇に身を捧げる邪悪な信者どもを一掃するべく、どんな辺境にも団を派遣する。彼らの名において多くの善と異端審問がなされている。
<歴史>難易度15: 鍵爪団の悪に対する勇猛は評価すべきではあるが、彼らはその視野の狭さにより、自らの聖戦の結果を予期せぬものにしかねない。鍵爪団の行くところ、暮らしは引き裂かれ、共同体は滅ぼされる。何をしようが結局のところ自らの行動を正当化しだすため、鍵爪団の辞書に謝罪という言葉はない。
<歴史>難易度20: 残忍な鍵爪団の行くところ、後に残るは灰と骨ばかりだ。とある者が「四本樫」について、どのようにすればよいか鍵爪団に伺いを立てた。かつて栄えた村にある「四本樫」は魔女崇拝や悪魔信仰との結びつきを噂されていたためだ。昔ながらの原始の精霊を祭った祠とも違っており、そこにお供えをしていた人々は全くの無関係であった。鍵爪団は疑念を抱いて村を抜き打ち検査した。40人ほどを取り調べたが何も出てはこなかったため、鍵爪団は村を丸ごと焼き討ちにした。なぜそんなことをするのかと問われたが、「命あるものはみないつか死ぬが、悪が息絶えた試しはない」という答えがあったのみ。
<宗教>
よく知られている話:鍵爪団は調和と秩序ある社会を作り上げるため、文明の地から不正を撲滅すべく励んでいる。
<宗教>難易度15:あらゆる意味で悪と戦え、というバハムートの命に忠実であろうとするのはよいが、鍵爪団は自らの地で腐敗を一掃することに専念していればバハムートが求めることはすべて満たしていると思い込む節がある。賢い敵なら、鍵爪団がどこまで目の曇った連中なのかがわかるため、彼らのいる国や町の中だけでなく、団の中にも間諜を送り込む。もっとも、鍵爪団は自らが保護しているものと等しく自らの組織の内部も疑うため、鍵爪団の中でそれなりの地位を得ている顔ぶれは変わらない。
<宗教>難易度20:鍵爪団はその残忍なことで悪名高い。共同体を調査するとき、連中は怪しいものを片っ端から捕まえ、取り調べでは自白を引き出すために拷問を使う。そのようにして得られた自白など良くて眉唾ものであるため、鍵爪団はよく偽情報に踊らされる。
組織
白金の鍵爪団はバハムートを信奉する急進派であり、プラティナム・ドラゴンの教えを自らの計画のため歪めている。自分たち以外の権威というものを認めず、その権威に挑むような存在があれば、周到な調査をして陥れる。鍵爪団に「浄化された」地は裂かれ、焼かれ、その宗教的権威によって屈服させられる。
リーダー:ジョセス・クラウンブレイドが白金の鍵爪団を立ち上げ、今もなお急進派を率いている。彼を疑う人は、その説教を聞けば自らの不安が一蹴されるという。彼は情熱的なバハムートの信者で、俗世の快楽と贅沢を絶った禁欲的な生き方をしている。
本拠地:鍵爪団はネラス帝国の遺跡から得た財産を蓄えている。聖戦を唱える者たちは、古い寺院や砦、堅く守られた集落さえも、破壊した者の特権とばかりに欲望のまま振る舞う。生殺与奪はクラウンブレイドが掌握している。最近では、ジョセスは信奉者たちに白の封印の頃からある、古くからある孤児院を焼き払うよう命じた。
序列:鍵爪団は命令の裁可をジョセス・クラウンブレイドに仰ぐ。7人の僧侶が戦略ならびに神的なことにも助言している。クラウンブレイドは彼らの立てた誓いと精神の純粋さによって選んだのだが、第三者から見れば何を考えているのか理解しかねるところだ。
鍵爪団の軍事的な階級はこれまでの功績と経験に基づいている。役職持ちは隊長であり、それぞれの隊を率いて兵士や審問官に命を下す。スパイや情報屋は、有用ではあるものの、鍵爪団に心から仕えているとは言い難いために高い地位を得ることはない。
団員徴募:鍵爪団の新規団員はほとんど一般人から採られる。元いた共同体とのつながりを絶たせるため脅しを用い、より大きな組織に縛りつける。そうした「新規入団者」は正式に入団が許されるそのときまで、団と関係のある寺院で宗教的教化と訓練の日々を味わう。
主要人物
白金の鍵爪団は以下の2人で成り立っている。
ジョセス・クラウンブレイド
「悪は痛みを嫌うものだ」
白金の鍵爪団の精神的、かつ軍事的なリーダーであるジョセス・クラウンブレイドは、己が組織を率い、世界に自らの目的を体現する。白の皮鎧を纏い、肩から雪のような外套を羽織ったこの初老の男性は、その年にもかかわらず衰えを全く見せない。光る碧眼はぎょろりと動き、その往くところ魂を震わせる。
ジョセスに関する知識
<歴史>難易度25
白金の鍵爪団の現在の指導者であり、精神的支柱でもあるジョセスは、今日のような独善的な男ではなかった。若い頃は冒険者稼業でならしていた。財宝の略奪と名誉を目当てに、恐ろしい怪物を相手にまわし、幾度も退けた。だがどれほど集めた財宝を積み上げても、ジョセスの心は何かが欠けていた。アンダーダークでデーモン崇拝者を打ち負かした後、彼は己に足りないものが何なのか知恵を授かるべく、バハムートの寺院に立ち寄って不眠の祈祷に入った。
食物と睡眠を絶ち、七日七晩の間彼は跪いて祈りを捧げた。そして七日目も終わりに差しかかるとき、老人が寺院を訪れる。陽気に鳴いているカナリアをその肩に乗せて。
バハムートの伝説まさにそのものであり、ジョセスは自身が神の御側にいるのだと感じた。ジョセスは老人の足元に跪き、触れるどころか目を合わせようとすらしなかった。老人はジョセスに触れて顔を上げるよう言ったが、それでもジョセスはそうはしなかった。バハムートは尋ねた。なぜ苦しんでいるのか、それほど祈って自分を痛めつけてまで、どんな望みや目標があるのかと。ジョセスは心の隙間を埋められるような目的を得るための知恵を授けてほしいと願った。老人は答えた。「ジョセスよ、汝が求めるものは安全な寺院になどではなく、世界中にある。あらゆるものに影と隠れ、その闇の胎動は恐怖と憎悪によって蠢き、己が目的によって人々を圧する。息子よ、これこそが汝の運命なのだ。もはや寺院の壁にもたれている時ではない。これまでのように世界の中で汝の未来を探し求めよ」
老人は外へと出て、ジョセスに自分が言ったことをどのようにとるかは彼の好きにさせた。ジョセスは冒険者生活を引退し、世界の「浄化」に身を捧げる決心を固めた。悪あらば、これを速やかに滅すべし。
ジョセスを使う
ジョセスは有能な戦士だが、すでに高齢である。技の衰えを正義への残忍さで埋め、力の衰えを己の信奉者を使って埋める。ジョセスは己の傍らで戦う者達を叱咤激励し、聖なる力を授けることで信奉者の戦闘力を引き出す。ジョセスとともにあれば、あらゆる疑いはどこかに行ってしまい、良心の呵責は悪を粉砕するという揺るぎない献身によって消え去ってしまう。
ジョセスのロールプレイ
ジョセスは常軌を逸している。己の信心が合理的な思考を妨げており、何事もその場その場で閃いたことに基づいて決めている。彼が正義や秩序について語るとき、何を言い出すかわからないところがあるため、彼以外の人間すべてにはっきりわかっていることでも、妙な結論を導き出す。ジョセスが自らの非を認めることはない。一つの穢れた魂を葬るため千の無垢な魂が失われたとして、その犠牲は尊くはあるが正当化できるものなのだ。
ジョセスの戦術
戦いはジョセスの怒りを呼び覚ます。この指揮官は最も近い敵に突撃し、我に続けと味方に促す。接敵したなら、ブリリアント・リビュークとオーダーズ・ヴァーチューで敵を自らの意図に沿うよう仕向け、場を支配する。そしてサファー・ナット・ジ・インフィディルで味方の攻撃を増やす。
サラヴァール・ダグ
「命令に従ったまでさ」
サラヴァール・ダグはジョセス・クラウンブレイドの最も信任厚き追従者の一人だ。ジョセスが倒れるようなことがあれば、彼がその遺志を引き継ぐことになるだろう。
巨体のハーフオークの男で、髪は短いブロンド、平たい顔に冷たく光るブルーの双眸という特徴のこの騎士は、輝く板金鎧と空色の外套を纏い、波型刃のバスタード・ソードを帯びている。
サラヴァールに関する知識
<事情通> 難易度20
サラヴァール・ダグは3人目のジョセスの後継者候補だ。前の2人が戦いで失われため、クラウンブレイドは機知や創意によってではなく、強さと任務遂行の意志でダグを選んでいる。サラヴァールは一介の戦士として優秀だ。彼はいかなる不快な任務であっても、命令された通り従順に実行する。
サラヴァールを使う
サラヴァールは宗教には全く無知で、どんな宗教的な事柄も道徳の失墜だと密かに思っている。彼は指揮官としては無能だが、部下は彼にそう見なされることを恐れているため、持てる力を振り絞って戦う。
サラヴァールのロールプレイ
サラヴァールは使える僕ではあるが、自分自身というものが欠如している。彼には信仰心というものが全くなく、考え方は完全に俗世のものだ。彼は宗教的な議論には加わらない。そしてとかく物事を白か黒で判断するため、いかなる灰色もいっしょくたに堕落と断ずる。命令には極端なまでに従順で、疑うということをしない。白金の鍵爪をまとめるには不足な男だが、そのあたりこそジョセスが欲するところなのかもしれない。
サラヴァールの戦術
サラヴァールの戦い方は猪だ。支援なしで敵の最も集まるところに突撃をかます。囲まれたら囲まれたでキリング・アークを使って敵を分断する。狡猾さや駆け引きなど、サラヴァールには無縁のもの。
白金の鍵爪団を使う
白金の鍵爪団は伝説級で使うのが最適だ。英雄級の終わりに差しかかった冒険者たちにとって、鍵爪団はやがて訪れるステップアップの手助けやお世話をしてくれる存在になりうる。そして鍵爪団の化けの鱗がはがれ、過度の暴力によって自らの手を無垢の血で染める真実が明らかになる。彼らは僕に狂信的な奉仕を求め、絶対服従以外を許さない。
かつて仲間だったものは、最も危険な敵になりうる。キャラクターは共通の敵のみならず、白金の鍵爪団の暴走にも気をつけなくてはならない。
共通の目的(伝説級序盤)
冒険者たちは規模の大きく勢い盛んな街に辿り着く。そこでティアマトのカルトの企みを知る。己が目的のため、その街を破滅させようと暗躍しているようだ。あらゆる試みは愚かな役人どもの妨害に阻まれ、冒険者たちは悪を突き止めるすべを失ったかに見えた。幸運にも、そこで白金の鍵爪団と出会う。彼らの助けもあって、冒険者たちはティアマトの隠れ寺院を発見してカルトを壊滅させ、教団の目的をくじいて街を救うことができた。報酬の一部として、鍵爪団は英雄たちを組織の一員として迎え、ティアマト打倒のための頼もしい味方となる用意があることを示す。
メッキがはがれたプラチナ(伝説級中盤)
鍵爪団に加わろうと加わるまいと、この組織の聖なる目的とやらによって、組織の欠陥やひび割れ、腐敗が見えてくる。その堅すぎる決意が、冒険者達に鍵爪団がどこかおかしい組織であると感じさせるようになる。遠くの村が鍵爪団によって焼き払われたといううわさを聞くかもしれないし、一般人が鍵爪団の悪口を言っているのを小耳にはさむかもしれない。黒い噂はやがて拷問、聖戦という名の強奪、そして殺しにまで及ぶ。鍵爪団は冒険者たちが問い詰めてくることなど先刻承知であり、うまくいなして疑念を晴らそうとする。団の人間が再び依頼をするが、ふたを開けてみれば無属性の英雄ですらも見て見ぬふりをできないような所業であった。とうとう、鍵爪団はキャラクターたちを背教者であると断じて葬ろうとする。
汝邪悪なり(伝説級終盤)
白金の鍵爪団と敵対すると、冒険者たちはそのエージェントに悩まされる。英雄たちがどのような善行をしようと、彼らの行いは鍵爪団によって妨害されたり、得られるはずの名誉を無にされたりする。冒険者たちが妨害活動にうんざりしたところで、鍵爪団が現れ、より良い目的のために尽くす最後のチャンスを与えよう、拒否すれば滅ぼすと引導を渡しに来る。そしてジョセス・クラウンブレイドとの決着の時だ。彼らの本拠地に乗り込んで対峙し、この狂人の支配を止めるため、盲信者と天使、そして欺かれたまま使われている使用人と戦うことになるだろう。首尾よく勝ったなら、団の未来は君の手の中にある。立て直しを図るなら、旧弊を改めるのに苦労することになるだろう。あるいは解団してしまう手もある。だが、これによって神話級での新たな敵ができるかもしれない。
このまま使用するわけではありませんが、データセクションは
一部を除きDAC終了後になるかと思います。
くわえて、予告なく加除修正をしますので、予めご了承ください。
(8/24 まだ修正はあるかもしれませんが、ひとまず終了します)
神格と半神:バハムート
ロバート・J・シュワルブ
ドラゴンの祖父は、すべての悪に対し抜かりなく備え、出会う悪すべてに対しこれを滅ぼすよう我らに命じている。だが、かの神の色を纏う者たちの多くは、いずれ来るであろう闇を待つだけに甘んじている。悪がその恐るべき姿を晒すときに備え、己の準備は抜かりないとでも思っているのだ。兄弟姉妹たちよ、悪は決して自らを明かすことはない。邪悪を心に秘めた者たちは光が我慢できないため、輝ける標を避けるとでもいうのだろうか?否、悪の僕は自らを生み出す闇を好むだけなのだ。奴らは時節を窺う。奴らは不浄の種を思いもよらぬ無辜の民に撒き散らし、拒めぬ誘惑をする。我々は自らの地を護るために戦うあいだ、こうした癌が広がるのをみすみす許しているのだ。我々は明らかな脅威と戦う。だが友よ、これこそが悪の思う壺なのだ。悪は我々に持てる力全てを囮に浪費させるよう仕向け、我々の浅はかさに高笑いする。方々の小火(ぼや)に気を取られている我々が、憎むべき大火を消し止めるなどどうしてできようか?
白金の竜は弱きを保護し、無辜なる者を魔の手から防ぐことを命じてはいるが、次々にそうした者たちが誘惑に屈する。我々にもはや猶予はない。次の日まで待つことすら許されない。闇の貴婦人や他の邪悪な軍勢が、目の届かぬところで悲惨な運命の筋書きを練っている。我々は己が心の深きところを覗き、その純潔を見極めなければならない。我々は誘惑と疑念を取り去るべく、己が肉体に鞭打たねばならない。我々は友を試し、家族を試して、そのなかに影なきことを確かめねばならない。もしも影あったならば、我々は肉体を浄化せねばならない。魂を開放するのだ。
聖なる任務をしくじれば、我らは負ける。
我らが恐怖に屈すれば、悪が勝つ。
慈悲を与えてはならぬ。悪を許せば、我らは戦っている相手まさにそのものになろう。
兄弟姉妹よ、我らがいるのは戦場なのだ。
騎士団「白金の鍵爪」バハムートの聖堂騎士(テンプラー) ジョセス・クラウンブレイド
プラティナム・ドラゴンは世界に光り輝く。バハムートは高徳と正義を体現する存在だ。彼は定命の存在に対して、気高き志を抱くよう、取り巻く世界をより良くするよう強く求める。その聖典において、共同体の調和を荒らすような、恥ずべき破壊的な感情を排するためのやり方を学ぶことができる。エラティスであれば、定命の存在に手つかずの場所に進み、さらなる世界と権利を築くよう啓発するところだが、バハムートはその進歩がかえって定命の存在の命取りとならないよう、知恵を授けている。プラティナム・ドラゴンにとって、美徳と秩序とは同義である。いうなれば同じ理想を別の角度から見たものだ。善なき秩序は専制であり、秩序なき善は弱き者、護るべき者、貧しき者になすべき責任を放棄した、当てにならぬものである。
この世界で善が生き残る方法は、秩序ある社会をおいて他にない。他と比較することで成り立つ道徳もまた存在しない。善とは個々の外側にあり、時にあいまいではあるものの、順守するも拒絶するもすべて己の選択によってである。
秩序ある社会とは、定命の存在に道徳を守らせて、寛容、節度、調和を勧める一方、法律が共通善を脅かしたり蝕んだりするような、許されない行動を定義する。秩序ある社会において、道徳がとるべき道は明らかなものだ。
そして正義は世界における善を示すのに不可欠だ。たとえば村ぐるみで盗賊をしている共同体のように、共通の善に反する行為をして罰せられないような社会において、法など無意味である。
世界におけるバハムート
バハムートは、神々の中でも善を体現する存在としてその先頭に立っている。正義・平等・高徳に基づいて作られた共同体は、プラティナム・ドラゴンに祈りを捧げる。その教えすべてに賛同するわけではないにしても、そうした者達は、バハムートを自らの問題を解決してくれる存在と考えている。
絶対的な善などというものは、多くの定命の存在にとって厄介事の種になる。善と悪は文化や社会の欲するところによって形作られる主観的な概念だ。大部分の者にとって、倫理の規範をよそから取り入れて云々するというより、道徳的規範となる指針が己の中にある。バハムートの信徒においてさえ、共同体がどこまで道徳の理想を目指すべきかは意見が分かれるし、共同体の法の中における善の追求について論争を重ねている。
神に関する定期的な講話と包括的な宗教施設がなければ、大半の信仰は脆くも崩れ去る。特定の戒律に対する個人の解釈など、大体のところは似たり寄ったりなためだ。だが最も危険なセクトは特定の戒律を取り上げてことさら重視し、神の他の教えすべてに影響するように仕向ける。そのためそうした行為は神の意図を曲げることになりかねず、世界を大いに害するのだ。
そのバハムートの信者の中でも、最過激派が彼の教えであると信じて実行に移す所業を以下に記す。
名誉と正義:領主がその領地において、法による裁きを公平に下せないようなら、各地をあまねく巡察するバハムートの聖職者が代わって正義を示す。いかに些細なことであろうと、すべての罪には等しく死、あるのみ。
弱きを護る:とあるバハムートのセクトが、男爵による搾取に喘いでいる地に旅したことがあった。貧しき民、そして富んで身の安全も保証された男爵とを見比べたそのセクトは、男爵の城をはじめその財産何もかもを没収した。それに飽きたらず、そのセクトは領地を乗っ取り、プライバシーを暴き自由を制限することで、より良い生活の保証、少なくとも誰もが平等な生活を実現している。
ただ秩序を護るべし:貴族が女王に反旗を翻すと、バハムートのテンプラーは女王のルールを宗教的な戒律さながらに受け止め、女王の側についた。件の女王が近隣の国を侵略するべく密かに軍隊を送り込んでいたとしても、テンプラー達は関知しない。
虐げられた者達を解放すべし:あるドルイドの王によって統治される共同体が、近隣の王国によって開かれる集まりに参加を拒否した。バハムートの聖職者は、共同体を無法で道徳的に混乱しており、指導者によって騙されていると断じた。「抑圧されている」人々を解放せんと、ドルイドの王をその座から引きずり降ろすべく、聖職者は軍隊を引き連れて乗り込み、自身と同類の者を後釜に据えた。
信仰の距離
バハムートとその教義に対して分別のある見方ができる者なら、なぜこの神が信者の間違いを正そうとしないのか疑問に思うことだろう。過激派のやっていることは、教えの正反対であるベインのそれですらある。正義と名誉、気高さを体現する神にありながら、信者らしき者達による、このような振る舞いをなぜ黙ってみたままなのだろうか?識者たちはこの問題について長いこと議論を重ねたが、いまだにこれといった結論は出ていない。
ある者は、合理的な考え方が神性を理解するのを誤らせるのではと述べている。ひょっとしたら神は狂信を勧めているのかもしれない。ことによると、世界で己の目的を達するために、神は盲目的な信者に頼らざるを得ないということもありうる。あるいは自分たちが仕損じたときにどんな恐ろしい目に合うかは急進派が一番よくわかっており、そのために一層励むのかもしれない。そうした連中が追い求めた理想が誤ったものであるとしても、彼らの善に対する働きがより崇高な目的につながることも考えられる。
寒気がくるような考えだが、ことによると当たっているかもしれない。しかし学者はあくまで推測の域を出ないということで、その説についてそれ以上考えることを止めている。その代わり、「暁の戦」以来、原始の精霊は神々に定命の存在に直接関わるのを禁じたことへの反動ではないかと主張している。計り知れないほどの荒廃を受け、精霊は自然界が再び神とプライモーディアルの戦場にならぬよう、神々に固く禁じたのだ。定命の存在の側が神に近づこうとするのは自由なため、その戒律をどう解釈するかもまた個人の自由である。神はとても離れているためその逸脱を咎められないし、そうすることも禁じられている。
もちろん、最も簡単かつ愚かしい答えは「定命の存在の数はあまりに多すぎるため、神はそのような些細なことに構っていられない」という決まり文句だ。遥かな次元で起こっている巨大な問題に比べれば、定命の世界で起こっていることはかわいい茶番に過ぎず、方向を誤った集団が何をしようが、自らの次元界での大事に比べて何ほどかあろうということになる。
白金の鍵爪団
「咎人に苦しまされてはならん!」
歴史が示す通り、悪を待っていたところで何も勝ったことにはならない。悪は気が付かぬ間にはびこって隅々まで広がり、定命の心に悪しき種を植え付けてあるべき秩序から踏み外させる。戦いの相手が悪の僕である限り、勝利などはない。闇を打ち払うため、この世界から追い払うために、真の戦士というものはすべての裏切りを疑い、すべての心の純潔を確かめ、腐敗が見つかれば滅しなくてはならない。
バハムートにその身を捧げながら、その狂信によって神の意図するところから外れているかもしれない集団の行いを以下に記す。
白金の鍵爪団に関する知識
<歴史>
よく知られている話: 白金の鍵爪団はバハムートの騎士団である。闇に身を捧げる邪悪な信者どもを一掃するべく、どんな辺境にも団を派遣する。彼らの名において多くの善と異端審問がなされている。
<歴史>難易度15: 鍵爪団の悪に対する勇猛は評価すべきではあるが、彼らはその視野の狭さにより、自らの聖戦の結果を予期せぬものにしかねない。鍵爪団の行くところ、暮らしは引き裂かれ、共同体は滅ぼされる。何をしようが結局のところ自らの行動を正当化しだすため、鍵爪団の辞書に謝罪という言葉はない。
<歴史>難易度20: 残忍な鍵爪団の行くところ、後に残るは灰と骨ばかりだ。とある者が「四本樫」について、どのようにすればよいか鍵爪団に伺いを立てた。かつて栄えた村にある「四本樫」は魔女崇拝や悪魔信仰との結びつきを噂されていたためだ。昔ながらの原始の精霊を祭った祠とも違っており、そこにお供えをしていた人々は全くの無関係であった。鍵爪団は疑念を抱いて村を抜き打ち検査した。40人ほどを取り調べたが何も出てはこなかったため、鍵爪団は村を丸ごと焼き討ちにした。なぜそんなことをするのかと問われたが、「命あるものはみないつか死ぬが、悪が息絶えた試しはない」という答えがあったのみ。
<宗教>
よく知られている話:鍵爪団は調和と秩序ある社会を作り上げるため、文明の地から不正を撲滅すべく励んでいる。
<宗教>難易度15:あらゆる意味で悪と戦え、というバハムートの命に忠実であろうとするのはよいが、鍵爪団は自らの地で腐敗を一掃することに専念していればバハムートが求めることはすべて満たしていると思い込む節がある。賢い敵なら、鍵爪団がどこまで目の曇った連中なのかがわかるため、彼らのいる国や町の中だけでなく、団の中にも間諜を送り込む。もっとも、鍵爪団は自らが保護しているものと等しく自らの組織の内部も疑うため、鍵爪団の中でそれなりの地位を得ている顔ぶれは変わらない。
<宗教>難易度20:鍵爪団はその残忍なことで悪名高い。共同体を調査するとき、連中は怪しいものを片っ端から捕まえ、取り調べでは自白を引き出すために拷問を使う。そのようにして得られた自白など良くて眉唾ものであるため、鍵爪団はよく偽情報に踊らされる。
組織
白金の鍵爪団はバハムートを信奉する急進派であり、プラティナム・ドラゴンの教えを自らの計画のため歪めている。自分たち以外の権威というものを認めず、その権威に挑むような存在があれば、周到な調査をして陥れる。鍵爪団に「浄化された」地は裂かれ、焼かれ、その宗教的権威によって屈服させられる。
リーダー:ジョセス・クラウンブレイドが白金の鍵爪団を立ち上げ、今もなお急進派を率いている。彼を疑う人は、その説教を聞けば自らの不安が一蹴されるという。彼は情熱的なバハムートの信者で、俗世の快楽と贅沢を絶った禁欲的な生き方をしている。
本拠地:鍵爪団はネラス帝国の遺跡から得た財産を蓄えている。聖戦を唱える者たちは、古い寺院や砦、堅く守られた集落さえも、破壊した者の特権とばかりに欲望のまま振る舞う。生殺与奪はクラウンブレイドが掌握している。最近では、ジョセスは信奉者たちに白の封印の頃からある、古くからある孤児院を焼き払うよう命じた。
序列:鍵爪団は命令の裁可をジョセス・クラウンブレイドに仰ぐ。7人の僧侶が戦略ならびに神的なことにも助言している。クラウンブレイドは彼らの立てた誓いと精神の純粋さによって選んだのだが、第三者から見れば何を考えているのか理解しかねるところだ。
鍵爪団の軍事的な階級はこれまでの功績と経験に基づいている。役職持ちは隊長であり、それぞれの隊を率いて兵士や審問官に命を下す。スパイや情報屋は、有用ではあるものの、鍵爪団に心から仕えているとは言い難いために高い地位を得ることはない。
団員徴募:鍵爪団の新規団員はほとんど一般人から採られる。元いた共同体とのつながりを絶たせるため脅しを用い、より大きな組織に縛りつける。そうした「新規入団者」は正式に入団が許されるそのときまで、団と関係のある寺院で宗教的教化と訓練の日々を味わう。
主要人物
白金の鍵爪団は以下の2人で成り立っている。
ジョセス・クラウンブレイド
「悪は痛みを嫌うものだ」
白金の鍵爪団の精神的、かつ軍事的なリーダーであるジョセス・クラウンブレイドは、己が組織を率い、世界に自らの目的を体現する。白の皮鎧を纏い、肩から雪のような外套を羽織ったこの初老の男性は、その年にもかかわらず衰えを全く見せない。光る碧眼はぎょろりと動き、その往くところ魂を震わせる。
ジョセスに関する知識
<歴史>難易度25
白金の鍵爪団の現在の指導者であり、精神的支柱でもあるジョセスは、今日のような独善的な男ではなかった。若い頃は冒険者稼業でならしていた。財宝の略奪と名誉を目当てに、恐ろしい怪物を相手にまわし、幾度も退けた。だがどれほど集めた財宝を積み上げても、ジョセスの心は何かが欠けていた。アンダーダークでデーモン崇拝者を打ち負かした後、彼は己に足りないものが何なのか知恵を授かるべく、バハムートの寺院に立ち寄って不眠の祈祷に入った。
食物と睡眠を絶ち、七日七晩の間彼は跪いて祈りを捧げた。そして七日目も終わりに差しかかるとき、老人が寺院を訪れる。陽気に鳴いているカナリアをその肩に乗せて。
バハムートの伝説まさにそのものであり、ジョセスは自身が神の御側にいるのだと感じた。ジョセスは老人の足元に跪き、触れるどころか目を合わせようとすらしなかった。老人はジョセスに触れて顔を上げるよう言ったが、それでもジョセスはそうはしなかった。バハムートは尋ねた。なぜ苦しんでいるのか、それほど祈って自分を痛めつけてまで、どんな望みや目標があるのかと。ジョセスは心の隙間を埋められるような目的を得るための知恵を授けてほしいと願った。老人は答えた。「ジョセスよ、汝が求めるものは安全な寺院になどではなく、世界中にある。あらゆるものに影と隠れ、その闇の胎動は恐怖と憎悪によって蠢き、己が目的によって人々を圧する。息子よ、これこそが汝の運命なのだ。もはや寺院の壁にもたれている時ではない。これまでのように世界の中で汝の未来を探し求めよ」
老人は外へと出て、ジョセスに自分が言ったことをどのようにとるかは彼の好きにさせた。ジョセスは冒険者生活を引退し、世界の「浄化」に身を捧げる決心を固めた。悪あらば、これを速やかに滅すべし。
ジョセスを使う
ジョセスは有能な戦士だが、すでに高齢である。技の衰えを正義への残忍さで埋め、力の衰えを己の信奉者を使って埋める。ジョセスは己の傍らで戦う者達を叱咤激励し、聖なる力を授けることで信奉者の戦闘力を引き出す。ジョセスとともにあれば、あらゆる疑いはどこかに行ってしまい、良心の呵責は悪を粉砕するという揺るぎない献身によって消え去ってしまう。
ジョセスのロールプレイ
ジョセスは常軌を逸している。己の信心が合理的な思考を妨げており、何事もその場その場で閃いたことに基づいて決めている。彼が正義や秩序について語るとき、何を言い出すかわからないところがあるため、彼以外の人間すべてにはっきりわかっていることでも、妙な結論を導き出す。ジョセスが自らの非を認めることはない。一つの穢れた魂を葬るため千の無垢な魂が失われたとして、その犠牲は尊くはあるが正当化できるものなのだ。
ジョセスの戦術
戦いはジョセスの怒りを呼び覚ます。この指揮官は最も近い敵に突撃し、我に続けと味方に促す。接敵したなら、ブリリアント・リビュークとオーダーズ・ヴァーチューで敵を自らの意図に沿うよう仕向け、場を支配する。そしてサファー・ナット・ジ・インフィディルで味方の攻撃を増やす。
サラヴァール・ダグ
「命令に従ったまでさ」
サラヴァール・ダグはジョセス・クラウンブレイドの最も信任厚き追従者の一人だ。ジョセスが倒れるようなことがあれば、彼がその遺志を引き継ぐことになるだろう。
巨体のハーフオークの男で、髪は短いブロンド、平たい顔に冷たく光るブルーの双眸という特徴のこの騎士は、輝く板金鎧と空色の外套を纏い、波型刃のバスタード・ソードを帯びている。
サラヴァールに関する知識
<事情通> 難易度20
サラヴァール・ダグは3人目のジョセスの後継者候補だ。前の2人が戦いで失われため、クラウンブレイドは機知や創意によってではなく、強さと任務遂行の意志でダグを選んでいる。サラヴァールは一介の戦士として優秀だ。彼はいかなる不快な任務であっても、命令された通り従順に実行する。
サラヴァールを使う
サラヴァールは宗教には全く無知で、どんな宗教的な事柄も道徳の失墜だと密かに思っている。彼は指揮官としては無能だが、部下は彼にそう見なされることを恐れているため、持てる力を振り絞って戦う。
サラヴァールのロールプレイ
サラヴァールは使える僕ではあるが、自分自身というものが欠如している。彼には信仰心というものが全くなく、考え方は完全に俗世のものだ。彼は宗教的な議論には加わらない。そしてとかく物事を白か黒で判断するため、いかなる灰色もいっしょくたに堕落と断ずる。命令には極端なまでに従順で、疑うということをしない。白金の鍵爪をまとめるには不足な男だが、そのあたりこそジョセスが欲するところなのかもしれない。
サラヴァールの戦術
サラヴァールの戦い方は猪だ。支援なしで敵の最も集まるところに突撃をかます。囲まれたら囲まれたでキリング・アークを使って敵を分断する。狡猾さや駆け引きなど、サラヴァールには無縁のもの。
白金の鍵爪団を使う
白金の鍵爪団は伝説級で使うのが最適だ。英雄級の終わりに差しかかった冒険者たちにとって、鍵爪団はやがて訪れるステップアップの手助けやお世話をしてくれる存在になりうる。そして鍵爪団の化けの鱗がはがれ、過度の暴力によって自らの手を無垢の血で染める真実が明らかになる。彼らは僕に狂信的な奉仕を求め、絶対服従以外を許さない。
かつて仲間だったものは、最も危険な敵になりうる。キャラクターは共通の敵のみならず、白金の鍵爪団の暴走にも気をつけなくてはならない。
共通の目的(伝説級序盤)
冒険者たちは規模の大きく勢い盛んな街に辿り着く。そこでティアマトのカルトの企みを知る。己が目的のため、その街を破滅させようと暗躍しているようだ。あらゆる試みは愚かな役人どもの妨害に阻まれ、冒険者たちは悪を突き止めるすべを失ったかに見えた。幸運にも、そこで白金の鍵爪団と出会う。彼らの助けもあって、冒険者たちはティアマトの隠れ寺院を発見してカルトを壊滅させ、教団の目的をくじいて街を救うことができた。報酬の一部として、鍵爪団は英雄たちを組織の一員として迎え、ティアマト打倒のための頼もしい味方となる用意があることを示す。
メッキがはがれたプラチナ(伝説級中盤)
鍵爪団に加わろうと加わるまいと、この組織の聖なる目的とやらによって、組織の欠陥やひび割れ、腐敗が見えてくる。その堅すぎる決意が、冒険者達に鍵爪団がどこかおかしい組織であると感じさせるようになる。遠くの村が鍵爪団によって焼き払われたといううわさを聞くかもしれないし、一般人が鍵爪団の悪口を言っているのを小耳にはさむかもしれない。黒い噂はやがて拷問、聖戦という名の強奪、そして殺しにまで及ぶ。鍵爪団は冒険者たちが問い詰めてくることなど先刻承知であり、うまくいなして疑念を晴らそうとする。団の人間が再び依頼をするが、ふたを開けてみれば無属性の英雄ですらも見て見ぬふりをできないような所業であった。とうとう、鍵爪団はキャラクターたちを背教者であると断じて葬ろうとする。
汝邪悪なり(伝説級終盤)
白金の鍵爪団と敵対すると、冒険者たちはそのエージェントに悩まされる。英雄たちがどのような善行をしようと、彼らの行いは鍵爪団によって妨害されたり、得られるはずの名誉を無にされたりする。冒険者たちが妨害活動にうんざりしたところで、鍵爪団が現れ、より良い目的のために尽くす最後のチャンスを与えよう、拒否すれば滅ぼすと引導を渡しに来る。そしてジョセス・クラウンブレイドとの決着の時だ。彼らの本拠地に乗り込んで対峙し、この狂人の支配を止めるため、盲信者と天使、そして欺かれたまま使われている使用人と戦うことになるだろう。首尾よく勝ったなら、団の未来は君の手の中にある。立て直しを図るなら、旧弊を改めるのに苦労することになるだろう。あるいは解団してしまう手もある。だが、これによって神話級での新たな敵ができるかもしれない。
コメント
まだ、出来るかどうかはわかりませんが、もし一緒になったときはよろしくお願いしますね~。
追記
以前ミニチュアがほしいという話をされていましたが、
わたしも最近になって結構な数のミニチュアを揃えました。
もしほしいのがあればトレードしませんかー。
主にメインで持っているのはロードオブマッドネスとダンジョンデルブスの
ミニチュアです。
心から一緒にやれればと思います。
トレードいいですね。
今回のセッションで使いたいやつがいくつかあります。
ちょっとここでは書けませんので、ある程度まとまったらメールします。
残念。くそー、なんでこういっつもくじ運が悪いんだ!
そのうち資料等を送りますので、良かったら読んでやってください。
英語可の卓で大変そうですけど、がんばってください!