http://dungeonsmaster.com/2013/06/major-changes-coming-to-dd-encounters-dms-to-pay-for-adventures/#more-12705

D&D Encountersの大事なお知らせ:冒険のお代はDM持ち

2013年6月13日 Ameron(デリク・マイヤーズ)

 「マーダー・イン・バルダーズ・ゲート」の販売をもって、14シーズンにわたる身一つでの冒険は終わった。良くなったこともあるし、悪くなったこともある。読者諸兄はD&D エンカウンターズをとりまく環境の変化と、これからの身の処し方について問われることになるだろう。

 最大のニュースは、もう君たちの店舗にシナリオがタダで支給されなくなったことだ。DMは冒険をするために1冊34.95ドルを支払わなくてはならない。ある意味で公平だ。もし君がコンベンションやプレイグループでDMをしたいなら、1冊約35ドルの支払いは当然だろう。

 だがもし君が私のようにD&D エンカウンターズのために数年間ボランティアでDMをやっていて、理由の一つに費用がかからず、シナリオを続けるのに必要なのが君の熱意だけだったからだとしよう。突然同じものにどうしてお金がかかることになるのだろう?ウィザーズ社の横っ面をひっぱたかずにいられようか?なぜ買うなんてことを考慮に入れなくてはならないだろうか?この先を読めばその理由がお分かりになると思う。

 まず特筆すべきはこのシナリオは3.5版、4版、そしてD&DNextすべてで運用可能ということだ。「D&DNextの対応版をダウンロードする」という項目はもう存在しない。3つの版は同じ扱いを受けているように見えるし、本自体も単なるありふれた冒険以上のようだ。以下が現在オンライン上に表記されている本の内容になる。

「マーダー・イン・バルダーズ・ゲート」(Murder in Baldur’s Gate)
アドベンチャー第1部作 (商品説明)
・96ページ ハードカバー(7.09インチ×9.06インチ)
・うち64ページはバルダーズゲートおよびそこの住民について
・うち32ページはシナリオ(訳注:モンスターのデータは別途ダウンロード)
・冒険に関連した4つ折りのマスタースクリーン
・挿絵

 マップに関しての記述がないが、3.5版やD&DNextでやるならグリッド・マップは必要とは限らないため、ウィザーズ社が入れなかったとしても責められるものではない。4版でやりたいのなら、自分で作るかダンジョン・タイルを使うかしなくてはならないだろう。

 目についたのが、「マーダー・イン・バルダーズ・ゲート」の表紙画像にウィザーズ社は「D&Dエンカウンターズ」のロゴをつけていないし、公式プログラムであるとも書いていないことだ。ピンとこない方のために書くと、本棚にある他のD&Dのハードカバー書籍と同じ扱いということで、これがウィザーズ社の狙いだろうと私は見ている。ウィザーズ社の目的はシナリオをフラッグ・ストアで毎週水曜日にプレイし続けてほしいものの、D&Dエンカウンターズ以外でプレイする場を作ろうとしているのではないだろうか。これが果たしてD&Dエンカウンターズの終わりの始まりなのか、はたまたお金を取るための新たな流れができあがるのだろうか?

 D&Dエンカウンター・プログラムがどの方向に向かっているかに関係なく、まだ公式にコンポーネントを遊べるサポートはある。マーダー・イン・バルダーズ・ゲートは8月21日に始まるが、その前の週末に(8月17-18日)新シーズンに向けたお披露目会が設けられる。費用はタダで、必要なキットはフラッグ・ストアに送付される。キット1つにつき以下のものが梱包されている。

導入的な短いシナリオ:2部
DM用NPCカード:2組
専用のプレイヤー・マップ:20枚
「マーダー・イン・バルダーズ・ゲート」参加者配布用20面ダイス:20個

 インディアナポリスでたくさんのDMとプレイヤーでにぎわったGenConでの盛況を思い出すに、日常のフラッグ・ストアにおいては寂しさとともに振り返ることだろう。だが、今回の週末の冒険は(D&D Nextのルールを使用)したGenCon同様なのでそんなこともない。

 マーダー・イン・バルダーズ・ゲートは始まりに過ぎない。今後5シーズンにわたってD&Dエンカウンターズ(そのうちこの名前も変わるかもしれない)はウィザーズ・オブ・ザ・コースト社がしかける壮大なクロスオーバーイベントとなる。フォーゴトン・レルムを舞台にした、それぞれ違うキャラクターと場所で繰り広げられる6つの小説がシナリオの下敷きだ。もっとも、プレイヤーからのこれからの5部作で得たフィードバックをウィザーズ社は次への教訓にすることだろう。すぐに続報が来ることと思う。

 以上だ。私が知っていることはすべてお伝えした。D&Dエンカウンターズは変わりつつある。冒険は他の本同様有料となり、お金を払えば誰もが求めることができる。DMの持っているシナリオはもうDM専用のものではないため、知りすぎているプレイヤーに細心の注意を払うことになるだろう。

 個人的にフラッグ・ストアに期待しているのは、フラッグ・ストアが長く続けているDMに対してシナリオを無償で提供、少なくとも大幅割引してくれることだ。長期的に見ればDM陣はたくさんのプレイヤーを引き寄せ、物を買わせて店に大量のお金を落とさせる。過去のシーズンにわたって、公式プログラムがフラッグ・ストアにもたらした利益を考えれば、店は本代くらい便宜を図ってくれると思うのだが。

 以上の情報に基づいたあなたの反応はどうだろう?34.95ドルの支払いか、D&Dエンカウンターズを終了するかを突き付けられ、あなたはどうするだろう?今回の変更によって、どれだけの人がD&Dエンカウンターズを潰してしまうと考えるだろうか?はたまた、新しいシナリオを3.5版・4版・D&D Nextの好きな版で遊べることによって、どれだけの人がD&Dエンカウンターズやコンベンションに来るようになるのだろうか?

・ウィザーズ社の記事:マーダー・イン・バルダーズ・ゲート
(http://www.wizards.com/wpn/News/Article.aspx?x=2013_06_10_DDEBaldur)
・販促用フライヤー
(http://www.wizards.com/ContentResources/Wizards/Sales/Solicitations/2013_06_08_DDBaldur_Solicitation_en_US.pdf)

コメント