キャラクター・テーマ:自然と伝承の英雄達 その2
2012年2月17日 ゲーム(1から続く)
アニマル・マスター
野生の動物と仲良くなったり訓練したりする不思議な力に恵まれたためか、アニマル・マスターは人間よりも動物といる時の方が安らぐ。人間の仲間に恵まれないなら動物を旅の道連れにするのもあり得る話だが、アニマル・マスターは単なるペット・コレクターなどではなく、動物の仲間と本物の仲間関係を築き上げ、訓練して操る専門家だ。動物はヒューマンや文明化された種族が失った危険を感知する力を持っており、よく訓練されたパートナーとして協働することで、アニマル・マスターはその感覚と能力の恩恵にあずかることができる。
戦闘の相棒として大型で獰猛な動物と一緒にいる者もいるが、大部分のアニマル・マスターはごく一般的に飼いならせる動物を訓練する。こうした動物は人間に対して親しみやすいか辛抱強く、厳密な意味で野生の動物よりも複雑な技や動作を学ぶ能力がある。パンサー(豹)、ベア、ウルフや他の肉食動物を使って敵をバラバラにしたいなら、危険な獣を戦闘で手助けできるパワーを修得できるドルイドやレンジャーをおすすめする。
アニマル・マスターを作る
アニマル・マスターとなる者はどんなクラスでもありうる。ファイター、パラディンその他戦士系は、忠実な動物の鋭い感覚が待ち伏せを回避や夜警に役立つことを分かっている。他はもうちょっと俗っぽい使い方をする者もおり、ローグの中には、小さく賢い動物を使えるコソ泥やスリに仕立ててしまう。もっとも、一番よくあるのはレンジャーのアニマル・マスターだろう。一匹狼であることが多い彼らは、危険な動物でないならあらゆる生き物を友達にしてしまう術を身につけている。
開始時特徴
アニマル・マスターとなることで得られる、目に見えない恩恵は君がどんな動物とも関係を持ち、それを維持していく能力だろう。目に見える恩恵は君の周りで見えるものだ。君はよく訓練された動物の手下を操る主であり、忠実な連れや仲間は己の能力を君に役立ててくれる。
君の動物の手下だが、それ自体で使える戦闘要員というわけではない。だが、君は突然手下を敵の顔めがけて襲わせたり、踵に噛みつかせたりして不意打ちさせることで迫りくる相手を邪魔することができるうえ、奇襲攻撃した後その場でぐずぐずしていない限りは安全に退かせられる。
利益:以下に記されているキャット・ドッグ・ホーク・モンキー・レイヴンの5つから1つを選ぶこと。選んだものが君の動物の手下になる。このクリーチャーは生きている限り君に同行する。この動物は通常とれるアクションを持たないが、君が移動アクションを取ったとき、これも取ることができる。この動物がパワーを持っている場合、それを使えるのは君のターンの間だけである。(DMの同意がある場合、君は上記の動物の代わりのものを使い、また変更を加えてよい。たとえば、カワウソなら登攀と跳躍の代わりに、水泳する際の技能判定でボーナスが付くだろうし、アナグマは大きさや能力などが小型犬のそれにとても近いだろう。)
それに加えて、君はディストラクティング・アタックのパワーを得る。
ディストラクティング・アタック
Distracting Attack/搦手 アニマル・マスター/攻撃
君の命令のもと、動物の友達は敵めがけて噛みついたり、引っかいたり、突っついたりする。
[遭遇毎]◆[武勇]
マイナー・アクション 近接爆発5
必要条件:君の動物の手下が君から5マス以内にいなければならない。
目標:爆発内の敵1体
効果:使用者は自身のターン終了時まで、目標に対して戦術的優位を得る。
(訳注:2011年6月のアップデートにより、動物の手下を倒しても経験点は得られない旨明記されました。また防御値もACは14+マスターのレベル、頑健・反応・意思は13+マスターのレベル(ドッグの反応のみ10+マスターのレベル)になります。また、取り替えにかかる期間も「現在の冒険の修了時から一か月後のいずれか早い方」から「現在の冒険の終了時か一週間後のいずれか早い方」になりました。)
キャット
静かで機敏なキャットは気づかれず潜入するのにうってつけだ。君のキャットは飼い猫でも、小さな野良猫でも、ボブキャット(アカオオヤマネコ)でもリンクス(オオヤマネコ)でもなんでもいい。
キャット レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+6
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+1 夜目
移動速度7
特徴
キャッツ・ステルス/猫の忍び足
キャットから10マス以内にいる間、そのマスターは移動速度の半分まで(2マス以上移動する際に受ける)-5の<隠密>ペナルティを被ることなく移動できる。
技能:<運動>+2、<隠密>+9
【筋】4(-3)【敏】19(+4)【判】12(+1)
【耐】11(+0)【知】2(-4)【魅】11(+0)
属性:無属性 言語:—
ドッグ
ドッグの血統は多岐にわたる。君のそれはおおよそ25ポンドから50ポンドの範囲の雑種犬でもいいし、ジャッカル・フォックス・コヨーテあるいは野生の犬でもいい。痕跡を辿らせるのに使うならドッグだろう。
ドッグ レベル1 雑魚 遊撃役
小型・自然・野獣 XP 25
HP1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+4
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応10+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+7
移動速度7
特徴
オン・ザ・トラック/いざ追跡
ドッグから10マス以内にいる間、そのマスターは足跡の発見や追跡のための<知覚>判定に+4のボーナスを得る。
技能:<知覚>+7
【筋】8(-1)【敏】15(+2)【判】14(+2)
【耐】13(+1)【知】2(-4)【魅】11(+0)
属性:無属性 言語:—
ホーク
素早く、鋭い目、鋭い爪を持ったホークは最高の斥候になる。
ホークレベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。
イニシアチブ+5 AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚:<知覚>+6 暗視
移動速度4 飛行7
特徴
ホークス・アイ/鷹の目
ホークから10マス以内にいる間、そのマスターはクリーチャーを視認するための<知覚>判定に+4のボーナスを得る。
技能:<知覚>+6
【筋】4(-3)【敏】17(+3)【判】12(+1)
【耐】11(+0)【知】2(-4)【魅】9(-1)
属性:無属性 言語:—
モンキー
ここでのモンキーは10ポンド以下の、カプチン、マーモセット、ミドリザルのような小さな猿を指す。登ることならお茶の子さいさいのモンキーだが、物を操作することもそつなくこなす。
モンキー レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+5
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+0
速度6、登攀6
特徴
ニンブル・フィンガーズ/敏捷な指先
モンキーから10マス以内にいる間、そのマスターは標準アクションを消費することで、モンキーにフリー・アクションとしてすりのための<盗賊>判定をさせられる。この判定にはマスターの<盗賊>修正値に+2のボーナスを得て行う。
技能<運動>+8
【筋】5(-3)【敏】17(+3)【判】10(+0)
【耐】12(+1)【知】4(-3)【魅】13(+1)
属性:無属性 言語:—
レイヴン
高い知能を持った鳥であるレイヴンは、オウムと同様に人間の言葉に似た声を発して会話ができる。連中はまた泥棒として悪名高く、小さな光り物をかっさらうことなら折り紙つきだ。
レイヴン レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+6
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+4
移動速度4、飛行8
特徴
スナッチ・アンド・スクート/掴んでおさらば
レイヴンから10マス以内にいる間、そのマスターは標準アクションを消費することで、レイヴンにフリー・アクションとして手先の早業のための<盗賊>判定をさせられる。この判定にはマスターの<盗賊>修正値に+2のボーナスを得て行う。
技能<隠密>+9
【筋】3(-4)【敏】19(+4)【判】15(+2)
【耐】10(+0)【知】3(-4)【魅】10(+0)
属性:無属性 言語:—
(訳注 ルールズ・コンペンディウム136ページ<隠密>、147ページ<知覚>、151ページ<盗賊>参照。判定のペナルティを緩和するキャットを除き、どれも使い方の一つにボーナスを与える形になっています。)
戦闘での動物の手下
戦闘中、君の動物の手下はふつう火の粉が降りかからないような所にいて待っているが、君はディストラクティング・アタックを使って自分を助けるよう指示することもできる。君は動物の手下を敵に嫌がらせ目的で使わないなら、君の動物はどこか安全なところにいて敵の注意を引いたりしないとみなせるだろう。現れるや一発かまして素早く戦闘から逃れるため、ディストラクティング・アタックをしても、君の動物に対して何かされることは普通ない。
DMの裁定によっては、君の動物の手下は自立行動をとることができる。たとえば、君が身動き取れなくなったとき、手下が君のもとに駆けつけて助けてくれるかもしれない。
動物の手下を取り換える
君の動物の手下が殺された場合、5レベルになるまでは、現在の冒険の終了時か一週間後のいずれか早い方でその後釜を見つけることができる。(レベル5時点での特徴も参照)
(2011年6月のエラッタにより、一か月後から一週間後に変更)
テーマ追加特徴
レベル5での特徴
ちょっとの食べ物と1~2時間の慎重な努力で、君は自分の周りにいる動物を新しい友達にすることができる。ほとんどの人間が動物に芸を仕込むのに数週間、時に数か月かかるところをわずか数時間でやってのける。
利益:君は大休憩の終了時に新しい動物の手下を見つけて訓練することができるようになる。周りに適したクリーチャーがいない場合、適当な場所に移るまで待たなくてはならない。君が持てる手下が一度に1体までなのは変わらない。
レベル10での特徴
君は動物とうまくやっていく術を身に付けた。君はどのタイミングで近づき、いつ膝を曲げたり手を伸ばしたりして餌付けし、またいつ猛獣から十分な距離を取るために退けばよいか知っている。
利益:君は(自然・野獣)のキーワードを持っているクリーチャーに対して、<はったり>、<交渉>、<看破>、<威圧>判定に+2のボーナスを得る。
選択パワー
君と君の忠実なペットは超常とも呼べるほどの絆を得て、君は自分の望みを伝えることができ、そして君に対して見返りに何を欲しがっているかをわかっている。
レベル2 汎用パワー
君の動物の手下が普段するような仕草をしていないのは、君が止めさせているからだ。たとえば、君は猫に倒れた仲間の所にポーションを運ばせ、歯で留金を外すよう命じることができるし、犬に飛び上がってレバーをくわえ、そのまま引かせるよう指図できる。
タイムリー・トリック
Timely Trick/見計らった動き アニマル・マスター 汎用2
君は動物の手下に特務を命じる。
[無限回]◆[原始]
標準アクション・近接爆発10
目標:爆発の範囲内にいる使用者の動物の手下
効果:使用者の動物の手下は、使用者が指示するように移動アクションと標準アクションを行う。(DMの許可を得たうえで)物理的に可能な範囲内でどんなアクションも行える。
レベル6 汎用パワー
君の動物の手下にとって近接戦闘は最高の見せ所というわけではないだろうが、時として時間稼ぎができるかどうかに君の命がかかることもある。勇敢なる君の友達は戦場の端から矢のごとく飛び、そばに来て側面を突こうとする敵を阻む。
ガード・マイ・バック
Guard My Back/背中は預けた アニマル・マスター 汎用6
君の動物が君の背中を護るべく戦場に飛び込んでくる。
[遭遇毎]◆[原始]
即応・対応 使用者
トリガー:敵が使用者を挟撃する位置に移動し、かつ使用者の動物の手下が使用者に接している。
効果:使用者の次のターン終了時まで、使用者はすべての防御値に+2のパワー・ボーナスを得て、すべての敵は挟撃することにでは使用者に対して戦術的優位を得られない。
レベル10 汎用パワー
君の動物の手下に対し最大限の集中力を向けることで、君は一時的に魂の絆を結ぶ。君のペットが行くところは君も行くところ。その目を通して君は物を見て、君の行ってほしいところに向かわせる。
シェアード・サイト
Shared Sight/視界共有 アニマル・マスター 汎用10
君は動物の手下を通して物を見る。
[遭遇毎]◆[原始]
標準アクション 遠隔 1マイル
効果:使用者の動物の手下は、使用者が指示するように移動アクションと標準アクションを行うことができ、使用者の次のターン終了時まで手下と感覚を共有できる。使用者はこのパワーの使用や維持をするために、動物の手下が視界に入っていたり効果線が通っていたりする必要はない。
維持・標準:使用者と動物の手下は使用者の次のターン終了時まで感覚を共有し、移動アクションと標準アクションを行うことができる。
オーダー・アデプト
生まれつき偉大なウィザードなどいない。皆鍛えられてこそのものだ。生来の能力や才覚など、秘術の技を究める序の口でしか求められないのだから。真に秘術を自分のものにするために必要なのは、己の献身と自律、精力的な訓練、それに古代の魔術書やぼろぼろになった巻物で溢れかえった図書館だ。ほとんどの場合、ごく普通の組織や慣行をウィザードや他の秘術使いが牛耳ったという話は聞かない。魔法使いは自分が必要とされているときに来て、存分に力や技を揮うものだ。だが場所によっては、魔法を独学している半端者を捨て置くにはあまりにもったいない、あるいは危険すぎるということもある。こうした所では、魔法は特殊な組織やギルド、社会、同胞団体、そして使用を自分たちの支配下に置こうとして、外部から油断なく守る秘密結社によって教えられている。
秘術の組織は様々な理由でできあがる。あるものは秘術の伝統を守り、この道における新米の術者を導くため。またあるものは価値ある使命(たまにそれほど価値はない使命)に尽力するため。たとえば、オーダー・オヴ・ザ・ゴールデン・フレイムはサーナルの王位に仕えるための組織で、その参加者には王室直参の役人として幅広い権限が付与される。ルアザー・エラドニはデーモンの破壊にその身を捧げるエラドリンのウィザードで、メンバーは世界をあまねく旅し、どこに現れようともデーモンの侵略に対処する。エメラルド・オーブは、ウィザードこそが下等の定命を統べるべきと信じる厄介者の秘密結社で、主要な支配者に対して影響力を増そうとしたり、見える形で魔法の有無を元にしたカースト制度を確立しようと画策したりしている。ある組織は大きなもので、公式に階層がありその構成員は上位の者に従うことになっている。またある組織は小さな内々のもので、仲間同士上も下もない。
アーケイン・オーダーは公然と活動するものもあれば、裏社会として存在するものもある。たとえば、ゴールデン・フレイムのウィザードは豪華な刺繍の入った黄色の外套を纏い、ルアザー・エラドニのメンバーは銀の星形のブローチや留め金を身に付ける。他のアーケイン・オーダーには、刺青に特徴的な髪形や身なり、特定の意匠をあしらった装具を帯びたものもある。秘密のオーダーであればもちろん外見上の特徴は排するだろうが、よくグループに所属する他の者に自分を証明するべく秘密のサインを忍ばせている。シャツの下にかけたペンダント、何気なく見るものにはよくわからない指輪、ローブの内側に隠されたマークがそれかもしれない。
オーダー・アデプトを作る
当然の話だが、ほとんどのアデプトはウィザードかウォーロックだ。一つのオーダーに両者がいることは稀だが、どちらにも言えるのは、こうした組織というものは伝統的に彼らの密やかな社会の中で価値観を分かち合える人間を集めている。それに加え、多くのオーダーは秘術に関する彼らの研究を補うような他の能力を持った人材も加わる。魔法の神に身を捧げるクレリックや戦闘魔術師の一団が、剣と鎧を纏ったファイターを探しているという設定は、そうした人物がアーケイン・オーダーに所属する最高のきっかけとなるだろう。ときたま他のクラスの者が、研究に挫折するまでウィザードとしての野心に燃えていたということもあるだろう。そうした人間は残りの人生の間、若い頃の研究に関する記憶(あるいはそれは若さゆえの過ちというものかもしれない)を抱きつつ、背を向ける、もしくは追い出されるまでに学んだ、わずかばかりの魔法の有用さを噛みしめる。
開始時特徴
秘術の同胞団やウィザードのオーダーは、それぞれの団独自の技がある。君のオーダーのそれは、炎の弾丸をあたり一帯に降らせる呪文だ。
利益:君はアージェント・レインのパワーを得る。
アージェント・レイン
Argent Rain/銀の雨 オーダー・アデプト 攻撃
君は青白い溶けた金属の雨を召喚し、君の敵と敢えてその中に足を踏み入れるすべてのクリーチャーに浴びせる。
[遭遇毎]◆[秘術]、[火]、[装具]、[区域]
標準アクション・遠隔爆発1 10マス以内
目標:爆発の範囲内のクリーチャーすべて
攻撃:【最も高い能力修正値】対“反応”
ヒット: 1d10 + 【最も高い能力修正値】 [火]ダメージ。
効果:爆発の範囲内は使用者の次のターン終了時まで持続する区域となる。この区域内に進入するか、区域内でターンを終了したすべてのクリーチャーは5点の[火]ダメージを受ける。この方法でクリーチャーがダメージを受けるのは1ターンに1回までである。
レベル11: 10点の[火]ダメージ。
レベル21: 15点の[火]ダメージ。
テーマ追加特徴
レベル5 特徴
もはや見習いとは言えなくなり、正式な意味でオーダーの一員となった。君は所属するオーダーの主要な秘術の教義を学ぶようになる。
正式なメンバーには特定の色のローブ、大きくて目立つタトゥー、独特のヘアースタイルやあごひげのような、特別な紋章や服、あるいは印章をつけることが許される。君の紋章やそれとわかる印章は、どのようなものであれ多くの国で広く知られている。味方も敵も、君の第一印象は君の仕えるオーダーに基づいたものになるだろう。
利益:君は<魔法学>判定に+2のボーナスを得る。君が呪文書を使用するクラスである場合、(呪文書に)2レベルのウィザードの汎用パワーを1つ追加する。君が呪文書を使用しないクラスの場合、汎用パワーを得るか再訓練するとき、2レベルのウィザードの汎用パワーを選択することができる。
(訳注:原文ではこの特徴によって、レベルアップ・再訓練を重ねると複数のウィザードの汎用パワーを選択できるようにも読めますが、キャラクター・ビルダーの表記では2レベルパワー1つだけです。)
レベル10特徴
君はオーダー内で賢人、歴戦のマスターとして信を置かれる地位に登りつめた。マスターとして、君はオーダーに関して発言権を持ち、オーダーは君に対して最大限の便宜を図る。君はオーダーを危うくするような立場の決定や契約の締結について慎重さを求められるが、難しい決断が求められる時でもオーダーは君を信頼している。
多くの秘術のオーダーは階級制を採っており、年功を経て地位を得た者は組織の中にオフィスを構えている。上位のマスターは下位のメンバーにミッションを命じ、その活動を評価する。オフィスを持つということはオーダー内の活動について大きな影響力を持つとはいえ、時間と献身が求められる。多くのマスターはそうした責任から逃れ、私事で忙しくする方を好む。いずれにしろ、オーダーの指導者としての立場を引き受けるか、身軽なままでいるかは君次第だ。
自分の組織の影響力と責任を増すのに加え、君は秘術の技をさらに磨いていく。戦闘で魔法を使うことによって得た君の知識と経験は、魔法での戦いに際して恐るべき切り札となる。君の精神を攻撃してくるような呪文に対し、避けたり効果を最小限にしたりしてくれるのだ。
利益:君は意志防御値に+1のパワー・ボーナスを得る。君の<魔法学>に対するボーナスは+4に増加する。
(訳注:2011年6月のエラッタにより、意思防御値は+2のボーナスから+1のパワー・ボーナスに変更)
テーマ選択特徴
アーケイン・オーダーはふつう若い見習いに魔法の理論と儀式に関して徹底的な訓練を施す。君は他の呪文の影響を修正する、いわゆる「呪文修正呪文」をいくつか知っている。呪文修正呪文があれば、君は魔法の効果の持続時間を延長できるし、とても離れた距離にいる目標を攻撃できるし、欲しいタイミングで使用済の呪文を自分の精神に戻すことができる。
レベル2 汎用パワー
君は複数のパワーを同時に維持するのに役立つ呪文を詠唱する。もうちょっとの間不可視でいたり、魔法の力で飛ぶのを長くしたりすることが生と死を分けるかもしれない。
エクステンション
Extension/延長 オーダー・アデプト 汎用2
君は呪文の効果時間をほんの数秒間だけ延長させる。
[一日毎]◆[秘術]
フリー・アクション 使用者
効果:使用者は、維持するのにマイナー・アクションが必要なパワーを維持する。
特殊:このパワーは維持するのに移動アクションが必要なパワーに対してはマイナー・アクションとして使用できる。
レベル6 汎用パワー
君は遠隔呪文を飛躍的に伸ばす呪文修正呪文を修得した。どんな術者も超遠距離からの対処こそがベストな方法であるとわかっており、君もそのような状況において無力ではない。
ファー・リーチング
Far Reaching/遠当て オーダー・アデプト 汎用6
君は限界を超えて呪文の射程を延ばす。
[遭遇毎]◆[秘術]
フリー・アクション 使用者
トリガー:使用者が[秘術]の遠隔もしくは遠隔範囲攻撃パワーを使用する。
効果:使用者はトリガーを引いたパワーの射程を倍にする。たとえば、遠隔5のパワーは遠隔10のパワーになり、“遠隔爆発2・10マス以内”は“遠隔爆発2・20マス以内”になる。爆発のマス数に変更はない。
レベル10 汎用パワー
この強力な呪文は君の消費した呪文を補充する能力を持ち、各戦闘で1回しか
使えないはずの呪文を2回使えるようになる。ニーモニック・エンハンサーがあれば、君はさっき唱えたばかりの呪文を使ってしまったことを後悔するんじゃないかという心配からおさらばできる。
ニーモニック・エンハンサー
Mnemonic Enhancer/記憶力増強術 オーダー・アデプト 汎用10
君はこの戦いで既に使用した呪文を精神に呼び戻す。
[一日毎]◆[秘術]
マイナー・アクション 使用者
必要条件:使用者は[秘術]の遭遇毎攻撃パワーをすべて使用済でなくてはならない。
効果:使用者はレベルが最も低い[秘術]の遭遇毎攻撃パワーの使用回数を回復する。
ウィザーズ・アプレンティス
弟子というものはどんな生業にもあるものだが、最も有名、また悪名高いのはウィザーズ・アプレンティスをおいて他はない。間抜けな弟子が禁忌の書を覗き見し、危険な魔法を面白そうなおもちゃ同然に扱ったため、恋の魔法で大惨事になったり、変成術でやらかしたりする物語もあれば、賢い弟子が師匠の留守中に呪文を使いこなして村を救ったり、探求に赴いて日ごろの訓練を役立てたりした伝承もある。当人が軽率だろうが臨機応変だろうが、ウィザーズ・アプレンティスにとって、なくてはならない重要なことがある。経験を積んだ師匠による個人授業と指導だ。
魔法を学べるという特権の代わりに、普通ウィザーズ・アプレンティスはマスターが俗事と見なすような骨折り仕事や雑用をする年季奉公に何年間か従事する。典型的なヒューマンのウィザーズ・アプレンティスは11か12の頃に研究を始め、5~6年の間マスターの家に住み込む。経験を積んだ術者は様々な理由で弟子をとる。秘術の技に対する哲学を共有するため、見込みのある生徒をものにし、教えた対価として働かせるため、また貴族の子弟の教師になって稼ぐため。驚くべきことに、もっとも孤独好きや疑い深い部類の者達、そして悪の者ですら術者は弟子を取る。弟子の指導は自身の責務であると考える者、若くて才能のある魔術師をゆくゆくは仲間(ないし手下に)というつもりの者、己の企てを横から見ている存在を欲しがる者、さまざまだ。悪であるマスターはよく冷酷であったり搾取的だったりするが、自分の弟子を虐待して喜ぶのは最も愚かな部類の者だけだ。まわりまわって、自分から憎まれるように仕向けた相手と秘密の力を共有するのは頭が良いとは言えない。
冒険に出たウィザーズ・アプレンティスは、大なり小なり修業を終えた青年だろう。もう師匠の家に住み込みではないし、講義の合間に床掃除やポット磨きをしなくてもいい。そのような人物が時期を得て師匠から一人立ちできたなら、その弟子は重要な時に援助してくれる著名なパトロンの一人でも得ている頃だろう。ウィザーズ・アプレンティスの多くは生涯を通じて自らのマスターへの忠誠心を持ち続ける。自分の業績が師のそれを凌ぐようになったとしてもそれは変わらない。
とりわけ強力、または高名な師匠についた弟子は、代理人や協力者として仕えることもあり、そうした弟子は自らのことを名誉ある伝統の選ばれた守護者と考える。古のウィザードやソーサラーにさかのぼり、多くの有名な魔法使いは師匠から弟子へとその関係を受け継いできたのだ。
ウィザーズ・アプレンティスを作る
ほとんどのアプレンティスは術者であるウォーロックかウィザードだ。伝統的にどちらのクラスも知識の伝承を一度に魔術の技を究める能力を持ち、また期待を裏切らないということを示せた選ばれた一人だけに限っている。
しかしながら、秘術の生徒候補生の多くは師匠と同じ道を辿らない。たとえば、ある若いろくでなしは街のソーサラーの講義と雑用に追いまわされ、長年に渡る奴隷同然の奉公に甘んじていたが、魔法の技が金になると知った途端マスターを放り出してローグの道を歩んだ者もいる。裕福な貴族は、将来別な方面を歩むとしても、魔法の基礎を身に付けさせようとして子供に教師をつける。つまり、冒険者になる前に、ほとんど誰もが魔法の勉強をする可能性があるということだろう。
テーマ開始時特徴
君は多くのウィザーズ・アプレンティスが最初に学ぶような便利な攻撃呪文を身に付けた。とあるウィザードの塔では、カラー・オーブが見習い組の荒っぽい「ゲーム」に向いた呪文として教えられる。
カラー・オーブ
Color Orb/彩色の球体 ウィザーズ・アプレンティス 攻撃
君は色の渦巻いて輝く球体を敵目がけて放ち、瞬間的に幻惑させる。
[遭遇毎]◆[秘術]、[装具]、[光輝]
標準アクション遠隔5
目標:クリーチャー1体
攻撃:【最も高い能力修正値】対“意志”
ヒット:1d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ、目標は使用者の次のターン終了時まで幻惑状態となる。
レベル11:2d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ。
レベル21:3d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ。
テーマ追加特徴
レベル5特徴
君の技と冒険での活躍は君のマスターの耳に届いた。もしマスターがこの世の人でないのなら、その友人や仲間に聞こえているだろう。君の働きを認め、君のマスター(ないし仲間)は君の助けになるようにと心尽くしの品を贈る。
利益:君は6レベル以下の装具、鎧、首スロットのいずれかであるコモンのアイテム1つを得る。
レベル10特徴
長きにわたる冒険を経て多くを学んだ君は、過去に写しておいた秘術の理論や謎めいた記述が今こそ理解できるようになった。要領を得なかった概念はもう明解で、謎かけの意味や馬鹿げているように思われた問題はとうとうはっきりした。
利益:君は<魔法学>に+3のパワー・ボーナスを得て、神界語以外の言語を一つ修得する。
(訳注:2011年6月のエラッタにより、<魔法学>は+2のボーナスから+3のパワー・ボーナスに変更)
選択パワー
若い弟子時代に綴った学習帳やノートには役に立つ可能性を秘めた呪文の概略が記されている。これらは君の師匠から個人指導を受けていた期間のものかもしれないし、思索に耽っている頃に閃いたものかもしれない。君の師匠は余計な研究をする弟子に仕事を増やしたり罰したりはしなかったかもしれないが、君は自分の研究ができるその日が来るまでひとまず置いておくことにした。
レベル2 汎用パワー
君はちょっとした姿くらましの呪文が非常に役に立つということを知っている。効き目は長くないが、敵に君がいなくなったと気づかれる前に、角を曲がったりドアを通り抜けたりできる。敵の隙を打つために使うというのも良い手だ。
ディスアピアー
Disappear/消失 ウィザーズ・アプレンティス 汎用2
君は瞬時に視界から失せる。
[一日毎]◆[秘術]、[幻]
マイナー・アクション 使用者
効果:使用者はターン終了時まで不可視状態になる。
レベル6 汎用パワー
囁くような言葉とただ一歩の優雅な跳躍によって、君は空に飛び上がる。君は長く空中に留まってはいられないものの、屋根に登ったり襲いかかる敵から逃れるにはこの上なく便利な方法だ。
ウイングド・ステップ
Winged Step/翼つきのステップ ウィザーズ・アプレンティス 汎用6
君は1度きりの短い跳躍の間、空で自分を支えられる半固体の翼を自分のかかとに作る。
[遭遇毎]◆[秘術]
移動アクション 使用者
効果:使用者は6マスまで飛行して(訳注:ダメージを受けることなく)着地する。この移動は機会攻撃を誘発しない。
レベル10 汎用パワー
君は小型で無害な動物へと姿を変える呪文を学んだ。この姿では満足に戦うことはできないが、自らの2本の足では行けないような所や、君であると気づかれずに敵を見張るには実によい手段だろう。そして、他の物に化けることこそウィザーズ・アプレンティスの楽しみなのだ。
マイナー・ポリモーフ
Minor Polymorph/小動物変化 ウィザーズ・アプレンティス 汎用10
君は小さく、無害な動物に変身する。この姿は戦闘で非常に有効というわけではないものの、逃げおおせるには役に立つかもしれない。
[一日毎]◆[秘術]、[変身]
標準アクション 使用者
効果:使用者は次のターン終了時まで、超小型の自然・野獣キーワードを持つ動物形態になる。この形態の間使用者は攻撃ができず、選んだ動物形態の感覚と移動モードを持つ。選んだ形態が[水棲]キーワードを持つ場合、この形態にある間使用者は[水棲]を持つ。使用者はマイナー・アクションを消費して元の形態に戻ることができる。使用者が飛行中に元の形態に戻った場合、使用者は落下ダメージを受けることなく地面に着陸する。使用者を見る者は難易度(15+使用者のレベルの半分(端数切捨て))の<看破>判定に成功すれば、使用者の動物形態を見抜くことができる。
維持・マイナー:使用者の動物形態は使用者の次のターン終了時まで持続する。
(訳注 「動物形態の感覚」は暗視、疑似視覚や振動感知など、「移動モード」は穴掘り・飛行などを指します。変身したクリーチャーに該当がある場合、前者は感覚の欄の隣に、後者は移動速度の欄の隣に記載されています。)
著者について
リチャード・ベイカーは次元界の書、Dark Sun® Campaign Guide(未訳)やGamma World®(未訳)を筆頭に多数のゲームやサプリメントを作成し、受賞経験がある。また、ニューヨーク・タイムズ紙でフォーゴットン・レルム関連のCondemnation, the Last Mythal trilogyやthe Blades of the Moonseaシリーズを紹介されたベストセラー作家でもある。リッチは現在ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト社でダンジョンズ&ドラゴンズの制作部門の編集長を務めている。
アニマル・マスター
野生の動物と仲良くなったり訓練したりする不思議な力に恵まれたためか、アニマル・マスターは人間よりも動物といる時の方が安らぐ。人間の仲間に恵まれないなら動物を旅の道連れにするのもあり得る話だが、アニマル・マスターは単なるペット・コレクターなどではなく、動物の仲間と本物の仲間関係を築き上げ、訓練して操る専門家だ。動物はヒューマンや文明化された種族が失った危険を感知する力を持っており、よく訓練されたパートナーとして協働することで、アニマル・マスターはその感覚と能力の恩恵にあずかることができる。
戦闘の相棒として大型で獰猛な動物と一緒にいる者もいるが、大部分のアニマル・マスターはごく一般的に飼いならせる動物を訓練する。こうした動物は人間に対して親しみやすいか辛抱強く、厳密な意味で野生の動物よりも複雑な技や動作を学ぶ能力がある。パンサー(豹)、ベア、ウルフや他の肉食動物を使って敵をバラバラにしたいなら、危険な獣を戦闘で手助けできるパワーを修得できるドルイドやレンジャーをおすすめする。
アニマル・マスターを作る
アニマル・マスターとなる者はどんなクラスでもありうる。ファイター、パラディンその他戦士系は、忠実な動物の鋭い感覚が待ち伏せを回避や夜警に役立つことを分かっている。他はもうちょっと俗っぽい使い方をする者もおり、ローグの中には、小さく賢い動物を使えるコソ泥やスリに仕立ててしまう。もっとも、一番よくあるのはレンジャーのアニマル・マスターだろう。一匹狼であることが多い彼らは、危険な動物でないならあらゆる生き物を友達にしてしまう術を身につけている。
開始時特徴
アニマル・マスターとなることで得られる、目に見えない恩恵は君がどんな動物とも関係を持ち、それを維持していく能力だろう。目に見える恩恵は君の周りで見えるものだ。君はよく訓練された動物の手下を操る主であり、忠実な連れや仲間は己の能力を君に役立ててくれる。
君の動物の手下だが、それ自体で使える戦闘要員というわけではない。だが、君は突然手下を敵の顔めがけて襲わせたり、踵に噛みつかせたりして不意打ちさせることで迫りくる相手を邪魔することができるうえ、奇襲攻撃した後その場でぐずぐずしていない限りは安全に退かせられる。
利益:以下に記されているキャット・ドッグ・ホーク・モンキー・レイヴンの5つから1つを選ぶこと。選んだものが君の動物の手下になる。このクリーチャーは生きている限り君に同行する。この動物は通常とれるアクションを持たないが、君が移動アクションを取ったとき、これも取ることができる。この動物がパワーを持っている場合、それを使えるのは君のターンの間だけである。(DMの同意がある場合、君は上記の動物の代わりのものを使い、また変更を加えてよい。たとえば、カワウソなら登攀と跳躍の代わりに、水泳する際の技能判定でボーナスが付くだろうし、アナグマは大きさや能力などが小型犬のそれにとても近いだろう。)
それに加えて、君はディストラクティング・アタックのパワーを得る。
ディストラクティング・アタック
Distracting Attack/搦手 アニマル・マスター/攻撃
君の命令のもと、動物の友達は敵めがけて噛みついたり、引っかいたり、突っついたりする。
[遭遇毎]◆[武勇]
マイナー・アクション 近接爆発5
必要条件:君の動物の手下が君から5マス以内にいなければならない。
目標:爆発内の敵1体
効果:使用者は自身のターン終了時まで、目標に対して戦術的優位を得る。
(訳注:2011年6月のアップデートにより、動物の手下を倒しても経験点は得られない旨明記されました。また防御値もACは14+マスターのレベル、頑健・反応・意思は13+マスターのレベル(ドッグの反応のみ10+マスターのレベル)になります。また、取り替えにかかる期間も「現在の冒険の修了時から一か月後のいずれか早い方」から「現在の冒険の終了時か一週間後のいずれか早い方」になりました。)
キャット
静かで機敏なキャットは気づかれず潜入するのにうってつけだ。君のキャットは飼い猫でも、小さな野良猫でも、ボブキャット(アカオオヤマネコ)でもリンクス(オオヤマネコ)でもなんでもいい。
キャット レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+6
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+1 夜目
移動速度7
特徴
キャッツ・ステルス/猫の忍び足
キャットから10マス以内にいる間、そのマスターは移動速度の半分まで(2マス以上移動する際に受ける)-5の<隠密>ペナルティを被ることなく移動できる。
技能:<運動>+2、<隠密>+9
【筋】4(-3)【敏】19(+4)【判】12(+1)
【耐】11(+0)【知】2(-4)【魅】11(+0)
属性:無属性 言語:—
ドッグ
ドッグの血統は多岐にわたる。君のそれはおおよそ25ポンドから50ポンドの範囲の雑種犬でもいいし、ジャッカル・フォックス・コヨーテあるいは野生の犬でもいい。痕跡を辿らせるのに使うならドッグだろう。
ドッグ レベル1 雑魚 遊撃役
小型・自然・野獣 XP 25
HP1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+4
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応10+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+7
移動速度7
特徴
オン・ザ・トラック/いざ追跡
ドッグから10マス以内にいる間、そのマスターは足跡の発見や追跡のための<知覚>判定に+4のボーナスを得る。
技能:<知覚>+7
【筋】8(-1)【敏】15(+2)【判】14(+2)
【耐】13(+1)【知】2(-4)【魅】11(+0)
属性:無属性 言語:—
ホーク
素早く、鋭い目、鋭い爪を持ったホークは最高の斥候になる。
ホークレベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。
イニシアチブ+5 AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚:<知覚>+6 暗視
移動速度4 飛行7
特徴
ホークス・アイ/鷹の目
ホークから10マス以内にいる間、そのマスターはクリーチャーを視認するための<知覚>判定に+4のボーナスを得る。
技能:<知覚>+6
【筋】4(-3)【敏】17(+3)【判】12(+1)
【耐】11(+0)【知】2(-4)【魅】9(-1)
属性:無属性 言語:—
モンキー
ここでのモンキーは10ポンド以下の、カプチン、マーモセット、ミドリザルのような小さな猿を指す。登ることならお茶の子さいさいのモンキーだが、物を操作することもそつなくこなす。
モンキー レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+5
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+0
速度6、登攀6
特徴
ニンブル・フィンガーズ/敏捷な指先
モンキーから10マス以内にいる間、そのマスターは標準アクションを消費することで、モンキーにフリー・アクションとしてすりのための<盗賊>判定をさせられる。この判定にはマスターの<盗賊>修正値に+2のボーナスを得て行う。
技能<運動>+8
【筋】5(-3)【敏】17(+3)【判】10(+0)
【耐】12(+1)【知】4(-3)【魅】13(+1)
属性:無属性 言語:—
レイヴン
高い知能を持った鳥であるレイヴンは、オウムと同様に人間の言葉に似た声を発して会話ができる。連中はまた泥棒として悪名高く、小さな光り物をかっさらうことなら折り紙つきだ。
レイヴン レベル1 雑魚 遊撃役
超小型 自然・野獣 XP 25
HP 1;ミスした攻撃は雑魚にダメージを与えない。イニシアチブ+6
AC 14+(マスターのレベル)、頑健13+(マスターのレベル)、反応13+(マスターのレベル)、意志13+(マスターのレベル)、 感覚<知覚>+4
移動速度4、飛行8
特徴
スナッチ・アンド・スクート/掴んでおさらば
レイヴンから10マス以内にいる間、そのマスターは標準アクションを消費することで、レイヴンにフリー・アクションとして手先の早業のための<盗賊>判定をさせられる。この判定にはマスターの<盗賊>修正値に+2のボーナスを得て行う。
技能<隠密>+9
【筋】3(-4)【敏】19(+4)【判】15(+2)
【耐】10(+0)【知】3(-4)【魅】10(+0)
属性:無属性 言語:—
(訳注 ルールズ・コンペンディウム136ページ<隠密>、147ページ<知覚>、151ページ<盗賊>参照。判定のペナルティを緩和するキャットを除き、どれも使い方の一つにボーナスを与える形になっています。)
戦闘での動物の手下
戦闘中、君の動物の手下はふつう火の粉が降りかからないような所にいて待っているが、君はディストラクティング・アタックを使って自分を助けるよう指示することもできる。君は動物の手下を敵に嫌がらせ目的で使わないなら、君の動物はどこか安全なところにいて敵の注意を引いたりしないとみなせるだろう。現れるや一発かまして素早く戦闘から逃れるため、ディストラクティング・アタックをしても、君の動物に対して何かされることは普通ない。
DMの裁定によっては、君の動物の手下は自立行動をとることができる。たとえば、君が身動き取れなくなったとき、手下が君のもとに駆けつけて助けてくれるかもしれない。
動物の手下を取り換える
君の動物の手下が殺された場合、5レベルになるまでは、現在の冒険の終了時か一週間後のいずれか早い方でその後釜を見つけることができる。(レベル5時点での特徴も参照)
(2011年6月のエラッタにより、一か月後から一週間後に変更)
テーマ追加特徴
レベル5での特徴
ちょっとの食べ物と1~2時間の慎重な努力で、君は自分の周りにいる動物を新しい友達にすることができる。ほとんどの人間が動物に芸を仕込むのに数週間、時に数か月かかるところをわずか数時間でやってのける。
利益:君は大休憩の終了時に新しい動物の手下を見つけて訓練することができるようになる。周りに適したクリーチャーがいない場合、適当な場所に移るまで待たなくてはならない。君が持てる手下が一度に1体までなのは変わらない。
レベル10での特徴
君は動物とうまくやっていく術を身に付けた。君はどのタイミングで近づき、いつ膝を曲げたり手を伸ばしたりして餌付けし、またいつ猛獣から十分な距離を取るために退けばよいか知っている。
利益:君は(自然・野獣)のキーワードを持っているクリーチャーに対して、<はったり>、<交渉>、<看破>、<威圧>判定に+2のボーナスを得る。
選択パワー
君と君の忠実なペットは超常とも呼べるほどの絆を得て、君は自分の望みを伝えることができ、そして君に対して見返りに何を欲しがっているかをわかっている。
レベル2 汎用パワー
君の動物の手下が普段するような仕草をしていないのは、君が止めさせているからだ。たとえば、君は猫に倒れた仲間の所にポーションを運ばせ、歯で留金を外すよう命じることができるし、犬に飛び上がってレバーをくわえ、そのまま引かせるよう指図できる。
タイムリー・トリック
Timely Trick/見計らった動き アニマル・マスター 汎用2
君は動物の手下に特務を命じる。
[無限回]◆[原始]
標準アクション・近接爆発10
目標:爆発の範囲内にいる使用者の動物の手下
効果:使用者の動物の手下は、使用者が指示するように移動アクションと標準アクションを行う。(DMの許可を得たうえで)物理的に可能な範囲内でどんなアクションも行える。
レベル6 汎用パワー
君の動物の手下にとって近接戦闘は最高の見せ所というわけではないだろうが、時として時間稼ぎができるかどうかに君の命がかかることもある。勇敢なる君の友達は戦場の端から矢のごとく飛び、そばに来て側面を突こうとする敵を阻む。
ガード・マイ・バック
Guard My Back/背中は預けた アニマル・マスター 汎用6
君の動物が君の背中を護るべく戦場に飛び込んでくる。
[遭遇毎]◆[原始]
即応・対応 使用者
トリガー:敵が使用者を挟撃する位置に移動し、かつ使用者の動物の手下が使用者に接している。
効果:使用者の次のターン終了時まで、使用者はすべての防御値に+2のパワー・ボーナスを得て、すべての敵は挟撃することにでは使用者に対して戦術的優位を得られない。
レベル10 汎用パワー
君の動物の手下に対し最大限の集中力を向けることで、君は一時的に魂の絆を結ぶ。君のペットが行くところは君も行くところ。その目を通して君は物を見て、君の行ってほしいところに向かわせる。
シェアード・サイト
Shared Sight/視界共有 アニマル・マスター 汎用10
君は動物の手下を通して物を見る。
[遭遇毎]◆[原始]
標準アクション 遠隔 1マイル
効果:使用者の動物の手下は、使用者が指示するように移動アクションと標準アクションを行うことができ、使用者の次のターン終了時まで手下と感覚を共有できる。使用者はこのパワーの使用や維持をするために、動物の手下が視界に入っていたり効果線が通っていたりする必要はない。
維持・標準:使用者と動物の手下は使用者の次のターン終了時まで感覚を共有し、移動アクションと標準アクションを行うことができる。
オーダー・アデプト
生まれつき偉大なウィザードなどいない。皆鍛えられてこそのものだ。生来の能力や才覚など、秘術の技を究める序の口でしか求められないのだから。真に秘術を自分のものにするために必要なのは、己の献身と自律、精力的な訓練、それに古代の魔術書やぼろぼろになった巻物で溢れかえった図書館だ。ほとんどの場合、ごく普通の組織や慣行をウィザードや他の秘術使いが牛耳ったという話は聞かない。魔法使いは自分が必要とされているときに来て、存分に力や技を揮うものだ。だが場所によっては、魔法を独学している半端者を捨て置くにはあまりにもったいない、あるいは危険すぎるということもある。こうした所では、魔法は特殊な組織やギルド、社会、同胞団体、そして使用を自分たちの支配下に置こうとして、外部から油断なく守る秘密結社によって教えられている。
秘術の組織は様々な理由でできあがる。あるものは秘術の伝統を守り、この道における新米の術者を導くため。またあるものは価値ある使命(たまにそれほど価値はない使命)に尽力するため。たとえば、オーダー・オヴ・ザ・ゴールデン・フレイムはサーナルの王位に仕えるための組織で、その参加者には王室直参の役人として幅広い権限が付与される。ルアザー・エラドニはデーモンの破壊にその身を捧げるエラドリンのウィザードで、メンバーは世界をあまねく旅し、どこに現れようともデーモンの侵略に対処する。エメラルド・オーブは、ウィザードこそが下等の定命を統べるべきと信じる厄介者の秘密結社で、主要な支配者に対して影響力を増そうとしたり、見える形で魔法の有無を元にしたカースト制度を確立しようと画策したりしている。ある組織は大きなもので、公式に階層がありその構成員は上位の者に従うことになっている。またある組織は小さな内々のもので、仲間同士上も下もない。
アーケイン・オーダーは公然と活動するものもあれば、裏社会として存在するものもある。たとえば、ゴールデン・フレイムのウィザードは豪華な刺繍の入った黄色の外套を纏い、ルアザー・エラドニのメンバーは銀の星形のブローチや留め金を身に付ける。他のアーケイン・オーダーには、刺青に特徴的な髪形や身なり、特定の意匠をあしらった装具を帯びたものもある。秘密のオーダーであればもちろん外見上の特徴は排するだろうが、よくグループに所属する他の者に自分を証明するべく秘密のサインを忍ばせている。シャツの下にかけたペンダント、何気なく見るものにはよくわからない指輪、ローブの内側に隠されたマークがそれかもしれない。
オーダー・アデプトを作る
当然の話だが、ほとんどのアデプトはウィザードかウォーロックだ。一つのオーダーに両者がいることは稀だが、どちらにも言えるのは、こうした組織というものは伝統的に彼らの密やかな社会の中で価値観を分かち合える人間を集めている。それに加え、多くのオーダーは秘術に関する彼らの研究を補うような他の能力を持った人材も加わる。魔法の神に身を捧げるクレリックや戦闘魔術師の一団が、剣と鎧を纏ったファイターを探しているという設定は、そうした人物がアーケイン・オーダーに所属する最高のきっかけとなるだろう。ときたま他のクラスの者が、研究に挫折するまでウィザードとしての野心に燃えていたということもあるだろう。そうした人間は残りの人生の間、若い頃の研究に関する記憶(あるいはそれは若さゆえの過ちというものかもしれない)を抱きつつ、背を向ける、もしくは追い出されるまでに学んだ、わずかばかりの魔法の有用さを噛みしめる。
開始時特徴
秘術の同胞団やウィザードのオーダーは、それぞれの団独自の技がある。君のオーダーのそれは、炎の弾丸をあたり一帯に降らせる呪文だ。
利益:君はアージェント・レインのパワーを得る。
アージェント・レイン
Argent Rain/銀の雨 オーダー・アデプト 攻撃
君は青白い溶けた金属の雨を召喚し、君の敵と敢えてその中に足を踏み入れるすべてのクリーチャーに浴びせる。
[遭遇毎]◆[秘術]、[火]、[装具]、[区域]
標準アクション・遠隔爆発1 10マス以内
目標:爆発の範囲内のクリーチャーすべて
攻撃:【最も高い能力修正値】対“反応”
ヒット: 1d10 + 【最も高い能力修正値】 [火]ダメージ。
効果:爆発の範囲内は使用者の次のターン終了時まで持続する区域となる。この区域内に進入するか、区域内でターンを終了したすべてのクリーチャーは5点の[火]ダメージを受ける。この方法でクリーチャーがダメージを受けるのは1ターンに1回までである。
レベル11: 10点の[火]ダメージ。
レベル21: 15点の[火]ダメージ。
テーマ追加特徴
レベル5 特徴
もはや見習いとは言えなくなり、正式な意味でオーダーの一員となった。君は所属するオーダーの主要な秘術の教義を学ぶようになる。
正式なメンバーには特定の色のローブ、大きくて目立つタトゥー、独特のヘアースタイルやあごひげのような、特別な紋章や服、あるいは印章をつけることが許される。君の紋章やそれとわかる印章は、どのようなものであれ多くの国で広く知られている。味方も敵も、君の第一印象は君の仕えるオーダーに基づいたものになるだろう。
利益:君は<魔法学>判定に+2のボーナスを得る。君が呪文書を使用するクラスである場合、(呪文書に)2レベルのウィザードの汎用パワーを1つ追加する。君が呪文書を使用しないクラスの場合、汎用パワーを得るか再訓練するとき、2レベルのウィザードの汎用パワーを選択することができる。
(訳注:原文ではこの特徴によって、レベルアップ・再訓練を重ねると複数のウィザードの汎用パワーを選択できるようにも読めますが、キャラクター・ビルダーの表記では2レベルパワー1つだけです。)
レベル10特徴
君はオーダー内で賢人、歴戦のマスターとして信を置かれる地位に登りつめた。マスターとして、君はオーダーに関して発言権を持ち、オーダーは君に対して最大限の便宜を図る。君はオーダーを危うくするような立場の決定や契約の締結について慎重さを求められるが、難しい決断が求められる時でもオーダーは君を信頼している。
多くの秘術のオーダーは階級制を採っており、年功を経て地位を得た者は組織の中にオフィスを構えている。上位のマスターは下位のメンバーにミッションを命じ、その活動を評価する。オフィスを持つということはオーダー内の活動について大きな影響力を持つとはいえ、時間と献身が求められる。多くのマスターはそうした責任から逃れ、私事で忙しくする方を好む。いずれにしろ、オーダーの指導者としての立場を引き受けるか、身軽なままでいるかは君次第だ。
自分の組織の影響力と責任を増すのに加え、君は秘術の技をさらに磨いていく。戦闘で魔法を使うことによって得た君の知識と経験は、魔法での戦いに際して恐るべき切り札となる。君の精神を攻撃してくるような呪文に対し、避けたり効果を最小限にしたりしてくれるのだ。
利益:君は意志防御値に+1のパワー・ボーナスを得る。君の<魔法学>に対するボーナスは+4に増加する。
(訳注:2011年6月のエラッタにより、意思防御値は+2のボーナスから+1のパワー・ボーナスに変更)
テーマ選択特徴
アーケイン・オーダーはふつう若い見習いに魔法の理論と儀式に関して徹底的な訓練を施す。君は他の呪文の影響を修正する、いわゆる「呪文修正呪文」をいくつか知っている。呪文修正呪文があれば、君は魔法の効果の持続時間を延長できるし、とても離れた距離にいる目標を攻撃できるし、欲しいタイミングで使用済の呪文を自分の精神に戻すことができる。
レベル2 汎用パワー
君は複数のパワーを同時に維持するのに役立つ呪文を詠唱する。もうちょっとの間不可視でいたり、魔法の力で飛ぶのを長くしたりすることが生と死を分けるかもしれない。
エクステンション
Extension/延長 オーダー・アデプト 汎用2
君は呪文の効果時間をほんの数秒間だけ延長させる。
[一日毎]◆[秘術]
フリー・アクション 使用者
効果:使用者は、維持するのにマイナー・アクションが必要なパワーを維持する。
特殊:このパワーは維持するのに移動アクションが必要なパワーに対してはマイナー・アクションとして使用できる。
レベル6 汎用パワー
君は遠隔呪文を飛躍的に伸ばす呪文修正呪文を修得した。どんな術者も超遠距離からの対処こそがベストな方法であるとわかっており、君もそのような状況において無力ではない。
ファー・リーチング
Far Reaching/遠当て オーダー・アデプト 汎用6
君は限界を超えて呪文の射程を延ばす。
[遭遇毎]◆[秘術]
フリー・アクション 使用者
トリガー:使用者が[秘術]の遠隔もしくは遠隔範囲攻撃パワーを使用する。
効果:使用者はトリガーを引いたパワーの射程を倍にする。たとえば、遠隔5のパワーは遠隔10のパワーになり、“遠隔爆発2・10マス以内”は“遠隔爆発2・20マス以内”になる。爆発のマス数に変更はない。
レベル10 汎用パワー
この強力な呪文は君の消費した呪文を補充する能力を持ち、各戦闘で1回しか
使えないはずの呪文を2回使えるようになる。ニーモニック・エンハンサーがあれば、君はさっき唱えたばかりの呪文を使ってしまったことを後悔するんじゃないかという心配からおさらばできる。
ニーモニック・エンハンサー
Mnemonic Enhancer/記憶力増強術 オーダー・アデプト 汎用10
君はこの戦いで既に使用した呪文を精神に呼び戻す。
[一日毎]◆[秘術]
マイナー・アクション 使用者
必要条件:使用者は[秘術]の遭遇毎攻撃パワーをすべて使用済でなくてはならない。
効果:使用者はレベルが最も低い[秘術]の遭遇毎攻撃パワーの使用回数を回復する。
ウィザーズ・アプレンティス
弟子というものはどんな生業にもあるものだが、最も有名、また悪名高いのはウィザーズ・アプレンティスをおいて他はない。間抜けな弟子が禁忌の書を覗き見し、危険な魔法を面白そうなおもちゃ同然に扱ったため、恋の魔法で大惨事になったり、変成術でやらかしたりする物語もあれば、賢い弟子が師匠の留守中に呪文を使いこなして村を救ったり、探求に赴いて日ごろの訓練を役立てたりした伝承もある。当人が軽率だろうが臨機応変だろうが、ウィザーズ・アプレンティスにとって、なくてはならない重要なことがある。経験を積んだ師匠による個人授業と指導だ。
魔法を学べるという特権の代わりに、普通ウィザーズ・アプレンティスはマスターが俗事と見なすような骨折り仕事や雑用をする年季奉公に何年間か従事する。典型的なヒューマンのウィザーズ・アプレンティスは11か12の頃に研究を始め、5~6年の間マスターの家に住み込む。経験を積んだ術者は様々な理由で弟子をとる。秘術の技に対する哲学を共有するため、見込みのある生徒をものにし、教えた対価として働かせるため、また貴族の子弟の教師になって稼ぐため。驚くべきことに、もっとも孤独好きや疑い深い部類の者達、そして悪の者ですら術者は弟子を取る。弟子の指導は自身の責務であると考える者、若くて才能のある魔術師をゆくゆくは仲間(ないし手下に)というつもりの者、己の企てを横から見ている存在を欲しがる者、さまざまだ。悪であるマスターはよく冷酷であったり搾取的だったりするが、自分の弟子を虐待して喜ぶのは最も愚かな部類の者だけだ。まわりまわって、自分から憎まれるように仕向けた相手と秘密の力を共有するのは頭が良いとは言えない。
冒険に出たウィザーズ・アプレンティスは、大なり小なり修業を終えた青年だろう。もう師匠の家に住み込みではないし、講義の合間に床掃除やポット磨きをしなくてもいい。そのような人物が時期を得て師匠から一人立ちできたなら、その弟子は重要な時に援助してくれる著名なパトロンの一人でも得ている頃だろう。ウィザーズ・アプレンティスの多くは生涯を通じて自らのマスターへの忠誠心を持ち続ける。自分の業績が師のそれを凌ぐようになったとしてもそれは変わらない。
とりわけ強力、または高名な師匠についた弟子は、代理人や協力者として仕えることもあり、そうした弟子は自らのことを名誉ある伝統の選ばれた守護者と考える。古のウィザードやソーサラーにさかのぼり、多くの有名な魔法使いは師匠から弟子へとその関係を受け継いできたのだ。
ウィザーズ・アプレンティスを作る
ほとんどのアプレンティスは術者であるウォーロックかウィザードだ。伝統的にどちらのクラスも知識の伝承を一度に魔術の技を究める能力を持ち、また期待を裏切らないということを示せた選ばれた一人だけに限っている。
しかしながら、秘術の生徒候補生の多くは師匠と同じ道を辿らない。たとえば、ある若いろくでなしは街のソーサラーの講義と雑用に追いまわされ、長年に渡る奴隷同然の奉公に甘んじていたが、魔法の技が金になると知った途端マスターを放り出してローグの道を歩んだ者もいる。裕福な貴族は、将来別な方面を歩むとしても、魔法の基礎を身に付けさせようとして子供に教師をつける。つまり、冒険者になる前に、ほとんど誰もが魔法の勉強をする可能性があるということだろう。
テーマ開始時特徴
君は多くのウィザーズ・アプレンティスが最初に学ぶような便利な攻撃呪文を身に付けた。とあるウィザードの塔では、カラー・オーブが見習い組の荒っぽい「ゲーム」に向いた呪文として教えられる。
カラー・オーブ
Color Orb/彩色の球体 ウィザーズ・アプレンティス 攻撃
君は色の渦巻いて輝く球体を敵目がけて放ち、瞬間的に幻惑させる。
[遭遇毎]◆[秘術]、[装具]、[光輝]
標準アクション遠隔5
目標:クリーチャー1体
攻撃:【最も高い能力修正値】対“意志”
ヒット:1d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ、目標は使用者の次のターン終了時まで幻惑状態となる。
レベル11:2d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ。
レベル21:3d8 +【最も高い能力修正値】[光輝]ダメージ。
テーマ追加特徴
レベル5特徴
君の技と冒険での活躍は君のマスターの耳に届いた。もしマスターがこの世の人でないのなら、その友人や仲間に聞こえているだろう。君の働きを認め、君のマスター(ないし仲間)は君の助けになるようにと心尽くしの品を贈る。
利益:君は6レベル以下の装具、鎧、首スロットのいずれかであるコモンのアイテム1つを得る。
レベル10特徴
長きにわたる冒険を経て多くを学んだ君は、過去に写しておいた秘術の理論や謎めいた記述が今こそ理解できるようになった。要領を得なかった概念はもう明解で、謎かけの意味や馬鹿げているように思われた問題はとうとうはっきりした。
利益:君は<魔法学>に+3のパワー・ボーナスを得て、神界語以外の言語を一つ修得する。
(訳注:2011年6月のエラッタにより、<魔法学>は+2のボーナスから+3のパワー・ボーナスに変更)
選択パワー
若い弟子時代に綴った学習帳やノートには役に立つ可能性を秘めた呪文の概略が記されている。これらは君の師匠から個人指導を受けていた期間のものかもしれないし、思索に耽っている頃に閃いたものかもしれない。君の師匠は余計な研究をする弟子に仕事を増やしたり罰したりはしなかったかもしれないが、君は自分の研究ができるその日が来るまでひとまず置いておくことにした。
レベル2 汎用パワー
君はちょっとした姿くらましの呪文が非常に役に立つということを知っている。効き目は長くないが、敵に君がいなくなったと気づかれる前に、角を曲がったりドアを通り抜けたりできる。敵の隙を打つために使うというのも良い手だ。
ディスアピアー
Disappear/消失 ウィザーズ・アプレンティス 汎用2
君は瞬時に視界から失せる。
[一日毎]◆[秘術]、[幻]
マイナー・アクション 使用者
効果:使用者はターン終了時まで不可視状態になる。
レベル6 汎用パワー
囁くような言葉とただ一歩の優雅な跳躍によって、君は空に飛び上がる。君は長く空中に留まってはいられないものの、屋根に登ったり襲いかかる敵から逃れるにはこの上なく便利な方法だ。
ウイングド・ステップ
Winged Step/翼つきのステップ ウィザーズ・アプレンティス 汎用6
君は1度きりの短い跳躍の間、空で自分を支えられる半固体の翼を自分のかかとに作る。
[遭遇毎]◆[秘術]
移動アクション 使用者
効果:使用者は6マスまで飛行して(訳注:ダメージを受けることなく)着地する。この移動は機会攻撃を誘発しない。
レベル10 汎用パワー
君は小型で無害な動物へと姿を変える呪文を学んだ。この姿では満足に戦うことはできないが、自らの2本の足では行けないような所や、君であると気づかれずに敵を見張るには実によい手段だろう。そして、他の物に化けることこそウィザーズ・アプレンティスの楽しみなのだ。
マイナー・ポリモーフ
Minor Polymorph/小動物変化 ウィザーズ・アプレンティス 汎用10
君は小さく、無害な動物に変身する。この姿は戦闘で非常に有効というわけではないものの、逃げおおせるには役に立つかもしれない。
[一日毎]◆[秘術]、[変身]
標準アクション 使用者
効果:使用者は次のターン終了時まで、超小型の自然・野獣キーワードを持つ動物形態になる。この形態の間使用者は攻撃ができず、選んだ動物形態の感覚と移動モードを持つ。選んだ形態が[水棲]キーワードを持つ場合、この形態にある間使用者は[水棲]を持つ。使用者はマイナー・アクションを消費して元の形態に戻ることができる。使用者が飛行中に元の形態に戻った場合、使用者は落下ダメージを受けることなく地面に着陸する。使用者を見る者は難易度(15+使用者のレベルの半分(端数切捨て))の<看破>判定に成功すれば、使用者の動物形態を見抜くことができる。
維持・マイナー:使用者の動物形態は使用者の次のターン終了時まで持続する。
(訳注 「動物形態の感覚」は暗視、疑似視覚や振動感知など、「移動モード」は穴掘り・飛行などを指します。変身したクリーチャーに該当がある場合、前者は感覚の欄の隣に、後者は移動速度の欄の隣に記載されています。)
著者について
リチャード・ベイカーは次元界の書、Dark Sun® Campaign Guide(未訳)やGamma World®(未訳)を筆頭に多数のゲームやサプリメントを作成し、受賞経験がある。また、ニューヨーク・タイムズ紙でフォーゴットン・レルム関連のCondemnation, the Last Mythal trilogyやthe Blades of the Moonseaシリーズを紹介されたベストセラー作家でもある。リッチは現在ウィザーズ・オヴ・ザ・コースト社でダンジョンズ&ドラゴンズの制作部門の編集長を務めている。
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