DAC2013 セッション資料 その1
2013年8月4日 ゲーム コメント (2)DAC2013“Bolt from the blue”のセッション資料になります。
こちらはHammerfast-A Dwarven Outpost Adventure Siteを基にしていますが、
必要に応じて修正してあります。掲載後に修正される可能性もありますので、
予めご承知おきください。
・ハンマーファストの成り立ち
とあるモラディンの僧侶が啓示を受け、ドワーフの墓所に都市を築いた。それがハンマーファストの始まりである。それからタラクという名のグルームシュの勇者が侵略するまで、この地はドワーフの聖地であり続けた。戦いでタラクは絶命し、争いはそこで終わるかに見えた。だがかえってグルームシュの注意を引いたため、遂にモラディンとグルームシュが直々にやりあうところまで発展した。
第二の戦争、今度は神々のそれになるかと思いきや、驚いたことに両者は妥協した。グルームシュはハンマーファストそのものには価値を見出さなかったが、己の信者をかの地に置くことは後々のためになると考え、オークの安全な居住をモラディンに要求した。モラディンは自身の定めた掟に従う限りにおいてこれを許した。両者が最終的に取り交わした、単純明快かつ絶対の掟は以下の4つである。
◆グルームシュの信者は、ハンマーファストの住民に危害を加えない限り安全な居住を保障される。
◆グルームシュの僧侶は、ハンマーファストが攻撃にさらされたとき、これを守る義務を負う。
◆住民に危害を加えようとしない限り、ハンマーファストの幽霊に手出しをしてはならない。幽霊への攻撃は、生きている住民への攻撃と見なされる。
◆モラディンの寺院とグルームシュの寺院は共に聖地である。片方がもう一方によって侵されたとき、神々がそれを止める。
掟を犯した者はモラディンの信徒によって取り調べ(拷問)がなされ、グルームシュの信徒によって処罰(両目をくり抜いて街から放逐される)されるのが常である。なお、4つ目の掟はこれまで破られたことがない。どこにでもある争いが神々の直接介入を招くなどとは考えられないことだが、ほとんどの住民はこの掟を破ることはこの地の終わりであると固く信じている。
・ハンマーファストの祝日
ドラゴンの日
盛夏の日、悪竜カラストリックスの打倒を記念してドラゴン祭りが行われる。メインとなるイベントは「ドラゴン火葬行列」であり、冒険者に扮した子供たちが、町中を練り歩きながら並べられたドラゴンのぬいぐるみを剣や槍で一つずつ刺していく。パレードの終点はモラディンの寺院であり、穴の開いたぬいぐるみが盛大に燃やされて祭りを締めくくる。
戦いの日
春の初めの頃、かつてハンマーファストにあった争いを忘れないためにある。この日の逢魔が時に外にいると酷い不運に遭うと言われているため、人々は日没後扉を固く閉じて出歩かない。深夜に吠え猛るオークの軍勢が町を走り抜け、当時の戦を思い起こさせる。
隣人の日
秋が訪れる頃、過ぎ去った夏の日を惜しむかのように収穫祭が開かれる。老いも若きも、権力者も貧乏人もみな一緒の仮装行列が街を練り歩き、どの家もケーキやクッキー、その他お菓子を焼いて子供に配る。食べ物をあげる行為は町の結束を象徴している。
一つ目祭り
モラディンとグルームシュの間には緊張が途切れることがないが、決して爆発には至らない。「一つ目祭り」はこの緊張の発散の場とも言われている。毎年極寒の日を選んでグルームシュの僧侶が荒々しい武道会を主催し、ネンティア谷周辺のグルームシュの強者たちが集まって序列を競う。試合は対戦相手の死で決着がつくこともあるが、多くはいずれかが気絶して終わる。
この決闘とは別に、グルームシュの戦士たちは相手を選ばず勝負を受ける。コードの戦士、近隣の腕自慢などなど、戦えるものなら誰でも歓迎される。
この祭りは一週間にも及ぶ。グルームシュの僧侶がこれらの勝敗が来るべき年の吉凶を占うと考えているが、そこにモラディンの寺院がつけこむ。奴らをやきもきさせてやろうと企んでパラディンやクレリックを送り込み、祭りはちょっとした盛り上がりを見せるのだ。
(PCたちはこの祭りでその年のチャンピオンを倒して名を挙げた、などの設定ができます。)
・故あってPC達を狙う面々
サークル・オブ・ストーン
歴史的にハンマーファストの成り立ちを厳密に解釈し、ドワーフのみがハンマーファストの住人であるという、いわゆるモラディンの急進派である。存在と行動がハンマーファストの掟に触れるものであるため、表向きは存在を秘して影からオークやグルームシュの影響力を排そうとして暗躍する。オーク憎しなどどこにでもある話なだけに、消極的にこれを支持する者も多く、ハンマーファストのモラディンの司祭たちも少なからずこれとのつながりを噂される。ただし、サークル・オブ・ストーンとの関係は、モラディンの聖職者にとって致命的(同胞による拷問と憎むべき相手からの処刑が待っている)なだけに、それを認める者、まして公言する者はまずいない。
グロンド・シルバースター
彼は狂信者でも急進者でもなかった。ネンティア谷近くのドワーフ氏族の一員として生まれ、青年期にオークの一団の襲撃を受け、彼以外の家族は命を落とした。自らも瀕死の重傷を負って命尽きようというとき、ベルナール・トゥルーシルバーというモラディンのエグザルフが彼を救い、「ハンマーファストをあるべき姿に導く」ようにという啓示を授けた。それからというもの、モラディン高司祭として、仕える神のみならず家族の復讐のためと、ハンマーファストにおいて自らの目的を密かに果たしていた・・・とある冒険者たちの手によって、彼がサークル・オブ・ストーンの一員であることを発覚するまでは。ドワーフの審問もオークの捜索からも逃げおおせたグロンドは、その日を境にハンマーファストから姿を消した。
グルームシュの勇者、タール
力こそ全てと考えるこのドラゴンボーンは、剣匠を見つけては師事し、奥義を得た後で殺すという秘伝盗みの人生を送っていた。その年の一つ目祭りにおいて、存分に腕を振るった彼はオークを差し置きグルームシュの祝福を受け、以来グルームシュのチャンピオンとして仕えている。悪竜カラストリックスの襲撃において、彼は自分こそがドラゴン・スレイヤーにふさわしいと豪語し、それにふさわしいだけの力もあったのだが、実際にその称号を得たのはよそ者のヒューマンやつまらんドワーフどもであった。獲物を横取りされて大いに誇りを傷つけられたタールは、竜殺しを殺せば自分が最強と思い直し、虎視眈々とその機会を狙っている。
・ハンマーファストの幽霊たち
ハンマーファストはもともとが墓地の上に作られた町であるため、幽霊には事欠かない。勘のいい人が暗いところで目を凝らせば1人や2人はすぐ見つかるし、日が沈めば夜こそ自分たちの時間とばかりに闊歩する。
大概の幽霊はおとなしい。町をうろついている連中も生者を気にも留めずおしゃべり(たまに独り言)に興じる。内容は15分も聞けば(ほとんどが一方的にしゃべるだけなので、もし聞き続けるような忍耐があればの話だが)最初に戻るようなしろものであるため、進んで幽霊に話しかける生者がいるとすれば、もうじき幽霊の仲間入りをするか、酔っぱらいか、あるいはどうしても昔のことで知りたいことがあり、手当たり次第聞きまくっている連中(早い話、馬鹿と冒険者)くらいだろう。
もっとも、すべてが人畜無害というわけでもない。戦いで死んだドワーフの霊は、オークを見るや斧を構えてときの声を上げて襲いかかることがある。そうした突撃が100回あったとして、そのうち99回は(実体を持たない彼らは)触れることすらかなわず、埃を巻き上げて終わる。だが残り1回が襲った相手を八つ裂きにしないなどという保証はどこにもないのだ。そうした意味でもっとも危険なのは、「鉄の墓所」のモラディンのパラディンとクレリック20名だろう。タラクやカラストリックスとの戦いで命を落とした者のうち、とりわけ名誉ある人物が、死後もなおハンマーファストの護りを買って出ている。彼らはたまに「起きて」外の様子をうかがっている。もちろんハンマーファストの掟は知っているものの、オークに引けを取らない闘争心、不退転の意志と優れた技量をもった彼らをなだめて誤解を解くのは、モラディンの聖職者をもってしても骨の折れる仕事だろう。
こちらはHammerfast-A Dwarven Outpost Adventure Siteを基にしていますが、
必要に応じて修正してあります。掲載後に修正される可能性もありますので、
予めご承知おきください。
・ハンマーファストの成り立ち
とあるモラディンの僧侶が啓示を受け、ドワーフの墓所に都市を築いた。それがハンマーファストの始まりである。それからタラクという名のグルームシュの勇者が侵略するまで、この地はドワーフの聖地であり続けた。戦いでタラクは絶命し、争いはそこで終わるかに見えた。だがかえってグルームシュの注意を引いたため、遂にモラディンとグルームシュが直々にやりあうところまで発展した。
第二の戦争、今度は神々のそれになるかと思いきや、驚いたことに両者は妥協した。グルームシュはハンマーファストそのものには価値を見出さなかったが、己の信者をかの地に置くことは後々のためになると考え、オークの安全な居住をモラディンに要求した。モラディンは自身の定めた掟に従う限りにおいてこれを許した。両者が最終的に取り交わした、単純明快かつ絶対の掟は以下の4つである。
◆グルームシュの信者は、ハンマーファストの住民に危害を加えない限り安全な居住を保障される。
◆グルームシュの僧侶は、ハンマーファストが攻撃にさらされたとき、これを守る義務を負う。
◆住民に危害を加えようとしない限り、ハンマーファストの幽霊に手出しをしてはならない。幽霊への攻撃は、生きている住民への攻撃と見なされる。
◆モラディンの寺院とグルームシュの寺院は共に聖地である。片方がもう一方によって侵されたとき、神々がそれを止める。
掟を犯した者はモラディンの信徒によって取り調べ(拷問)がなされ、グルームシュの信徒によって処罰(両目をくり抜いて街から放逐される)されるのが常である。なお、4つ目の掟はこれまで破られたことがない。どこにでもある争いが神々の直接介入を招くなどとは考えられないことだが、ほとんどの住民はこの掟を破ることはこの地の終わりであると固く信じている。
・ハンマーファストの祝日
ドラゴンの日
盛夏の日、悪竜カラストリックスの打倒を記念してドラゴン祭りが行われる。メインとなるイベントは「ドラゴン火葬行列」であり、冒険者に扮した子供たちが、町中を練り歩きながら並べられたドラゴンのぬいぐるみを剣や槍で一つずつ刺していく。パレードの終点はモラディンの寺院であり、穴の開いたぬいぐるみが盛大に燃やされて祭りを締めくくる。
戦いの日
春の初めの頃、かつてハンマーファストにあった争いを忘れないためにある。この日の逢魔が時に外にいると酷い不運に遭うと言われているため、人々は日没後扉を固く閉じて出歩かない。深夜に吠え猛るオークの軍勢が町を走り抜け、当時の戦を思い起こさせる。
隣人の日
秋が訪れる頃、過ぎ去った夏の日を惜しむかのように収穫祭が開かれる。老いも若きも、権力者も貧乏人もみな一緒の仮装行列が街を練り歩き、どの家もケーキやクッキー、その他お菓子を焼いて子供に配る。食べ物をあげる行為は町の結束を象徴している。
一つ目祭り
モラディンとグルームシュの間には緊張が途切れることがないが、決して爆発には至らない。「一つ目祭り」はこの緊張の発散の場とも言われている。毎年極寒の日を選んでグルームシュの僧侶が荒々しい武道会を主催し、ネンティア谷周辺のグルームシュの強者たちが集まって序列を競う。試合は対戦相手の死で決着がつくこともあるが、多くはいずれかが気絶して終わる。
この決闘とは別に、グルームシュの戦士たちは相手を選ばず勝負を受ける。コードの戦士、近隣の腕自慢などなど、戦えるものなら誰でも歓迎される。
この祭りは一週間にも及ぶ。グルームシュの僧侶がこれらの勝敗が来るべき年の吉凶を占うと考えているが、そこにモラディンの寺院がつけこむ。奴らをやきもきさせてやろうと企んでパラディンやクレリックを送り込み、祭りはちょっとした盛り上がりを見せるのだ。
(PCたちはこの祭りでその年のチャンピオンを倒して名を挙げた、などの設定ができます。)
・故あってPC達を狙う面々
サークル・オブ・ストーン
歴史的にハンマーファストの成り立ちを厳密に解釈し、ドワーフのみがハンマーファストの住人であるという、いわゆるモラディンの急進派である。存在と行動がハンマーファストの掟に触れるものであるため、表向きは存在を秘して影からオークやグルームシュの影響力を排そうとして暗躍する。オーク憎しなどどこにでもある話なだけに、消極的にこれを支持する者も多く、ハンマーファストのモラディンの司祭たちも少なからずこれとのつながりを噂される。ただし、サークル・オブ・ストーンとの関係は、モラディンの聖職者にとって致命的(同胞による拷問と憎むべき相手からの処刑が待っている)なだけに、それを認める者、まして公言する者はまずいない。
グロンド・シルバースター
彼は狂信者でも急進者でもなかった。ネンティア谷近くのドワーフ氏族の一員として生まれ、青年期にオークの一団の襲撃を受け、彼以外の家族は命を落とした。自らも瀕死の重傷を負って命尽きようというとき、ベルナール・トゥルーシルバーというモラディンのエグザルフが彼を救い、「ハンマーファストをあるべき姿に導く」ようにという啓示を授けた。それからというもの、モラディン高司祭として、仕える神のみならず家族の復讐のためと、ハンマーファストにおいて自らの目的を密かに果たしていた・・・とある冒険者たちの手によって、彼がサークル・オブ・ストーンの一員であることを発覚するまでは。ドワーフの審問もオークの捜索からも逃げおおせたグロンドは、その日を境にハンマーファストから姿を消した。
グルームシュの勇者、タール
力こそ全てと考えるこのドラゴンボーンは、剣匠を見つけては師事し、奥義を得た後で殺すという秘伝盗みの人生を送っていた。その年の一つ目祭りにおいて、存分に腕を振るった彼はオークを差し置きグルームシュの祝福を受け、以来グルームシュのチャンピオンとして仕えている。悪竜カラストリックスの襲撃において、彼は自分こそがドラゴン・スレイヤーにふさわしいと豪語し、それにふさわしいだけの力もあったのだが、実際にその称号を得たのはよそ者のヒューマンやつまらんドワーフどもであった。獲物を横取りされて大いに誇りを傷つけられたタールは、竜殺しを殺せば自分が最強と思い直し、虎視眈々とその機会を狙っている。
・ハンマーファストの幽霊たち
ハンマーファストはもともとが墓地の上に作られた町であるため、幽霊には事欠かない。勘のいい人が暗いところで目を凝らせば1人や2人はすぐ見つかるし、日が沈めば夜こそ自分たちの時間とばかりに闊歩する。
大概の幽霊はおとなしい。町をうろついている連中も生者を気にも留めずおしゃべり(たまに独り言)に興じる。内容は15分も聞けば(ほとんどが一方的にしゃべるだけなので、もし聞き続けるような忍耐があればの話だが)最初に戻るようなしろものであるため、進んで幽霊に話しかける生者がいるとすれば、もうじき幽霊の仲間入りをするか、酔っぱらいか、あるいはどうしても昔のことで知りたいことがあり、手当たり次第聞きまくっている連中(早い話、馬鹿と冒険者)くらいだろう。
もっとも、すべてが人畜無害というわけでもない。戦いで死んだドワーフの霊は、オークを見るや斧を構えてときの声を上げて襲いかかることがある。そうした突撃が100回あったとして、そのうち99回は(実体を持たない彼らは)触れることすらかなわず、埃を巻き上げて終わる。だが残り1回が襲った相手を八つ裂きにしないなどという保証はどこにもないのだ。そうした意味でもっとも危険なのは、「鉄の墓所」のモラディンのパラディンとクレリック20名だろう。タラクやカラストリックスとの戦いで命を落とした者のうち、とりわけ名誉ある人物が、死後もなおハンマーファストの護りを買って出ている。彼らはたまに「起きて」外の様子をうかがっている。もちろんハンマーファストの掟は知っているものの、オークに引けを取らない闘争心、不退転の意志と優れた技量をもった彼らをなだめて誤解を解くのは、モラディンの聖職者をもってしても骨の折れる仕事だろう。
コメント
みなさん協力的でとても助かっています。
こういう項目が知りたい、ということがあれば教えてくださいね。